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容器包装装置
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- 【要約】
【課題】容器を袋内の略一定位置に常時スムーズに収納でき、これにより包装袋のシワの発生を抑制し、かつ高い品質レベルで安定して容器を包装可能で、また容器の大きさに対して開口部の開きを十分に確保可能な容器包装装置を提供する。
【解決手段】ケース挿入時、包装袋11の後端部を袋後端チャック手段16により固定するので、包装袋11の自由度が抑えられ、袋内の一定位置にウェーハケース12を常にスムーズに収納できる。よって包装袋11のシワを抑制し、高品質レベルで安定してウェーハケース12を包装できる。また、ケース挿入時、予め各拡開部材32を袋内に差し込み、これらを開口部の略中心位置を中心にして各90°位相の放射方向に移動させる。これにより、開口部の開口面積を内側から拡大でき、開口部をウェーハケース12より十分に開くことができる。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端だけが開口された横置き状態の包装袋のうち、封止された後端部を挟持する袋後端固定手段と、
前記包装袋の開口部を開く袋開口手段と、
開いた開口部から前記包装袋におのおのが出し入れ自在に挿入されるとともに、該開口部の略中心位置を中心とした異なる放射方向への移動により、前記開口部の開口面積を内側から拡大させる複数の拡開部材を有した開口部拡開手段と、
開口面積が拡大された前記開口部を通して、容器を前記包装袋に挿入する容器挿入手段とを備えた容器包装装置。
【請求項2】
前記袋後端固定手段は、
前記包装袋の後端部を、該包装袋の表裏方向からその袋幅方向の全長にわたって挟持可能な1対の袋後端固定部材と、
両袋後端固定部材を、相対的に近接離反させる固定部材移動部とを有した請求項1に記載の容器包装装置。
【請求項3】
前記開口部拡開手段は、各拡開部材をそれぞれ水平方向に往復移動可能で、かつ各拡開部材をそれぞれ前記放射方向に往復移動可能な構造を有した請求項1または請求項2に記載の容器包装装置。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は容器包装装置、詳しくは、例えば多数枚の半導体ウェーハを収めたウェーハケースをプラスチック袋などの包装袋に収納して梱包する容器包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェーハ製造工場で作製されたシリコンウェーハなどの半導体ウェーハは、輸送中における損傷および汚染などを防止するため、通常、中子である合成樹脂製のウェーハカセットに挿填された後、ガスケット(パッキング材)により蓋が密閉されるウェーハケースに納められる。ウェーハケースは、さらにナイロン(ポリアミド繊維の商品名)製の内袋と、アルミニウム製の外袋とに順次収納され、それぞれ熱シールにより密封されている。これにより、輸送中において、外部の微細なごみ類がウェーハケース内に侵入し、これがウェーハ表面に付着しない梱包構造となっている。
【0003】
上述した包装作業を人手により行うときには、まず、包装袋に容器を挿入し、包装袋シール部を熱シール機または圧着シール機に装着し、脱気シールもしくは脱気無しシールを行う。その後、包装袋の開口部およびその反対となる後端部を手で折り曲げ、テープを貼り付けて両袋端部を固定していた。
これら全ての工程を手作業で行うと、包装にかなりの時間を要するだけでなく、シール部分のシワが起こり易い。しかも、袋内の脱気を伴う包装を行う際には、脱気状態のバラツキも大きくなり、安定した包装作業が行えなかった。さらには包装袋の端を折り曲げて、テープを貼り付けて固定する作業にも、かなり手間を要していた。
【0004】
そこで、これを解消するものとして、例えば特許文献1の容器包装装置が知られている。特許文献1は、横置きされた包装袋を所定位置に供給する包装袋供給手段と、包装される容器を所定位置に供給する容器ローダー手段と、包装袋の開口部を上下に配置された1対の吸着アームにより真空吸着し、両吸着アームを互いに上下に離反させることで開口部を開き、その後、開口部から容器を包装袋内に挿入する容器挿入手段と、容器を内蔵した包装袋内を吸引ノズルにより脱気し、その後、開口をシールする整形手段と、シール後の包装袋の端を折り曲げ、折り曲げられた包装袋端を止着(テープ止め)する包装袋端処理手段とを備えたものである。
【0005】
特許文献1によれば、包装袋への容器の挿入、容器の脱気包装、包装袋の開口部の熱シール、袋端折り曲げ、テープ(ラベル)貼り付けなどを行う包装作業において、大きさや形状などが種々異なる容器が混合搬送される場合であっても、同一の品質レベルで包装することが可能であって、各工程の機械化および自動化も容易で、スループットを高めることができる。
【特許文献1】特開2002−154505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、このように容器を包装袋に挿入する際、横置きされた包装袋の後端部を固定せず、包装袋の開口部の上下側に真空吸着させた1対の吸着アームを上下に移動させて開口部を開いていた。そのため、以下の欠点があった。
すなわち、(1) 横置き(袋長さ方向が略水平)の包装袋の場合であって、袋後端部が固定されていないときには、包装袋のうち、開口部を除く残り部分の自由度が、縦置き(袋長さ方向が略垂直)の包装袋の場合に比べて大きい。これにより、開口された包装袋の形状(袋内空間の形状)を一定にすることは困難であった。その結果、容器をスムーズに袋に入れることができず、しかも包装袋にシワが生じ易かった。
【0007】
