一対のシール装置、縦型製袋包装機、および計量包装システム
- 【要約】
【課題】 包材を良好にシールすることができる一対のシール装置、縦型製袋包装機、および計量包装システムを提供する。
【解決手段】 固定機構60は、ナイフ40の長手方向両端部に複数設けられており、主として、静止部61と、可動部62と、を有する。可動部62は、静止部61と押圧部材67との間に配置されており、押圧部材67からの押圧力によって静止部61の第1傾斜面61aを摺動可能に設けられる。これにより、可動部62が押圧部材67から押圧方向AR3の押圧力を受けると、可動部62は、静止部61の第1傾斜面61aに沿って傾斜方向AR4に摺動し、突起部63はナイフ40の切欠部41と嵌合して押圧する。そのため、ナイフ40は、押圧方向AR3だけでなくナイフ40長手方向にも押圧され、支持部50の溝部に安定して固定される。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
包材を挟み込んで熱圧着することにより、前記包材を溶着し、前記包材の溶着部を切断する一対のシール装置であって、
前記一対のシール装置のそれぞれは、
(a) 前記包材を加熱して切断するナイフと、
(b) 前記ナイフを挿嵌して支持する溝部と、加熱部と、を有する支持部と、
(c) 前記ナイフの長手方向両端部に設けられており、押圧部材からの押圧力によって前記ナイフを前記支持部に固定する固定機構と、
を備え、
前記固定機構は、
(c-1) 前記押圧力の押圧方向に対して傾斜する第1傾斜面を有する静止部と、
(c-2) 前記押圧部材と前記静止部との間に配置されており、前記ナイフの長手方向両端部に設けられた切欠部と嵌合することによって前記ナイフを固定する突起部を有する可動部と、
を含み、
前記可動部は、前記押圧部材からの押圧力によって前記第1傾斜面に沿って摺動しつつ前記切欠部と前記突起部とを嵌合させることにより、前記押圧方向と前記ナイフの長手方向とから前記ナイフを押圧して固定することを特徴とする一対のシール装置。
【請求項2】
請求項1に記載の一対のシール装置において、
前記可動部は、剛体によって形成されていることを特徴とする一対のシール装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の一対のシール装置において、
前記押圧部材は、前記可動部を固定側に締結しつつ押圧する締結部材であることを特徴とする一対のシール装置。
【請求項4】
請求項3に記載の一対のシール装置において、
前記締結部材は、前記可動部の第1貫通孔に挿通されており、
前記第1貫通孔は、前記ナイフの長手方向に伸びる長孔であることを特徴とする一対のシール装置。
【請求項5】
請求項4に記載の一対のシール装置において、
前記支持部および前記静止部は、それぞれ第2および第3貫通孔を有しており、
前記支持部および前記可動部は、前記締結部材が前記第1ないし第3の貫通孔に挿通されて前記固定側の取付部に締結されることによって固定されることを特徴とする一対のシール装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の一対のシール装置において、
前記静止部と前記支持部とは、一体的に構成されていることを特徴とする一対のシール装置。
【請求項7】
筒状に成形された包材を、当該包材の流れ方向および幅方向に沿って縦および横シールしつつ製袋するとともに、製袋された袋に落下する被包装物を充填する縦型製袋包装機であって、
(a) 包材を前記流れ方向に沿って熱圧着することにより、包材を縦シールする縦シール装置と、
(b) 包材を前記幅方向に沿って挟み込みつつ熱圧着することにより、包材を横シールする一対の横シール装置と、
を備え、
前記一対の横シール装置のそれぞれは、
前記包材を加熱して切断するナイフと、
前記ナイフを挿嵌して支持する溝部と、加熱部と、を有する支持部と、
前記ナイフの長手方向両端部に設けられており、押圧部材からの押圧力によって前記ナイフを前記支持部に固定する固定機構と、
を備え、
前記固定機構は、
前記押圧力の押圧方向に対して傾斜する第1傾斜面を有する静止部と、
前記押圧部材と前記静止部との間に配置されており、前記ナイフの長手方向両端部に設けられた切欠部と嵌合することにより、前記ナイフを固定する突起部を有する可動部と、
を含み、
前記可動部は、前記押圧部材からの押圧力によって前記第1傾斜面に沿って摺動しつつ前記切欠部と前記突起部とを嵌合させることにより、前記押圧方向と前記ナイフの長手方向とから前記ナイフを押圧して固定することを特徴とする縦型製袋包装機。
