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容器収容装置および容器グリッパ
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- 【要約】
【課題】袋4により包装された容器2を、中仕切り48によって区画された箱8内の空間50に挿入する際に、袋4が中仕切り48に引っ掛からないようにする。
【解決手段】容器2の全長を超える長さを有する支持部材58と、この支持部材58に対向して配置され、開閉用エアシリンダ68によって開閉される把持手段62とによって容器2を把持する。容器2を挿入する箱8を傾けておき、容器2を把持した支持部材58を上側に向け、中仕切り48を下側から押さえながら容器2とともに前記空間50内に挿入する。把持部材62は容器2の下面側を押さえており、支持部材58と容器2を挿入し、把持部材62が箱8内に入る前に開放して、容器2を箱8に収容する。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋によって包装され、胴部と縮径された口部を有する容器を、中仕切りで区画された箱内の空間に収容する容器収容装置において、
容器の全長を超える長さを有し、容器の胴部に当接する当接面を有する支持部材と、容器の全長よりも長さが短く、前記支持部材に対向して配置され、開閉して前記支持部材とともに容器を把持する把持部材と、この把持部材を開閉動作させる開閉手段と、前記支持部材と把持部材を一体として移動させて把持している容器を前記空間内に挿入する移動手段とを備え、
前記支持部材を容器の胴部に当接させるとともに、把持部材を前記胴部よりも上部に当接させて容器を把持し、支持部材を中仕切りに接触させた状態で、容器とともに前記空間内に挿入しつつ、把持部材を中仕切りの外方で開放して容器を前記空間内に収容することを特徴とする容器収容装置。
【請求項2】
前記箱を底面が傾斜するように支持させ、前記移動手段は、傾斜した箱の中仕切りによって区画された下側の空間内から順に容器を収容するように動作し、かつ、前記支持部材を空間の上部側に位置させて容器を挿入することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の容器収容装置。
【請求項3】
前記支持部材と把持部材とによって容器を把持する前に、この容器の姿勢を捻る姿勢変更手段を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の容器収容装置。
【請求項4】
袋によって包装され、胴部と縮径された口部を有する容器を保持する容器グリッパにおいて、
前記胴部に当接する当接面を有する支持部材と、この支持部材の上方で、前記口部に当接して容器を位置決めする位置決め部材と、前記支持部材および位置決め部材に対向して配置され、胴部と口部の間に当接して支持部材及び位置決め部材とともに容器を把持する把持部材と、この把持部材を開閉動作させる開閉手段とを備えたことを特徴とする容器グリッパ。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例えば、マヨネーズやケチャップ等のチューブ容器を袋によって包装した、いわゆるピロー包装物品を、中仕切りによって区画されている箱内の空間に収容する容器収容装置に関するものである。また、この容器収容装置に設けられた容器グリッパに関するものである。
【背景技術】
【0002】
箱内に配置された中仕切りによってこの箱の内部を複数の空間に区画し、各空間内に容器を挿入する容器収容装置は従来から知られている。中仕切りによって区画された空間は前記ピロー包装容器に対して余裕が無く、また、中仕切りが位置ずれしている場合も有るため、袋入りの容器を挿入する際に袋の部分が中仕切りの上端に引っかかって収容できないおそれがある。しかも、複数の容器を並列させた状態で同時に収容しようとすると、隣り合う容器の袋の部分が重なり合った状態で中仕切りの上端に引っ掛かり、収容できない場合や、袋が破けてしまう場合があった。