(2) また、容器の袋挿入時において、包装袋が縦置きの場合には、自重により容器が包装袋の底部の略一定位置にスムーズに収納され易い。これにより、容器挿入後の包装袋にシワの発生が少なかった。しかも、容器を挿入した際に包装袋の後端部(前端部も同じ)の両側に現出される1対の三角形状を有した耳部(以下、三角耳部)は、その大きさおよび形状が略一定していた。
これに対して、包装袋が横置きの場合には、容器が包装袋の底部の略中間位置(一定位置)に収まり難くかった。そのため、容器挿入後の包装袋にシワの発生が多く、包装袋の後端部の左右の三角耳部の大きさ、形状が不均一になり易かった。これにより、容器の両側方において、包装袋の前端部および後端部の各三角耳部を折り畳んでテープ止めする際、容器の一側方における三角耳部の長さが不足し、三角耳部をうまく固定できず、高い品質レベルで安定して容器を包装することができなかった。
【0008】
(3) また、横置き状態の包装袋の開口は、開口部に吸着された1対の吸着アームを単に上下に移動することで行われていた。そのため、容器の大きさに比べて、開口部の開きが不十分である場合が多々あった。その結果、容器の袋詰めに支障が発生し、袋詰めを効率良く行うことができなかった。
そこで、発明者らは鋭意研究の結果、容器を包装袋に挿入する際、横置きされた包装袋の後端部を固定しておけば、包装袋を開いたとき、開口部を除く包装袋の残り部分の自由度が抑えられ、容器を袋内の略一定位置に、常時、スムーズに収納することができ、これにより横置きされた包装袋を使用した場合でも、容器挿入後の包装袋のシワの発生を抑制することができるとともに、包装袋の後端部の左右の三角耳部の大きさ、形状を均一化させ、高い品質レベルで安定して容器を包装可能であることを見い出し、この発明を完成させた。
【0009】
また、容器の袋入れに際して、予め複数の拡開部材を袋内に差し込み、各拡開部材を開口部の略中心位置を中心とした異なる放射方向に移動させ、開口部の開口面積を内側から拡大させるようにすれば、容器の大きさに対して開口部の開きを十分に確保することができることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、容器を、常時、袋内の略一定位置にスムーズに収納することができ、これにより包装袋のシワの発生を抑制するとともに、高い品質レベルで安定して容器を包装することができ、また容器の大きさに対して開口部の開きを十分に確保することができる容器包装装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、先端だけが開口された横置き状態の包装袋のうち、封止された後端部を挟持する袋後端固定手段と、前記包装袋の開口部を開く袋開口手段と、開いた開口部から前記包装袋におのおのが出し入れ自在に挿入されるとともに、該開口部の略中心位置を中心とした異なる放射方向への移動により、前記開口部の開口面積を内側から拡大させる複数の拡開部材を有した開口部拡開手段と、開口面積が拡大された前記開口部を通して、容器を前記包装袋に挿入する容器挿入手段とを備えた容器包装装置である。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、容器を包装袋に挿入する際、横置きされた包装袋の後端部を袋後端固定手段により固定する。これにより、包装袋の開口部を袋開口手段によって開いたとき、開口部を除く包装袋の残り部分の自由度が小さくなる。その結果、容器を、常時、袋内の略一定位置にスムーズに収納することができる。よって、包装袋のシワの発生を抑制するとともに、しかも、容器挿入後、袋後端部の両側に現出される三角耳部の大きさおよび形状が均一化する。これにより、袋前端部および袋後端部の両三角耳部を互いに突き合わせた状態で折り畳んでテープ止めするとき、容器の一側方において、三角耳部の長さが不足してテープ止めできなくなる事態を回避することができる。その結果、高い品質レベルで安定して容器を包装することができる。
【0012】
また、容器の袋入れに際しては、予め複数の拡開部材を袋内に差し込み、これらを開口部の略中心位置を中心として異なる放射方向に移動させる作業を行う。これにより、開口部の開口面積が内側から拡大され、容器の大きさに対して開口部の開きを十分に確保することができる。
容器の種類は任意である。例えば、半導体ウェーハが収納されたウェーハケースなどを採用することができる。
容器の素材および形状は、包装袋に収納可能な大きさ、形状であれば任意である。
【0013】
ここでいう包装袋とは、空気を抜いた状態で平面視して矩形状を有し、一端部だけに開口部が形成され、残りの3つの端部が密封(3方シール)された袋である。
ここでは、包装袋の開口部が形成された端(端部)を一端(一端部)、先端(先端部)または前端(前端部)という。また、包装袋の開口部が形成された端とは反対側の端(端部)を、他端(他端部)または後端(後端部)という。包装袋の前端と後端とを除く残り2つの端(端部)を、側端(側端部)という。さらに、袋長さ方向(包装袋の長さ方向)とは、包装袋の前端と後端とを結ぶ方向(前後方向)をいう。袋幅方向(包装袋の幅方向)とは、包装袋の一方の側端と他方の側端とを結ぶ方向(左右方向)をいう。包装袋の表裏方向とは、包装袋の厚さ方向をいう。包装袋の表面(表側)とは、空気を抜いた包装袋を水平台(床面)に載置したとき、上を向いた面(側)をいう。包装袋の裏面(裏側)とは、空気を抜いた包装袋を水平台(床面)に載置したとき、下を向いた面(側)をいう。
横置き状態の包装袋とは、空気を抜いた包装袋を水平台(床面)に載置した状態をいう。
包装袋が開口するとは、包装袋の開口面に隙間(空間)が形成される状態をいう。包装袋の開口部の略中心位置を中心とした放射方向とは、包装袋の開口した面の略中心位置を中心として、この開口した面に沿った放射方向をいう。
【0014】
包装袋の素材としては、例えば各種の合成樹脂(ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなど)、各種の金属(アルミニウムなど)を採用することができる。