【請求項8】
計量包装システムであって、
組み合わせ計量によって一定量の被包装物を計り取る組合せ計量機と、
前記組合せ計量機の下方に配設された請求項7に記載の縦型製袋包装機と、
を備えることを特徴とする計量包装システム。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包材を挟み込んで熱圧着することにより、前記包材を溶着して前記包材の溶着部を切断する一対のシール装置、この一対のシール装置を含む縦型製袋包装機、および、この縦型製袋包装機を含む計量包装システムに関するもので、特に、支持部に固定されるナイフの固定手法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、筒状に成形された包材を横シールしつつ製袋する装置が知られている(例えば、特許文献1および2)。
【0003】
【特許文献1】実公平03−033610号公報
【特許文献2】実公平06−030391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の装置は係止球によって、また、特許文献2の装置はばね鋼製板ばねによって、切断刃を刃嵌挿溝に固定している。そのため、切断刃を刃嵌挿溝に安定して固定することができず、その結果、包材を良好に溶着して切断することができない。
【0005】
そこで、本発明では、包材を良好にシールすることができる一対のシール装置、縦型製袋包装機、および計量包装システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、包材を挟み込んで熱圧着することにより、前記包材を溶着し、前記包材の溶着部を切断する一対のシール装置であって、前記一対のシール装置のそれぞれは、前記包材を加熱して切断するナイフと、前記ナイフを挿嵌して支持する溝部と、加熱部と、を有する支持部と、前記ナイフの長手方向両端部に設けられており、押圧部材からの押圧力によって前記ナイフを前記支持部に固定する固定機構と、を備え、前記固定機構は、前記押圧力の押圧方向に対して傾斜する第1傾斜面を有する静止部と、前記押圧部材と前記静止部との間に配置されており、前記ナイフの長手方向両端部に設けられた切欠部と嵌合することによって前記ナイフを固定する突起部を有する可動部と、を含み、前記可動部は、前記押圧部材からの押圧力によって前記第1傾斜面に沿って摺動しつつ前記切欠部と前記突起部とを嵌合させることにより、前記押圧方向と前記ナイフの長手方向とから前記ナイフを押圧して固定することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の一対のシール装置において、前記可動部は、剛体によって形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の一対のシール装置において、前記押圧部材は、前記可動部を固定側に締結しつつ押圧する締結部材であることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の一対のシール装置において、前記締結部材は、前記可動部の第1貫通孔に挿通されており、前記第1貫通孔は、前記ナイフの長手方向に伸びる長孔であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の一対のシール装置において、前記支持部および前記静止部は、それぞれ第2および第3貫通孔を有しており、前記支持部および前記可動部は、前記締結部材が前記第1ないし第3の貫通孔に挿通されて前記固定側の取付部に締結されることによって固定されることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の一対のシール装置において、前記静止部と前記支持部とは、一体的に構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項7の発明は、筒状に成形された包材を、当該包材の流れ方向および幅方向に沿って縦および横シールしつつ製袋するとともに、製袋された袋に落下する被包装物を充填する縦型製袋包装機であって、包材を前記流れ方向に沿って熱圧着することにより、包材を縦シールする縦シール装置と、包材を前記幅方向に沿って挟み込みつつ熱圧着することにより、包材を横シールする一対の横シール装置と、を備え、前記一対の横シール装置のそれぞれは、前記包材を加熱して切断するナイフと、前記ナイフを挿嵌して支持する溝部と、加熱部と、を有する支持部と、前記ナイフの長手方向両端部に設けられており、押圧部材からの押圧力によって前記ナイフを前記支持部に固定する固定機構と、を備え、前記固定機構は、前記押圧力の押圧方向に対して傾斜する第1傾斜面を有する静止部と、前記押圧部材と前記静止部との間に配置されており、前記ナイフの長手方向両端部に設けられた切欠部と嵌合することによって前記ナイフを固定する突起部を有する可動部と、を含み、前記可動部は、前記押圧部材からの押圧力によって前記第1傾斜面に沿って摺動しつつ前記切欠部と前記突起部とを嵌合させることにより、前記押圧方向と前記ナイフの長手方向とから前記ナイフを押圧して固定することを特徴とする。
【0013】
また、請求項8の発明は、計量包装システムであって、組み合わせ計量によって一定量の被包装物を計り取る組合せ計量機と、前記組合せ計量機の下方に配設された請求項7に記載の縦型製袋包装機と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1ないし請求項8に記載の発明によれば、ナイフは、押圧部材から押圧力を受けた可動部によって、この押圧力の押圧方向とナイフの長手方向とから押圧される。これにより、支持部の溝部にナイフを安定して固定することができる。そのため、包材を良好に溶着して切断することができる。
【0015】
特に、請求項2に記載の発明によれば、可動部は剛体によって形成されており、押圧部材からの押圧力を良好にナイフに伝達することができる。そのため、支持部の溝部にナイフをさらに良好に固定することができ、さらに良好に包材を溶着して切断することができる。
【0016】
特に、請求項4に記載の発明によれば、締結部材によって押圧された可動部は、長孔に沿って摺動してナイフを押圧する。そのため、さらに安定してナイフを固定することができる。
【0017】
特に、請求項5に記載の発明によれば、1つの締結部材により、支持部を取付部に固定するとともに、可動部を静止部に固定することができる。そのため、一対のシール装置の部品点数を低減することができ、その結果、装置の製造コストを低減することができる。
【0018】
特に、請求項6に記載の発明によれば、静止部と支持部とを一体的に構成することができ、一対のシール装置の部品点数を低減することができる。そのため、装置製造時における組立工数を低減するとともに、装置の製造コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
<1.計量包装システムおよび縦型製袋包装機の構成>
図1は、本発明の実施の形態における計量包装システム1の全体構成の一例を示す斜視図である。図2は、組合せ計量機2および縦型製袋包装機3の構成の一例を示す正面図である。なお、図1および以降の各図には、それらの方向関係を明確にすべく必要に応じて適宜、Z軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系が付されている。
【0021】
計量包装システム1は、被包装物(例えばポテトチップスのような食品等)Xを一定量計り取るとともに、この一定量の被包装物Xを包装する計量および製袋包装ラインである。図1に示すように、計量包装システム1は、主として、組合せ計量機2と、縦型製袋包装機3と、シールチェッカー4と、重量チェッカー5と、を備える。
【0022】
組合せ計量機2は、一定量の被包装物Xを計り取るとともに、下方に配設された縦型製袋包装機3に、この計量された被包装物Xを供給する。図2に示すように、組合せ計量機2は、主として、分散フィーダ21と、トラフ22と、プールホッパ23と、計量ホッパ24と、集合シュート25と、を備える。
【0023】
組合せ計量機2に計量対象となる被包装物Xが供給されると、この供給された被包装物Xは、分散フィーダ21の中央部付近に落下させられる。図2に示すように、分散フィーダ21の周縁には複数のトラフ22が設けられている。また、分散フィーダ21およびトラフ22には、加振装置(図示省略)からの振動が付与されている。これにより、分散フィーダ21に供給された被包装物Xは、各トラフ22を経由して落下し、対応するプールホッパ23に貯留される。
【0024】