そこで、袋によって包装されたチューブ容器を箱の中仕切りで区画された空間内に容易に挿入するための装置が提案された(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記特許文献1に記載された「容器類の箱詰め装置」は、5個のマヨネーズ容器が袋に包装された状態で収容される落下シュートを備えており、この落下シュートの下方部にはストッパが水平方向に移動可能な状態で取り付けられている。ストッパは長さの異なる5個のフィンガー部を有しており、フィンガー部の長さに応じて容器を順次落下させる。この装置では、コンベヤベルトにより搬送されたマヨネーズ容器が自動的に落下シュート内に落下する。このときストッパは最も前進した位置にあり、落下シュート内で5個のマヨネーズ容器を保持する。その後、ストッパの後退により、中仕切りを有する箱内にマヨネーズ容器を所定の順序で落下させる。
【0004】
また、特許文献2には、マヨネーズ容器のようなラッピングされた軟質容器を複数列に箱詰めする「軟質容器の箱詰め装置」が記載されている。この箱詰め装置では、前記容器をチャックヘッドによって掴んで、中仕切りによって区画された空間内に挿入する。チャックヘッドは、容器のキャップ部を保持して芯出しを行うキャップ姿勢保持部材と、容器本体の上方位置(肩部)を変形させて保持する容器本体チャック部材を備えている。
【0005】
特許文献2に記載された装置では、チャックヘッドを中仕切りの内部まで挿入することができないので、容器の最も径の大きい胴部よりも上方の肩部を保持するようになっている。また、チューブのような剛性の低い軟質容器であるから、キャップ姿勢保持部材によって固いキャップの部分を掴んで傾かないように芯出しをしている。
【特許文献1】特公平8−18613号公報(第2−3頁、図3)
【特許文献1】特許第2930551号公報(第7−8頁、図19)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された装置では、容器を落下させて中仕切りによって区画された空間内に収容するため、動作が不安定であり、また、順番に落下させていくため処理能力の低い装置に限定されてしまうという問題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載された装置では、チャックヘッドによって容器の上部を掴むようになっているので、袋の上部が圧迫されて、袋の内部の空気が下部側に押しやられ、下部が膨らんで袋が破裂したり、中仕切りにより引っ掛かりやすいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、袋によって包装され、胴部と縮径された口部を有する容器を、中仕切りで区画された箱内の空間に収容する容器収容装置において、容器の全長を超える長さを有し、容器の胴部に当接する当接面を有する支持部材と、容器の全長よりも長さが短く、前記支持部材に対向して配置され、開閉して前記支持部材とともに容器を把持する把持部材と、この把持部材を開閉動作させる開閉手段と、前記支持部材と把持部材を一体として移動させて把持している容器を前記空間内に挿入する移動手段とを備え、前記支持部材を容器の胴部に当接させるとともに、把持部材を前記胴部よりも上部に当接させて容器を把持し、支持部材を中仕切りに接触させた状態で、容器とともに前記空間内に挿入しつつ、把持部材を中仕切りの外方で開放して容器を前記空間内に収容することを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、前記箱を底面が傾斜するように支持させ、前記移動手段は、傾斜した箱の中仕切りによって区画された下側の空間内から順に容器を収容するように動作し、かつ、前記支持部材を空間の上部側に位置させて容器を挿入することを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、前記支持部材と把持部材とによって容器を把持する前に、この容器の姿勢を捻る姿勢変更手段を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、袋によって包装され、胴部と縮径された口部を有する容器を保持する容器グリッパにおいて、前記胴部に当接する当接面を有する支持部材と、この支持部材の上方で、前記口部に当接して容器を位置決めする位置決め部材と、前記支持部材および位置決め部材に対向して配置され、胴部と口部の間に当接して支持部材及び位置決め部材とともに容器を把持する把持部材と、この把持部材を開閉動作させる開閉手段とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の容器収容装置は、支持部材と把持部材によって把持した容器を、中仕切りによって形成された箱内の空間に支持部材とともに挿入するため、容器を包装した袋が中仕切りに引っ掛かることなく、スムーズにしかも安定した動作で挿入することができ、また、処理能力を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