包装袋としては、例えば先端のみが開口された三方シールのフラットタイプ袋でもよいし、ガセットタイプ袋でもよい。ガセットタイプ袋の場合、シート状の包装袋はピンチロールで送り出されたり、真空吸着状態で移送することができる。
袋後端固定手段は、包装袋の後端を挟持(固定)可能な構造を有したものであればよい。例えば、包装袋の後端部を挟持する上下1対の袋後端固定部材と、両袋後端固定部材を近接離反させる固定部材移動部とを有したものを採用することができる。
近接離反とは、対象物(ここでは袋後端固定部材)同士を互いに近づけたり、離反させることをいう。
【0015】
袋後端固定手段により挟持される包装袋の後端(奥側の縁)の部分とは、その袋幅方向の全長にわたった部分でもよいし、その一部でもよい。ただし、袋幅方向の全長にわたったものの方が好ましい。
袋開口手段は、包装袋の開口部を広げられる(開けられる)構造であれば任意に構成することができる。例えば、包装袋の表裏側を個別に吸着する1対の真空吸引パッドと、両真空吸引パッドを互いに近接離反させる手段を有したものでもよい。
開口部拡開手段は、開いた開口部に挿入される複数の拡開部材を有し、各拡開部材を用いて開口部を包装袋の内側から外方に押し広げられるものであれば任意に構成することができる。例えば、拡開部材を水平移動させる手段と、拡開部材を開口部の略中心位置を中心とした異なる放射方向に移動可能な手段とが併設されたものでもよい。
拡開部材の素材としては、例えば各種の金属、各種の合成樹脂、各種のセラミックスなどを採用することができる。
【0016】
拡開部材は、例えば棒形状、板形状、ブロック形状のものを採用することができる。
拡開部材の使用本数は2本以上であれば、例えば3本、4本または5本でもよい。
容器挿入手段は、包装袋に容器を挿入可能な構造であれば任意である。例えば、容器を支持部材により支持し、この状態のまま、支持部材を押し込み機構により水平移動させ、容器を開口部を通して袋内に挿入するものなどを採用することができる。
【0017】
第2の発明は、第1の発明にあって、前記袋後端固定手段は、前記包装袋の後端部を、該包装袋の表裏方向からその袋幅方向の全長にわたって挟持可能な1対の袋後端固定部材と、両袋後端固定部材を、相対的に近接離反させる固定部材移動部とを有した容器包装装置である。
請求項2に記載の発明によれば、包装袋の後端固定時には、固定部材移動部により両袋後端固定部材を互いに近接させ、包装袋の後端部を表裏方向(上下方向)から挟持する。これにより、横置き状態の包装袋の後端部を、袋幅方向の全長にわたってしっかりと固定することができる。
袋後端固定部材の素材としては、例えば各種の金属、各種の合成樹脂、各種のセラミックス、各種の木などを採用することができる。
袋後端固定部材の大きさ、形状は任意である。
固定部材移動部としては、例えば、駆動モータ、駆動シリンダなどの駆動部により、袋後端固定部材を回動させたり、袋後端固定部材を直線移動させるものを採用することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、第1の発明または第2の発明にあって、前記開口部拡開手段は、各拡開部材をそれぞれ水平方向に往復移動可能で、かつ各拡開部材をそれぞれ前記放射方向に往復移動可能な構造を有した容器包装装置である。
第3の発明によれば、容器の袋挿入時、開口部拡開手段により各拡開部材を水平方向に移動して袋内に差し込む。その後、開口部拡開手段により各拡開部材を開口部の略中心位置を中心として異なる放射方向に移動させる。これにより、包装袋の開口部の拡開をスムーズに行うことができる。
各拡開部材を水平方向に往復移動させる機構としては、例えば、エアシリンダなどのアクチュエータ、電動モータなどの駆動部により、水平ガイドに沿って、各拡開部材を水平移動させる水平移動機構を採用することができる。
また、各拡開部材を放射方向に移動させる機構としては、例えば、前記駆動部により、傾斜ガイドに沿って、各拡開部材を開口部の略中心位置を中心とした異なる放射方向(傾斜方向)に移動させる放射移動機構を採用することができる。
水平移動機構と放射移動機構とは、互いに一体化させて設けてもよいし、別体で設けてもよい。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、容器の袋挿入時、横置きされた包装袋の後端部を袋後端固定手段により挟持するので、開口部を除く包装袋の残り部分の自由度が抑えられる。これにより、袋内の略一定位置に容器を常にスムーズに収納することができる。その結果、包装袋のシワの発生を抑制するとともに、高い品質レベルで安定して容器を包装することができる。
また、容器の袋挿入時において、予め複数の拡開部材を袋内に差し込み、これらを開口部の略中心位置を中心として異なる放射方向に移動させるので、開口部の開口面積を内側から拡大させることができる。これにより、容器の大きさに対して開口部の開きを十分に確保することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、容器の袋挿入に先駆けて、固定部材移動部を作動し、両袋後端固定部材により包装袋の後端部をその袋幅方向の全長にわたって挟持するので、横置き状態の包装袋の後端部をしっかりと固定することができる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、容器の袋挿入時、開口部拡開手段により各拡開部材を水平方向に移動して袋内に差し込んだ後、各拡開部材を開口部の略中心位置を中心として異なる放射方向に移動させるので、包装袋の開口部の拡開をスムーズに行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明の実施例を参照して説明する。なお、説明の都合上、Y1方向を包装袋内に容器を挿入する方向、Y2方向を包装袋内に容器を挿入する方向とは反対方向、X1方向を平面内でY1−Y2方向と直交する一方向、X2方向を平面内でY1−Y2方向と直交する他方向とする。