複数のプールホッパ23のそれぞれは、対応する計量ホッパ24の上方に配設されており、計量ホッパ24に供給する被包装物Xを一時的に貯留する。また、複数の計量ホッパ24のそれぞれは、対応するプールホッパ23から供給される被包装物Xの重量を計量する重量検出器(例えばロードセル:図示省略)を有する。
【0025】
計量機コントロールユニット20は、各計量ホッパ24に貯留される被包装物Xの重量値の検出する。そして、計量機コントロールユニット20は、各重量値の組合せによって得られる総和のうち所望値に最も近い組合せを演算するとともに、この組合せに対応する計量ホッパ24から集合シュート25に向けて被包装物Xを排出させる。これにより、集合シュート25に排出された一定量の被包装物Xは、縦型製袋包装機3に供給される。
【0026】
また、計量機コントロールユニット20は、被包装物Xが排出されて空となった計量ホッパ24に被包装物Xを補充するため、対応するプールホッパ23から計量ホッパ24に向けて被包装物Xを供給させる。
【0027】
縦型製袋包装機3は、図1および図2に示すように、組合せ計量機2の下方に配設されており、組合せ計量機2から排出されて落下する被包装物Xを包材TF(例えば、プラスチックで形成されたフィルム)によって袋詰する装置である。図2に示すように、縦型製袋包装機3は、主として、チューブ31と、フォーマ32と、プルダウンベルト33と、縦シール装置34と、横シール装置35と、を有する。
【0028】
チューブ31とフォーマ32とは、長尺物としての包材TFを筒状に成形する成形機構である。チューブ31は、略円筒形状の部材であり、その上下端は開口している。フォーマ32は、チューブ31を取り囲むように配設されている。チューブ31とフォーマ32との間に包材TFが繰り入れられると、この繰り入れられた包材TFはチューブ31に巻き付けられて略筒状に成形される。なお、チューブ31の上端開口部からチューブ31内には、組合せ計量機2からの被包装物Xが投入される。
【0029】
図2に示すように、プルダウンベルト33および縦シール装置34は、チューブ31およびフォーマ32の下方に配設される。プルダウンベルト33は、チューブ31に巻き付けられた包材TFを矢印AR1方向(包材TFの流れ方向:Z軸と略平行な方向)に搬送する。また、縦シール装置34は、チューブ31に巻き付けられた包材TFの重なり部分を流れ方向AR1に沿って熱圧着し、縦シールする。
【0030】
図3および図5は、本実施の形態における一対の横シール装置35付近の構成の一例を示す正面図である。また、図4は、第1および第2の実施の形態における一対の横シール装置35付近の構成の一例を示す側面図である。
【0031】
一対の横シール装置35は、包材を溶着して切断する。すなわち、両横シール装置35の回動動作が同期することにより、一方の横シール装置35のシールジョー35aと他方の横シール装置35のシールジョー35aとの間に筒状の包材TFは、挟み込まれて熱圧着される。これにより、包材TFは、Y軸と略並行な矢印AR2方向(包材TFの幅方向)に溶着されて横シールされるとともに、包材TFは、その溶着部から切断される。図3および図4に示すように、一対の横シール装置35のそれぞれは、主として、シールジョー35aと、架台37と、を有する。
【0032】
ここで、図3および図4に示すように、一対の横シール装置35は、YZ平面と略平行な仮想平面VSを挟んで略対称に構成されている。そこで、以下では、仮想平面VSから見てX軸正方向に配置された横シール装置35を中心に説明する。
【0033】
架台37は、シールジョー35aを取り付ける取付台であり、包材TFの流れ方向AR1と略垂直な回動軸39を中心に回動自在とされる。図4に示すように、架台37は、主として、アーム部材37a、37bと、取付部37cと、を有する。
【0034】
アーム部材37a、37bは、回動軸39と略直交方向に延伸する。アーム部材37a、37bの長手方向の両端部には、回動軸39と略平行であり、シールジョー35aを取り付ける取付部37cが設けられている。
【0035】
また、図4に示すように、アーム部材37aの回動軸39付近には、この回動軸39方向に延出するシャフト39aが設けられている。シャフト39aは、タイミングベルト83を介してモータ81のモータ軸82と連動接続されている。これにより、架台37は、このモータ81によって回動軸39を中心に回動させられる。
【0036】
さらに、モータ81から見てモータ軸82と逆側にはエンコーダ84が設けられている。エンコーダ84は、モータ81の1回転内の回転角の絶対位置を検出する。なお、本実施の形態にいて、モータ81と架台37とは、所定の回転比RRとなるように設定されている。