容器の全長を超える長さを有する支持部材と、その向かい側に配置された開閉可能な把持部材によって袋入りの容器を把持し、これらを移動手段によって一体的に移動させ、前記支持部材を中仕切りに接触させた状態で、容器と支持部材を中仕切りによって区画された空間内に挿入しつつ、把持部材を中仕切りの外方で開放して容器を前記空間内に収容するという構成で、容器を包装している袋を中仕切りに引っ掛けることなく箱内に収容するという目的を達成する。
【実施例1】
【0014】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係る容器収容装置の平面図、図2はこの容器収容装置に設けられているグルーピングコンベヤの側面図である。この実施例の容器収容装置によって箱内に収容される容器2は、マヨネーズやケチャップ等の剛性の低い軟質なチューブ容器を袋4によって包装した、いわゆるピロー包装容器であり、このピロー包装容器2をロボット6によって複数個(この実施例では5個)ずつ把持して箱8内に収容する。
【0015】
容器2は、容器供給コンベヤ10によって縦方向に一列で搬送される(搬送方向を矢印Aで示す)。この実施例では、容器2がキャップの装着された口部2a(容器2の上端を含む縮径された部分を口部と呼ぶことにする)側を進行方向前方に向け、底部を後方に向けて搬送される。この容器供給コンベヤ10の下流端の前方に、直交する方向を向いてグルーピングコンベヤ12が配置されている。容器供給コンベヤ10によって縦一列で搬送されてきた容器2は、グルーピングコンベヤ12の上流端(図1の右端)に受け渡され、5個ずつグルーピングされて容器取り出し位置Bに送られる。グルーピングコンベヤ12と平行して箱供給コンベヤ14が配置されており、グルーピングコンベヤ12によってグルーピングされて搬送されてきた容器2を、グルーピングコンベヤ12の側部に配置されたロボット6が把持して、前記箱供給コンベヤ14によって箱詰め位置Cまで搬送されてきた箱8内に収容する。
【0016】
容器供給コンベヤ10は、箱供給コンベヤ14の上方を横断して配置され、また、グルーピングコンベヤ12よりも高い位置に配置されている。この容器供給コンベヤ10によってキャップが装着された口部2a側を前方に向けて縦方向に1列で搬送されてきた容器2は、容器供給コンベヤ10の下流端から、容器供給コンベヤ10と直交方向に配置されたグルーピングコンベヤ12へ投入される(この位置が、容器供給コンベヤ10からの容器受け取り位置Dである)。容器2は、容器供給コンベヤ10からグルーピングコンベヤ12に投入されると、グルーピングコンベヤ12の搬送方向(矢印E参照)に対して横向きの状態になって搬送される。容器供給コンベヤ10の搬送面上には、傾斜ガイド16が設けられており、この傾斜ガイド16によって各容器2はその中心線を基準にしてやや回転した状態でグルーピングコンベヤ12に引き渡される(この実施例では、容器は図2の反時計回り方向に回転されている)。
【0017】
グルーピングコンベヤ12には、5個のバケット18aが一組となったバケット群18が設けられており、これら各バケット18aに容器2を投入することによって容器2を5個ずつグルーピングする。バケット18aは左右一対のチェーン20(20a、20b)に取り付けられ、チェーン20の走行によって前進する。この実施例では、5個一組のバケット18aから構成されるバケット群18が等間隔で4組設けられており、1つおきのバケット群18が同一のチェーン20aまたは20bに取り付けられている。つまり、第1バケット群18Aと第3バケット群18Cが第1のチェーン20aに取り付けられ、第2バケット群18Bと第4バケット群18Dが第2のチェーン20bに取り付けられている。各組のチェーン20a、20bはそれぞれ別のサーボモータによって独立して駆動されるようになっており、いずれか1つのバケット群18が容器取り出し位置Bに停止している間に、次のバケット群18を間欠的に移動させつつ各バケット18a内に容器2を供給することができる。