ここでは、容器として多数枚のシリコンウェーハが中子であるウェーハカセットを介して収納されたウェーハケースを採用している。ウェーハケースは、包装袋(内袋)に挿入して梱包後、さらにアルミニウム製の外袋に納めて二重に梱包される。なお、外袋による梱包作業は、内袋による梱包と同じである。そのため、説明を省略している。
【0023】
図1において、10はこの発明の実施例1に係る容器包装装置で、先端だけを開口して三方シールされた矩形状の包装袋11を開口し、その袋内に略直方体のウェーハケース(容器)12を挿入して梱包する装置である。包装袋11としては、ウェーハケース12を収納可能な大きさのナイロン(ポリアミド繊維の商品名)製のフラットタイプ袋が採用されている。
図2に示すように、容器包装装置10は、平面視して横T字形状に配設された5つのステージに区分されている。
【0024】
すなわち、容器包装装置10は、多数枚の包装袋11が袋ストック台車13上に積層される第1ステージS1と(図12、図13)、第1ステージS1のY2側に配置され、ウェーハケース12が包装袋11に挿入(投入)される第2ステージS2と、第2ステージS2のY2側に配置され、包装袋11に挿入されるウェーハケース12を待機させる第3ステージS3と、第2ステージS2のX1側に配置され、ケース挿入後(容器挿入後)の包装袋11内の脱気、包装袋11の後端部の三角耳部11a(図3)の整形、包装袋11の開口部のシールを行う第4ステージS4と、第4ステージS4のX1側に配置され、包装袋11の前端部の三角耳部11aを折り、前後端部の三角耳部11aをテープ止めする第5ステージS5とを備えている。
【0025】
図2および図12に示すように、第1ステージS1には、袋長さ方向を水平とした横置き状態で多数枚の包装袋11が積載された袋ストック台車(水平台)13が配置されている。このとき、各包装袋11の開口部は、Y2方向に向けられている。しかも、袋ストック台車13は、各包装袋11の開口部が第2ステージS2内に配置されるようになっている。
第2ステージS2には、袋ストック台車13上に積載された包装袋11のうち、最上位置の包装袋11の開口部付近を真空吸着して持ち上げる複数本のピックアップパッド14(図12)が配置されている。ピックアップパッド14により持ち上げられた包装袋11の開口部は、袋後端チャック手段(袋後端固定手段)16の上下1対の袋後端固定部材15によってチャック(挟持)され、包装袋11の全体が第2ステージS2の内部まで移送される。ここで、包装袋11の前端部は後述する袋先端チャック手段17によりチャックされ、この後、袋後端チャック手段16は第2ステージS2のY1側の端部に戻り、包装袋11の後端部を袋後端固定部材15によりチャックする。
【0026】
袋後端チャック手段16は、第2ステージS2の上部空間に配置され、各ピックアップパッド14と両袋後端固定部材15とを第2ステージS2のY1側の端部とY2側の端部との間で移動させるベルト式の袋後端固定用コンベアC1(図12)を有している。袋後端固定用コンベアC1には、昇降用エアシリンダ16aの上端部がロッドの先端を下方に向けて固定されている。ロッドの先端部には、X1−X2方向に長く、かつ各ピックアップパッド14および両袋後端固定部材15が配設された昇降プレート16bが固定されている。昇降プレート16bのX1−X2側の両端部には、ロッドの出し入れにより、両袋後端固定部材15を互いに近接離反させる1対の袋後端チャック用エアシリンダ(固定部材移動部)16cが設けられている。近接離反とは、対象物(ここでは両袋後端固定部材15)同士を互いに近づけたり、離反させることをいう。
【0027】
すなわち、第2ステージS2のY1側の端部上で、昇降用エアシリンダ16aにより各ピックアップパッド14および両袋後端固定部材15を同時に昇降させ、袋ストック台車13上に積載された包装袋11のうち、最上位置の包装袋11の開口部付近を真空吸着して持ち上げる。その直後、袋後端チャック用エアシリンダ16cのロッドを引き込ませ、両袋後端固定部材15により包装袋11の開口部をチャックする。この状態のまま、袋後端固定用コンベアC1により昇降プレート16bを第2ステージS2のY2側に移動させることで、ピックアップされた包装袋11の全体が第2ステージS2内に配置される。
【0028】
また、第2ステージS2のY2側の端部には、包装袋11の先端部(開口側の端部)のうち、袋幅方向の両側部を着脱自在に固定する袋先端チャック手段17が配置されている(図23)。袋先端チャック手段17は、第2ステージS2のY2側の端部のうち、そのX1側の端部およびX2側の端部に、それぞれ水平軸17aを中心にして回動自在な1対の回動アーム17bと、両回動アーム17bの下端部(元部)に設けられ、両回動アーム17bを回動させる1対の回動用エアシリンダ17cと、X1−X2方向に長く、かつ両回動用エアシリンダ17cを互いに近接離反させるベルト式の近接離反コンベア17dと、両回動アーム17bの上端部に配設され、包装袋11の先端部の両側をそれぞれ挟持する上下1対ずつの袋先端側縁チャック部材18と、両回動アーム17bに配設され、上向きのロッドを出し入れさせて袋先端側縁チャック部材18を互いに近接離反させる1対のチャック用エアシリンダ17eとを有している。
【0029】
すなわち、両回動用エアシリンダ17cにより両回動アーム17bを回動させ、包装袋11の先端部の両側に、対応する両袋先端側縁チャック部材18を配置する。次に、両チャック用エアシリンダ17eにより、対応する上下の袋先端側縁チャック部材18を近接する方向に移動させ、包装袋11の先端部の両側部をそれぞれチャックする。包装袋11の先端部(開口部)のテンションを調整する際には、近接離反コンベア17dを作動させ、回動用エアシリンダ17cとともに両回動アーム17bを近接離反させる。
【0030】