【0037】
シールジョー35aは、他方の横シール装置35のシールジョー35aとにより、矢印AR2方向(包材TFの幅方向)に沿って包材TFを挟み込む熱圧着部である。図3および図4に示すように、シールジョー35aは、回動軸39に沿って延伸しており、架台37の取付部37cに取り付けられる。したがって、架台37が回動させられると、これにともなってシールジョー35aも回動軸39を中心に回動させられる。また、シールジョー35aには、挟み込まれた包材TFを加熱する加熱部52(図6および図8参照)が配設されている。
【0038】
これにより、図5に示すように、架台37が回動させられて一方および他方の横シール装置35のシールジョー35aが対向し、シールジョー35aと包材TFとが当接すると、包材TFは加熱および加圧される。そのため、図5に示すように、シールジョー35aより下方の包材TFは切断されて、被包装物Xは袋BGに袋詰される。
【0039】
なお、架台37には複数(本実施の形態では2つ)のシールジョー35aが設けられているが、これに限定されるものでない。例えば、架台37には1つのシールジョー35aが設けられていても良い。また、シールジョー35aの詳細なハードウェア構成については、後述する。
【0040】
図4に示すように、アーム部材37bの回動軸39付近には、この回動軸39方向に延出するシャフト39bが設けられている。また、シャフト39bには、シールジョー35aの回動位置を検出するための検知板36が設けられている。
【0041】
センサ38は、縦型製袋包装機3内の所定の場所に固定された近接センサである。図3ないし図5に示すように、センサ38は、基部36bの周縁部外方であって、突出部36aの近接状況が検知できるように設けられている。したがって、回動させられる検知板36について、その突出部36aの近接状況がセンサ38によって検知されることにより、シールジョー35aの回動位置が検出される。
【0042】
包装機コントロールユニット(制御部)30は、図2に示すように、プログラムや変数等を格納するメモリ30aと、メモリ30aに格納されたプログラムに従った制御を実行するCPU30bと、を備える。したがって、CPU30bは、メモリ30aに格納されているプログラムに従って、横シール装置35の動作制御を所定のタイミングで実行することができる。また、包装機コントロールユニット30は、計量機コントロールユニット20と電気的に接続されている。したがって、両コントロール20、30の間で制御信号の送受信が行われることにより、例えば、組合せ計量機2および縦型製袋包装機3の動作を同期させることができる。
【0043】
図1に戻って、縦型製袋包装機3において被包装物Xが充填された袋BGは、シールチェッカー4に搬送されてシール状況のチェックが行われるとともに、重量チェッカー5において袋BGの重量が所定範囲となるか否かのチェックが行われる。そして、重量やシール状況のチェックが完了した良品の袋BGは、箱詰ユニット(図示省略)においてダンボール箱等に箱詰される。
【0044】
<2.シールジョーの構成>
図6は、シールジョー35aの構成の一例を示す上面図である。図7は、図6のV−V線から見た断面の一例を示す図である。図8は、シールジョー35aの構成の一例を示す側面図である。上述のように、シールジョー35aは、他方の横シール装置35のシールジョー35aとにより、包材TFをその幅方向に沿って挟み込みつつ熱圧着する熱圧着部である。図6および図7に示すように、シールジョー35aは、主として、ナイフ40と、支持部50と、固定機構60と、を備える。
【0045】
支持部50は、架台37の取付部37cに固定されており、ナイフ40を支持する。図6に示すように、支持部50は、主として、溝部51と、加熱部52と、シール面53と、側壁56と、を有する。
【0046】
溝部51は、挿嵌されたナイフ40を支持する支持空間である。図8に示すように、基部55上に設けられた2つの側壁56と、基部55とによって囲まれる空間に、溝部51が形成される。2つの側壁56のそれぞれは、架台37に固定された基部55の上に設けられた板状体である。図8に示すように、側壁56は、ナイフ40を上方から見た場合のナイフ40の幅方向(略X軸方向)からナイフ40を規制する。これにより、ナイフ40は起立姿勢となる。
【0047】