【0018】
前記容器取り出し位置Bには、グルーピングコンベヤ12によって搬送されてきた容器2を、ロボット6によって把持しやすいように立ち上げる容器立ち上げ機構22が設けられている(図3参照)。また、グルーピングコンベヤ12を挟んで立ち上げ機構22の逆側には、グルーピングコンベヤ12によって搬送されてきた容器2を立ち上げ機構22側へ移動させる押し出し手段24が設けられている。この押し出し手段24は、垂直に配置されたエアシリンダ(以下、昇降用エアシリンダと呼ぶ)26の、下向きのピストンロッドに取り付けられた押圧プレート28を有しており、この昇降用エアシリンダ26を、横移動機構30によってグルーピングコンベヤ12を横断する方向に進退動させることによって、グルーピングコンベヤ12上の容器2をグルーピングコンベヤ12から押し出して立ち上げ機構22に移動させる。
【0019】
グルーピングコンベヤ12は、基台32上に設置されており、この基台32上のグルーピングコンベヤ12の側部に、直立した支柱34を介して、グルーピングコンベヤ12の搬送面12aと同一高さのデッドプレート36が固定されている。さらに、このデッドプレート36に隣接して揺動プレート38が配置されている。この揺動プレート38は、グルーピングコンベヤ12の進行方向と平行に配置された水平軸40上に取り付けられており、この水平軸40を中心に水平な状態とほぼ立ち上がった状態とに回動する。揺動プレート38は、水平な状態になったときに、前記グルーピングコンベヤ12の搬送面12aおよびデッドプレート36の上面と同一の高さに位置するようになっている。前記支柱34の側面に上向きのエアシリンダ(以下、立ち上げ用エアシリンダと呼ぶ)42が取り付けられ、この立ち上げ用エアシリンダ42のピストンロッドに、前記水平軸40に一端が連結されたリンク44の他端が連結されており、この立ち上げ用エアシリンダ42の作動によって揺動プレート38が前述のように揺動する。この揺動プレート38の端部(図3の右端)には、容器2が立ち上げられた際に落下しないように容器2の底面を支持するストッパ38aが設けられている。
【0020】
前記押し出し手段24の昇降用エアシリンダ26は、横移動機構30によってグルーピングコンベヤ12の一方の側部(図3の左側の側部)から他方の側部までの間で往復動し、また、この昇降用エアシリンダ26の作動によって、押圧プレート28が、容器2の頭部に当接する下降位置(図3中の破線で示す押圧プレート参照)と、容器2に干渉しない上昇位置(図3中の実線で示す押圧プレート参照)との間で昇降する。従って、押圧プレート28が上昇している図3の実線の状態から、昇降用エアシリンダ26の作動によって押圧プレート28が下降し、続いて横移動機構30の作動によって容器2をデッドプレート36を超えて揺動プレート38上まで移動させ、その後、押圧プレート28が上昇して後退する。
【0021】
グルーピングコンベヤ12によって横倒しの状態で搬送され、容器立ち上げ機構22によって立ち上げられた容器2は、ロボット6によって保持されて、箱供給コンベヤ14によって搬送されてきた箱8内に挿入される。箱供給コンベヤ14は、図4に示すように、搬送面がグルーピングコンベヤ12方向に向けて傾斜している。この箱供給コンベヤ14の側部にはガイド部材46が設置されており、箱供給コンベヤ14上で傾斜した箱8の下側の側面を支持するようになっている。
【0022】
前記箱8の内部に中仕切り48が設けられており、この中仕切り48によって区画された空間50内に容器2が挿入される。この実施例では、箱8内に3列で各列5本ずつの容器2が収容されるようになっており、中仕切り48は、各列の間を仕切る長手方向の2枚の仕切り板48aと、各列の両端の1本の容器2を中央の3本の容器2から分離する横断方向の2枚の仕切り板48bを備えている。
【0023】