さらに、第2ステージS2には、包装袋11の開口部の上下側をそれぞれ真空吸着して包装袋11の開口部を開く袋開口手段19が配置されている。袋開口手段19は、第2ステージS2のY2側の端部において、枠幅方向をY1−Y2方向に向けて立設された矩形状の固定枠19aに取り付けられている。固定枠19aの上枠部と下枠部との各長さ方向の中間部には、上下1対のエアシリンダ19bが、互いのロッドを対向させて配設されている。各ロッドの先端部には、包装袋11の開口部の上下側を真空吸着する上下2対の開口パッド20がそれぞれ設けられている。
すなわち、両エアシリンダ19bによりロッドを同期突出させ、昇降板19cを介して、上下2対の開口パッド20を包装袋11の開口部の上下側に真空吸着させた後、両エアシリンダ19bにより、対応するロッドを同期して引き込ませ、上下2対の開口パッド20を所定距離だけ離反させる。その結果、包装袋11の開口部が開く。
【0031】
そして、第2ステージS2には、ウェーハケース12の包装袋11への挿入後、包装袋11の後端部の両側に現出される三角耳部11aをそれぞれ容器12の側方に折り返す前に、三角耳部11aの元部に折り返し筋を付ける折り筋付形手段21が設けられている。折り筋付形手段21は、第2ステージS2のうち、固定枠19aよりY1方向の下部空間に、ケース載置台50を介して配設された左右(X1−X2)1対のエアシリンダ(バー起伏手段)22と、両エアシリンダ22のロッド22aの先端部に、長さ方向がY1−Y2方向を向いた回動ピン23およびリンク24を介して連結され、かつ対応する三角耳部11aの折り返しガイドとなる左右1対の耳折り整形バー25とを有している(図3、図7)。前記ケース載置台50は、袋挿入直後にウェーハケース12が載置される台である。
すなわち、両エアシリンダ22のロッド22aを突出させると、回動ピン23を中心にして両耳折り整形バー25が垂直面に沿って回動し、各三角耳部11aの元部の折り返し側に耳折り整形バー25が押し当てられる。これにより、両三角耳部11aの内部空気が、三角耳部11aの外へ押し出される。なお、三角耳部11aは、包装袋11の両側部の折りに起因して発生する。
【0032】
また、第2ステージS2の中央部と第4ステージS4の中央部との間には、X1−X2方向に長いベルトコンベアC2を介して、両ステージS2,S4間を往復移動する容器移動台51が設けられている。容器移動台51は、第2ステージS2への移動時、前記ケース載置台50に接触せず、かつケース載置台50を内部空間に取り込み可能な構造を有している。容器移動台51の上板のY1側の端部には、ケース挿入後、包装袋11の後端部の両側に現出される三角耳部11aをそれぞれウェーハケース12の両側方に折り返す袋後端耳折り手段26が設けられている。
【0033】
袋後端耳折り手段26は、容器移動台51のY1側の端部のうち、X1側の端部およびX2側の端部に配設された垂直軸26aを中心にして水平回動する1対の耳折り板27と、各垂直軸26aに近接して容器移動台51のY1側の端部に配設された1対のエアシリンダ26bとを有している。両耳折り板27は、ウェーハケース12のX1−X2方向の長さより若干長い距離だけ離間している。両エアシリンダ26bのロッドを同時に突出させることで、連結片26cを介して、各ロッドの先端部に回動自在に連結された垂直軸26aが回動し、両耳折り板27が、両耳折り整形バー25により元部に折り返し筋が入った各三角耳部11aを、対応するケース側方に折り返す。
【0034】
そして、容器移動台51の上板のY2側の端部には、包装袋11の開口部側の両側縁をチャックする側縁チャック手段28が設けられている(図4、図8)。側縁チャック手段28は、容器移動台51の上板のY2側の端部のうち、X1側の端部およびX2側の端部に配設されたY1−Y2方向に長い水平軸29aを中心として回動する1対の回動アーム29と、両回動アーム29を回動させる1対の回動モータ30と、両回動アーム29の先端部にそれぞれ設けられた合計2対の側縁チャック部材31と、各対の側縁チャック部材31をロッドの出し入れにより近接離反させるエアシリンダ32Aとを有している。両回動アーム29は、ウェーハケース12のX1−X2方向の長さより若干長い距離だけ離間している。
【0035】
すなわち、両回動モータ30により両回動アーム29を水平軸29aを中心にして回動させることで、各対の側縁チャック部材31が包装袋11の開口部付近の両側縁に近接する。その後、エアシリンダ32Aのロッドを突出させることで、各側縁チャック部材31間で、包装袋11の両側縁がそれぞれチャックされる。包装袋11の開口部のテンション調整は、両回動アーム29の距離を、容器移動台51の上板のY2側の端部の全長にわたって設けられたX1−X2方向に長いアーム近接離間用コンベア(ベルトコンベア)C3により変更させることで行う。
【0036】
容器移動台51の上板には、ケース載置台50上からウェーハケース12をピックアップするケース昇降手段60が設けられている(図24)。ケース昇降手段60は、容器移動台51の上板のX1−X2方向の両端部に配設され、ロッドが下向きとなった1対のピックアップシリンダ61と、各下向きのロッドの先端部に固定された1対の回動モータ62と、各回動モータ62のY1−Y2方向に長い出力軸の先端部に固着され、かつウェーハケース12の蓋体の外部突出する外縁部のうち、X1−X2の両方向の辺部をそれぞれ下方から支持可能な1対の容器挟持板64とを有している。
すなわち、両回動モータ62により出力軸を回動させ、ケース載置台50に載置されたウェーハケース12の蓋を両容器挟持板64により挟持する。その後、両ピックアップシリンダ61のロッドを引き込ませ、ウェーハケース12をケース載置台50から若干ピックアップする。ウェーハケース12のピックアップを解除する場合には、上述した操作とは反対の操作を行う。
【0037】