グルーピングコンベヤ12でグルーピングされた5本の容器2を把持して、前記箱8内に収容するロボット6は、平行して配置されているグルーピングコンベヤ12と箱供給コンベヤ14のグルーピングコンベヤ12側の側部に配置されており、両コンベヤ12、14側に向けたロボットアーム52の動作により、容器2の把持および箱詰めを行う。ロボットアーム52には、容器保持ヘッド54が取り付けられている。この実施例で使用される容器保持ヘッド54は、並列した5本の容器2を同時に保持できるよう5本の容器保持部56を有しており、各容器保持部56は全て同一の構成を有している。これら5箇所の容器保持部56は互いの間隔を調整できるようになっており、この実施例では、図1に示すように、1列5本の容器2が、箱8を横断する方向の2枚の中仕切り48bによって区画された空間50内に挿入されるため、中央の3本が密着し、両端のそれぞれ1本が中央の3本からやや離れるように調整される。
【0024】
図4には5つの並列した容器保持部56のうちの1つが図示されており、この図によって容器保持ヘッド54の構成について説明する。各容器保持部56は、容器2の一方の側面に当接して支持し、この容器2が箱8内の中仕切り48によって区画された空間50内に挿入される際に案内する支持部材58を備えている。この支持部材58は板状で容器2の全長よりも長く、容器2と当接する平らな当接面を有し、しかも、先端部側(図4の下端部側)に、容器2を支持する面側に湾曲したプレート部58aが設けられている。この支持部材58の湾曲プレート部58aは、柔らかい樹脂素材から構成されている。
【0025】
この支持部材58の上部の、容器2を保持した際にその容器2の口部2aに当接する位置に、位置決め部材60が設けられている。この位置決め部材60が容器2の最も固い部分であるキャップが装着された口部2aおよびその近辺(口部2aよりも下の容器部分)を保持することにより容器2の位置決めを行う。位置決め部材60は、口部2aやその近くの部分が嵌り込んで位置決めされるように凹部が形成されている。また、前記容器位置決め部材60のやや下方の一方の側部に振れ止め部58bが、そして、他方の側部の前記振れ止め部58bよりも下方に側部ガイド58cが設けられており、これら振れ止め部58bと側部ガイド58cによって、袋の拡がりを抑え、かつ、容器保持ヘッド54が横方向に移動する際に両側から容器2を保持する。このように支持部材58が備える当接面により、容器2の胴部の広い範囲に渡って当接して安定して保持することができる。
【0026】
前記容器保持部56には、前記支持部材58と向かい合う位置に、支持部材58に容器2を押し付けて保持する把持部材62が設けられている。把持部材62は、支点軸64を中心に回転するレバー66に取り付けられており、開閉用エアシリンダ68の作動によってレバー66が回転するに伴って、容器2を把持する位置(図4に実線で示す把持部材62参照)と、開放して容器2を離す位置(図4に想像線で示す把持部材62参照)とに回動することができる。この把持部材62は容器2の全長よりも短く、容器2の胴部2b(容器2の最も太い部分から下方を胴部と呼ぶことにする)よりも上方の肩部2c(胴部2bからキャップが装着された口部2aに向けて次第に細くなっていく部分を肩部2cと呼ぶことにする)に当接して、前記支持部材58との間に容器2を把持する。なお、容器2を包装する袋4は、容器2の上部側の縮径されている部分に空気が多く収容されているので、この部分を圧迫しないように、容器2の口部と胴部との間の、できるだけ容器2と袋4との間の隙間が小さい、胴部2bに近い肩部2cを押圧するようにしている。
【0027】
前記構成の容器収容装置の作動について説明する。マヨネーズやケチャップ等が充填され袋4によって包装されたチューブ容器2が、口部2a側を前方に向けて容器供給コンベヤ10により縦一列で矢印A方向に搬送される。この容器供給コンベヤ10の下流端の前方に、容器供給コンベヤ10と直交する方向を向いたグルーピングコンベヤ12の上流端が位置している。グルーピングコンベヤ12には、5個のバケット18aが一組となったバケット群18が4組設けられており、容器供給コンベヤ10から容器2を供給する際には、グルーピングコンベヤ12を間欠的に走行させ、各バケット群18の5個のバケット18aを前記容器供給コンベヤ10の前方位置(容器受け取り位置D)に順次停止させて、容器供給コンベヤ10が搬送してきた容器2を各バケット18a内に投入する。
【0028】