図1および図17に示すように、第3ステージS3には、4本の拡開部材32を有した開口部拡開手段33が設けられている。各拡開部材32は、Y1−Y2方向に長いバーで、開口部から包装袋11内におのおのが出し入れ自在に挿入される。その後、各拡開部材32は、開口部の略中心位置を中心とした異なる放射方向(周方向に90°毎の放射方向)に移動されることで、開口部の開口面積を内側から拡大させる。
開口部拡開手段33は、第3ステージS3のY1側の端部に配置され、幅方向をY1−Y2方向に向けた矩形状の移動基枠70を有している(図15)。移動基枠70は、前記固定枠19aの内部空間を挿通可能な大きさを有している。移動基枠70は、その直下に配置されたY1−Y2方向に長いベルトコンベアC5により、第2ステージS2内で開口された包装袋11に向かって、進退自在に構成されている。移動基枠70の各角部には、各先端が移動基枠70の略中心部に向けられたロッドを出し入れさせることにより、対応する拡開部材32を、開口部の略中心位置を中心とした放射方向に移動させる合計4つのエアシリンダ71が配設されている。
【0038】
すなわち、各拡開部材32の包装袋11の開口部への挿入時には、各エアシリンダ71のロッドを突出させ、移動基枠70を介して、ベルトコンベアC5により4本の拡開部材32を、開口された包装袋11に挿入する。包装袋11の開口部の拡開時には、各エアシリンダ71のロッドを同時に引き込ませる。これにより、4本の拡開部材32が、開口部の略中心位置を中心とした放射方向に同時に移動し、ウェーハケース12をスムーズに挿入可能な大きさまで開口部が拡開される。
【0039】
また、第3ステージS3には、開口部を通して、ウェーハケース12を包装袋11に挿入する容器挿入手段34が設けられている。容器挿入手段34は、ウェーハケース12の蓋体の外部突出する外縁部のうち、X1−X2の両方向の辺部をそれぞれ下方から支持可能で、かつY1−Y2方向に長い1対の容器支持バー35と、両容器支持バー35がそれぞれ片持ちされる保持台36と、保持台36を、第3ステージS3のY1−Y2方向の略全長にわたって往復移動させ、かつ前記移動基枠70用のベルトコンベアC5より長尺な一対のベルトコンベアC4とを有している。両ベルトコンベアC4は、互いに同期駆動される。
すなわち、両ベルトコンベアC4により保持台36をY1方向に移動させることで、移動途中、ウェーハケース12の蓋体を1対の容器支持バー35により掛止してウェーハケース12を片持ちし、その状態のまま、保持台36をさらにY1方向に移動させることで、ウェーハケース12が第2ステージS2まで搬送され、ここで開口部が開口された包装袋11に挿入される。
【0040】
図4、図8、図20および図21に示すように、第4ステージS4には、包装袋11の開口部を熱シール(熱封止)する袋シール手段37が設けられている。袋シール手段37は、第4ステージS4のY2側の端部に配置され、かつ電熱線が収納されたX1−X2方向に長い上下1対のシールバー(シール部材)38aと、両シールバー38aを互いに近接離反させるシール用エアシリンダ37aとを有している。シール用エアシリンダ37aのロッドを押し出すことで、両シールバー38aを近接させる。これにより、両シールバー38a間に挟まれた包装袋11の開口部が熱シールされる。
【0041】
第4ステージS4には、熱シールに際して、包装袋11の内部空気を吸い出す脱気手段39が設けられている。脱気手段39は、第4ステージS4のY2側の端部に配置され、かつY1−Y2方向に長くて薄い脱気ノズル40と、脱気ノズル40をY1−Y2方向に往復移動させ、脱気ノズル40の先端部を包装袋11の開口部に出し入れさせるノズル進退用エアシリンダ39aとを有している。なお、脱気ノズル40の後端部は、容器包装装置10の外部に設けられた負圧発生装置39bにチューブを介して連通されている。
【0042】
すなわち、袋封止時(袋脱気時)には、まずノズル進退用エアシリンダ39aにより脱気ノズル40の先端部を包装袋11の開口部に挿入する(図20)。そして、この状態のまま、プレス用エアシリンダ37bのロッドを突出させ、プレスバー38bにより袋口全体の口封を行い、負圧発生装置39bの負圧力により脱気ノズル40を介して包装袋11の内部空気を抜き出す。抜き出し後は、ノズル進退用エアシリンダ39aにより脱気ノズル40を袋内から引き抜き、それからシール用エアシリンダ37aのロッドを突出させ、両シールバー38a間に挟まれた包装紙11の開口部を熱シールする(図21)。熱シールの際には、プレスバー38bにより袋口全体の口封を行うことで、脱気状態を保持したまま、包装袋11の開口部が熱シールされる。
【0043】
第4ステージS4には、脱気時における包装袋11内でのウェーハケース12を位置決めする容器位置決め手段41が設けられている(図4、図9、図20および図21)。容器位置決め手段41は、第4ステージS4のY2側の端部のうち、その長さ方向の中間部に配置され、かつロッドの先端がY1方向を向いた位置決めエアシリンダ42を有している。ロッドの先端部には、包装袋11の外からウェーハケース12の蓋のY2側の縁に押し当てられ、脱気による袋内でのウェーハケース12のY2側への移動を規制するストッパ板43が固定されている。
すなわち、袋封止時には、脱気に先駆けて位置決めエアシリンダ42のロッドを突出させ、包装袋11の外からウェーハケース12の蓋のY2側の縁にストッパ板43を当接させる。これにより、引き続き行われる脱気作業中における袋内でのウェーハケース12のY2側への移動が規制される。その結果、包装袋11の袋前端と袋後端との三角耳部11aの形状、大きさが設定通りに揃えられ、ウェーハケース12に対するより高品質の梱包を行うことができる。
【0044】
また、第4ステージS4の下部には、第5ステージS5の下部とに跨がって、袋詰め途中のウェーハケース12を第4ステージS4から第5ステージS5に搬送する搬送コンベアC6が設けられている。
第5ステージS5には、包装袋11の前端部の両側および後端部の両側に現出された三角耳部11a(図5)を、それぞれウェーハケース12の両側方に折り返す袋前端耳折り手段44と袋後端耳折り手段26Aとが配設されている(図6)。
袋前端耳折り手段44および袋後端耳折り手段26Aは、第5ステージS5のY1−Y2側の端部で対称配置されている他は、第2ステージS2の容器移動台51に設けられた袋後端耳折り手段26とそれぞれ略同じ構造を有している。そのため説明を省略する。
【0045】
また、第5ステージS5には、ウェーハケース12の両側方において、対向配置された両三角耳部11aの先端部に跨がって粘着テープ45を貼ることで、包装袋11の前後端を処理するテープ貼着手段46が設けられている(図6および図22)。テープ貼着手段46は、第5ステージS5のX1側の端部およびX2側の端部にそれぞれ配置され、ロッドの先端が互いに対向配置された1対のテーブ用エアシリンダ46aと、各ロッドの先端部に設けられ、かつ所定長さの粘着テープ45を供給する1対のテープディスペンサ46bとを有している。
すなわち、両テープディスペンサ46bにより所定長さの粘着テープ45を供給し、その後、両テーブ用エアシリンダ46aのロッドをそれぞれ突出させる。これにより、ウェーハケース12の両側方にそれぞれ対向配置された袋前側および袋後側の両三角耳部11aに跨がって粘着テープ45が貼られる。
【0046】
次に、この発明の実施例1に係る容器包装装置10の作動を、図10および図11のフローシートに基づき説明する。
あらかじめ、第1ステージS1に、多数枚の包装袋11が載置された袋ストック台車13を配置しておく。このとき、各包装袋11の開口部をY2方向に向け、かつ袋ストック台車13のY2側の端部が、第2ステージS2内に配置させる。
次に、第2ステージS2のY1側の端部上で、昇降用エアシリンダ16aにより各ピックアップパッド14および両袋後端固定部材15を同時に昇降させ、袋ストック台車13上の包装袋11のうち、最上位置の包装袋11の開口部付近を真空吸着して持ち上げる(図12)。その直後、袋後端チャック用エアシリンダ16cのロッドを引き込ませ、両袋後端固定部材15により包装袋11の開口部をチャックする。この状態のまま、袋後端固定用コンベアC1により昇降プレート16bを第2ステージS2のY2側に移動させ、ピックアップされた包装袋11の全体を第2ステージS2内に移動させる(図13)。
【0047】
その後、両回動用エアシリンダ17cにより両回動アーム17bを回動させ、包装袋11の先端部(開口部)の両側に、対応する両袋先端側縁チャック部材18を配置する。次に、両チャック用エアシリンダ17eにより、対応する上下の袋先端側縁チャック部材18を近接する方向に移動させ、包装袋11の先端部の両側部をそれぞれチャックする。包装袋11の先端部のテンションの調整は、近接離反コンベア17dを作動させ、回動用エアシリンダ17cとともに両回動アーム17bを近接離反させて行う。
次に、袋後端チャック用エアシリンダ16cのロッドを突出させ、両袋後端固定部材15による袋先端部のチャック状態を解除する。それから、袋後端固定用コンベアC1により昇降プレート16bを第2ステージS2のY1側の端部に戻す。ここで、袋後端チャック用エアシリンダ16cのロッドを再び引き込ませ、包装袋11の後端部を上下の袋後端固定部材15によりチャックする(図14)。
【0048】
続いて、袋開口手段19において、両エアシリンダ19bによりロッドを同期突出させ、これにより上下2対の開口パッド20を包装袋11の開口部の上下側に真空吸着させる。その後、両エアシリンダ19bにより、対応するロッドを同期して引き込ませ、上下2対の開口パッド20を所定距離だけ離反させる。これにより、包装袋11の開口部が開く(図15)。
次に、開口部拡開手段33において、各エアシリンダ71のロッドを突出させ、移動基枠70を介して、ベルトコンベアC5により4本の拡開部材32を、開口された包装袋11に挿入する。その後、各エアシリンダ71のロッドを同時に引き込ませることで、4本の拡開部材32が、開口部の略中心位置を中心とした放射方向に同時に移動する。これにより、包装袋11の開口部が、ウェーハケース12をスムーズに挿入可能な大きさまで拡開される(図16)。
【0049】
次いで、包装袋11にウェーハケース12を挿入する(図17)。すなわち、容器挿入手段34において、ベルトコンベアC4により保持台36をY1方向に移動させる。これにより、この移動途中、ウェーハケース12の蓋が1対の容器支持バー35により掛止される。こうしてウェーハケース12が片持ちされたまま、保持台36をさらにY1方向に移動させることで、ウェーハケース12が第2ステージS2まで搬送され、ここで開口部が開口された包装袋11に挿入される。
その後、容器挿入手段34のベルトコンベアC4により容器支持バー35を引き戻す。また、開口部拡開手段33において、各エアシリンダ71のロッドを同時に突出させることで、4本の拡開部材32を開口部の略中心方向に移動させるとともに、ベルトコンベアC5により各拡開部材32を包装袋11から抜き出す。さらに、袋後端チャック手段16において、袋後端チャック用エアシリンダ16cのロッドを突出させ、袋後端部のチャック状態を解除する(図18)。
【0050】
それから、折り筋付形手段21において、両エアシリンダ22のロッド22aを突出させる(図7、図18)。よって、回動ピン23を中心にして両耳折り整形バー25が垂直面に沿って回動し、各三角耳部11aの元部の折り返し側に耳折り整形バー25がそれぞれ押し当てられる。これにより、包装袋11の開口部を開く前、両三角耳部11aの内部空気が、対応した三角耳部11aの外へ押し出される。
その結果、後工程で行われる両三角耳部11aの容器側方への折り返し作業において、各三角耳部11aの元部側における折り返しの基準ライン(折り返し筋)が安定化する。よって、袋後端部の両側の三角耳部11aの大きさおよび形状が均一化し、高い品質レベルで安定して容器を包装することができる。
【0051】