容器供給コンベヤ10の搬送面上には傾斜ガイド16が設けられており、この傾斜ガイド16に容器2を載せることにより、容器2を捻った状態、つまり、その軸線に対して回転させた状態(図2の容器供給コンベヤ10上の容器2参照)にして、グルーピングコンベヤ12の各バケット18aに投入する。しかも、グルーピングコンベヤ18の容器2を受け取るバケット18aを、上方の容器供給コンベヤ10上の容器2の真下の位置よりも僅かに前進させた位置で停止させることにより、投入した容器2を傾けた状態のまま支持させるようにしている。
【0029】
5個のバケット18aにそれぞれ容器2を保持したバケット群18は、このバケット群18が取り付けられているチェーン20aまたは20bの走行によって、前記ロボット6の前方側の容器取り出し位置Bに移動して停止する。容器2を保持したバケット群18が停止して、ロボット6が容器2を取り上げて箱詰めを行っている間に、別のチェーン20bまたは20aに取り付けられている次のバケット群18の各バケット18aが、容器供給コンベヤ10からの容器受け取り位置Dに順次停止して、容器供給コンベヤ10から容器2を供給される。
【0030】
容器取り出し位置Bに停止しているバケット群18に保持されている容器2は、寝ている状態から、図3に示す立ち上げ機構22によって立ち上げられる。先ず、押圧プレート28が、図3に実線で示す位置から昇降用エアシリンダ26の作動によって、グルーピングコンベヤ12上の容器2の高さまで下降し、続いて横移動機構30によってグルーピングコンベヤ12上を横断する方向に移動する。グルーピングコンベヤ12上で各バケット18aに保持されていた容器2(図3に実線で示す容器2参照)は、押圧プレート28にキャップが装着された口部2a側を押されてグルーピングコンベヤ12上からデッドプレート36を経て、水平な状態の揺動プレート38上に移動される(図3に破線で示し、符号2Aを付した容器参照)。容器2をグルーピングコンベヤ12から押し出した押圧プレート28は、次のバケット群18の容器2の押し出しに備えて、上昇し容器2の頭部(キャップが装着された口部2a)側に戻る。
【0031】
前記揺動プレート38上に移動した容器2は、立ち上げ用エアシリンダ42の作動によって揺動プレート38が回動することにより立ち上げられる(図3に破線で示し、符号2Bを付した容器参照)。5本の容器2(2B)が立ち上げられると、ロボットアーム52に取り付けられた容器保持ヘッド54がこれら容器2(2B)の位置に移動する。このとき、各容器保持部56に取り付けられた支持部材58の向かい側に回動自在に設けられている把持部材62は、開閉用エアシリンダ68の作動によって開放している。
【0032】
移動した容器保持部56の支持部材58を前記揺動プレート38上の容器2の上側の面に当接させ、続いて開閉用エアシリンダ68によって把持部材62を容器2の方向に回転させて容器2の肩部2cを押さえ付けて、支持部材58と把持部材62によって容器2を把持する。支持部材58は、容器2の下部側の径の太い胴部2bに接触しており、一方、把持部材62は、容器2の胴部2bよりも上方の肩部2cに接触している。また、この状態では、支持部材58の上部に設けられている位置決め部材60によって容器2の最も固い部分であるキャップが装着された口部2aを押さえて位置決めを行うとともに、支持部材58と把持部材62によって把持した容器2の両側部を振れ止め部材58bと側部ガイド58cとによって両側から支持している。なお、前記容器2は、容器供給コンベヤ10からグルーピングコンベヤ12に供給される際に、捻られている状態、つまり、若干回転された状態になっており(図1の箱8に収納された容器2参照)、隣接する容器2の袋4同士が重なり合わないようになっている。なお、この実施例では、位置決め部材60を片側にだけ設けて、容器2を保持したときに袋4内の空気を反対側に逃がすようにしており、これにより、グリップ時の閉鎖動作によって空気が下部側に押しやられて下部が膨らむことを防止している。
【0033】
容器保持ヘッド54の各容器保持部56がそれぞれ容器2を保持すると、ロボットアーム52の動作によって容器保持ヘッド54が移動し、箱供給コンベヤ14によって箱詰め位置Cに移動してきた箱8内に挿入する。箱供給コンベヤ14は箱8を連続搬送しており、移動している箱8にロボット6が追従して箱詰めを行う。箱8は、図4に示すように箱供給コンベヤ14によって、グルーピングコンベヤ12側に向けて傾斜した状態で搬送されており、容器保持ヘッド54は、中仕切り48によって区画された箱8内の空間50のうち、下段側の空間50から順に容器2を挿入する。