折り返し筋の付形後、両エアシリンダ22のロッドを引き戻し、回動ピン23を中心にして両耳折り整形バー25を、元の伏せ位置まで下方回動させる(図19)。そして、袋後端耳折り手段26において、両エアシリンダ26bのロッドを同時に突出させる。これにより、各ロッドの先端部に回動自在に連結された垂直軸26aが回動し、両耳折り板27が、両耳折り整形バー25により元部に折り返し筋が入った各三角耳部11aを、対応するケース側方に折り返す。
【0052】
次に、第2ステージS2と第4ステージS4と間のベルトコンベアC2を介して、容器移動台51を第2ステージS2から第4ステージS4に移動する。その際、ケース昇降手段60において、両回動モータ62により出力軸63を回動させ、ケース載置台50に載置されたウェーハケース12の蓋を両容器挟持板64により挟持する。その後、両ピックアップシリンダ61のロッドを引き込ませ、ウェーハケース12をケース載置台50から若干ピックアップする。
それから、この第4ステージS4への移動後、容器移動台51の側縁チャック手段28において、両回動モータ30により両回動アーム29を水平軸29aを中心にして回動させる(図8、図20)。これにより、各対の側縁チャック部材31が包装袋11の開口部付近の両側縁に近接する。そして、エアシリンダ32Aのロッドを押し出すことで、各側縁チャック部材31間で、包装袋11の両側縁がそれぞれチャックされる。包装袋11の開口部のテンション調整は、アーム近接離間用コンベアC3により、両回動アーム29の距離を変更することで行う。
【0053】
次いで、容器位置決め手段41において、袋封止時、脱気に先駆けて位置決めエアシリンダ42のロッドを突出させ、包装袋11の外からウェーハケース12の蓋のY2側の縁にストッパ板43を当接させる(図9、図20)。これにより、引き続き行われる脱気作業中における袋内でのウェーハケース12のY2側への移動が規制される。その結果、包装袋11の袋前端と袋後端との三角耳部11aの形状、大きさが設定通りに揃えられ、ウェーハケース12に対するより高品質の梱包を行うことができる。
続いて、袋シール手段37において、ノズル進退用エアシリンダ39aにより脱気ノズル40の先端部を、包装袋11の開口部に挿入する(図20)。その後、プレスバー38b間に包装袋11の開口部を配置した状態で、プレス用エアシリンダ37bのロッドを突出させる。これにより、両プレスバー38b間で包装袋11の開口部が挟持され、この状態で負圧発生装置39bの負圧力により脱気を行う。脱気完了後、ノズル進退用エアシリンダ39aにより脱気ノズル40を袋内から引き出し、シール用エアシリンダ37aのロッドを突出させ、両シールバー38a間に挟まれた包装袋11の開口部を熱シールする(図21)。熱シールの際には、プレスバー38bにより袋口全体の口封を行い、脱気状態を保持したまま包装袋11の開口部が熱シールされる。
【0054】
その後、容器位置決め手段41において、位置決めエアシリンダ42のロッドを引き込ませ、ストッパ板43をウェーハケース12の蓋から離反させる(図21)。
次に、ケース昇降手段60により、袋封止後のウェーハケース12を搬送コンベアC6上に載置する。その後、搬送コンベアC6によりウェーハケース12を第4ステージS4から第5ステージS5に搬送する。
第5ステージS5では、袋前端耳折り手段44および袋後端耳折り手段26Aにより、包装袋11の前端部および後端部の各三角耳部11aが、ケース側方にそれぞれ折り畳まれる(図22)。
その後、テープ貼着手段46において、両テープディスペンサ46bにより所定長さの粘着テープ45を供給し、それから両テーブ用エアシリンダ46aのロッドをそれぞれ突出させる。これにより、ウェーハケース12の両側方にそれぞれ対向配置された袋前側および袋後側の両三角耳部11aに跨がって粘着テープ45が貼られる。
【0055】
以上、説明したように、実施例1の容器包装装置10は、ウェーハケース12の袋挿入時、横置きされた包装袋11の後端部を袋後端チャック手段16により固定するので、開口部を除く包装袋11の残り部分の自由度が抑えられる。これにより、袋内の略一定位置にウェーハケース12を常にスムーズに収納することができる。その結果、包装袋11のシワの発生を抑制するとともに、高い品質レベルで安定してウェーハケース12を包装することができる。
また、ウェーハケース12の袋挿入時において、予め複数の拡開部材32を袋内に差し込み、これらを開口部の略中心位置を中心として異なる放射方向に移動させるので、開口部の開口面積を内側から拡大させることができる。これにより、ウェーハケース12の大きさに対して開口部の開きを十分に確保することができる。
【0056】
さらに、ウェーハケース12の袋挿入に先駆けて、袋後端チャック用エアシリンダ16cを作動し、両袋後端固定部材15により包装袋11の後端部をその袋幅方向の全長にわたって挟持するので、横置き状態の包装袋11の後端部をしっかりと固定することができる。
そして、ウェーハケース12の袋挿入時、開口部拡開手段33により各拡開部材32を水平方向に移動して袋内に差し込んだ後、各拡開部材32を開口部の略中心位置を中心として異なる放射方向に移動させるので、包装袋11の開口部の拡開をスムーズに行うことができる。
- 【公開番号】特開2007−39129(P2007−39129A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【発明の名称】容器包装装置
- 【出願番号】特願2006−175861(P2006−175861)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】
【識別番号】302006854
【氏名又は名称】株式会社SUMCO
- 【代理人】
【識別番号】100094215
【弁理士】
【氏名又は名称】安倍 逸郎
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