【0034】
上方から箱8に向かって接近していった容器保持ヘッド54は、先ず、支持部材58によって最も下側の空間50の上方に位置している中仕切り48aを下面側から押さえながら、側部ガイド58cを中仕切り48bや箱8の側壁に当接させるようにして、支持部材58および容器2を空間50内に挿入する。図4に示すように支持部材58の先端58aは、保持している容器2側に湾曲しているので、中仕切り48に干渉するおそれなくスムーズに挿入される。また、支持部材58によって空間50の上側の中仕切り48を押さえ、また、側部ガイド58c側に容器2を寄せているので、空間50に余裕ができ、容器2がスムーズに挿入され、袋4が中仕切りに引っ掛かる恐れもない。なお、この実施例では、支持部材58が中仕切り48の上端部を通過していく間はゆっくりと移動させ、その後は加速して挿入するようにしている。
【0035】
中仕切り48によって区画された空間50は狭いため、支持部材58は一方だけに設けられており、この支持部材58は挿入時には容器2の上方側に位置している。また、把持部材62は、容器2の下側の、支持部材58が接触している胴部2bよりも上方の径の細い肩部2cに接触して容器2を把持している。そして、この把持部材62が箱8内に挿入される前に、開閉用エアシリンダ68によって把持部材62を開放して、容器2を箱8内に形成された空間50に収容する。なお、把持部材62が容器2を把持する位置は、胴部2bよりも径が細くなっている上方の肩部2cであり、しかも、口部2aよりは下方であるが、容器2を下側から保持するため、できるだけ下方側の胴部2bに近い位置を保持することが好ましい。前記のように、容器2の一側で位置決め部材60が口部に、支持部材58が胴部2bに当接し、他側において、把持部材62が口部2aと胴部2bとの間の肩部2cに押し付けられることによって、軟質な容器2がくの字状に固定されてふらつかず安定して保持することができる。
【0036】
箱8内の最も下段側の一列の空間50内に容器2を収容した後、ロボット6は、アーム52に取り付けた容器保持ヘッド54をグルーピングコンベヤ12の側部の立ち上げ機構22に戻して再び容器2を保持する。次は、箱8の中段の空間50内にその容器2を挿入する。この場合は、下段の空間50に挿入するときと同様に、その空間50の上側に位置している中仕切り48を支持部材58によって下側から押さえながら、支持部材58および容器2を挿入する。さらに、第3段目の空間50、つまり最上段の空間50に容器2を挿入する際には、中段の空間50に容器2を挿入したことによって中仕切り48が押し下げられているので、空間50内に余裕が生じており、あえて支持部材58によって箱8の壁面を押し上げたり、下側の中仕切り48を押し下げる必要が無く、容器2を収容することが可能である。以上の動作を繰り返すことにより、連続的に搬送されてくる箱8内に、袋4によって包装された容器2を中仕切り48に引っ掛けることなくスムーズに、しかも、安定した動作で、効率よく収容することができる。なお、前記実施例および請求項において、支持部材58、位置決め部材60および把持部材62等が容器2に当接すると記載してあるが、容器2は袋入りの容器であり、いずれも袋4を介して容器2に接触することは言うまでもない。
- 【公開番号】特開2007−45499(P2007−45499A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【発明の名称】容器収容装置および容器グリッパ
- 【出願番号】特願2005−234065(P2005−234065)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【出願人】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100086852
【弁理士】
【氏名又は名称】相川 守
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