加熱部52は、溝部51に挿嵌されたナイフ40および側壁56を加熱するヒータである。図6および図8に示すように、加熱部52は、それぞれの側壁56内に溝部51に沿って設けられている。したがって、加熱部52が駆動させられることにより、ナイフ40および側壁56は昇温する。
【0048】
図9は、シールジョー35aによって挟み込まれた包材TFのシール状況を説明するための図である。図6および図8に示すように、2つの側壁56のそれぞれの上端面には溝部51に沿ってシール面(熱圧着面)53が設けられている。シール面53は、図8に示すように、複数の山部53aおよび谷部53bとによって略鋸状の曲面を形成する。この山部53aおよび谷部53bは、図8に示すように、例えば架台37の回動軸39を中心とした円弧53cに沿って設けられている。
【0049】
したがって、図5および図9に示すように、架台37が回動させられて、一方および他方の横シール装置35のシールジョー35aが対向すると、包材TFは、対応する山部53aと谷部53bとが係合することによって押圧および加熱される。また、シールジョー35a同士が対向する場合、図9に示すように、ナイフ40の頂部42と平坦部43とが包材TFを挟んで当接し、包材TFは、両ナイフ40によって押圧されつつ加熱される。
【0050】
そのため、包材TFは、ナイフ40の頂部42と当接する当接部において切断される。また、包材TFのうち対応する山部53aと谷部53bとによって加熱および押圧されてシールされ、そのシールされた部分(溶着部)の形状は波状形状となる。
【0051】
図10および図11は、それぞれ静止部61の構成の一例を示す側面図および上面図である。図12および図13は、それぞれ可動部62の構成の一例を示す側面図および上面図である。図14は、可動部62によるナイフ40の押圧状況を説明するための図である。固定機構60は、押圧部材67から付与される押圧力によってナイフ40を斜め方向に押圧しつつ固定する機構である。固定機構60は、図7に示すように、ナイフ40の長手方向両端部に複数(本実施の形態では2つ)設けられており、主として、静止部61と、可動部62と、を有する。
【0052】
静止部61は、ステンレス等の金属によって形成された剛体であり、X軸方向(側面)から見た断面は略台形形状を有する。図7に示すように、静止部61の底部側の面は、支持部50の上面と略平行とされており、静止部61の底部付近は、支持部50に設けられた凹部58と嵌合し、支持部50に取り付けられる。また、静止部61の可動部62側の面(第1傾斜面)61aは、支持部50の上面に対して傾斜する。
【0053】
さらに、図11に示すように、ナイフ40を長手方向に延長させた延長線EX上には、押圧部材67の挿通部67aを挿通可能な孔部(第2貫通孔)61bが設けられている。図10に示すように、孔部61bは、静止部61を略Z軸方向に貫通する。
【0054】
可動部62は、静止部61と同様に、ステンレス等の金属によって形成された剛体であり、図7および図14に示すように、静止部61と押圧部材67との間に配置される。可動部62は、押圧部材67からの押圧力によって静止部61の第1傾斜面61aを摺動可能に設けられている。図12および図13を示すように、可動部62は、主として、傾斜部64と、腹部66と、突起部63と、を有する。
【0055】
傾斜部64は、静止部61上を摺動する摺動部であり、その側面から見た断面は略台形形状を有する。また、可動部62の静止部61側の面(第2傾斜面)62aは、静止部61の第1傾斜面61aと略平行に設けられている。
【0056】
傾斜部64から見てナイフ40側に設けられた腹部66は、断面略矩形形状を有する。図7に示すように、可動部62が静止部61上に取り付けられた場合、腹部66の下面は、支持部50の上面と略平行になるように設けられている。
【0057】
図13に示すように、延長線EX上には、押圧部材67の挿通部67aを挿通可能な孔部(第1貫通孔)62bが設けられている。孔部62bは、図7および図13に示すように、ナイフの長手方向に伸びる長孔である。また、孔部62bは、図12に示すように、可動部62を略Z軸方向に貫通する。
【0058】
腹部66から見てナイフ40側には、ナイフ40の長手方向両端部の切欠部41と嵌合することによってナイフ40を固定する突起部63が設けられている。すなわち、図13に示すように、突起部63は、ナイフ40を長手方向に延長させた延長線EX上に設けられており、腹部66からナイフ40側に突出する。
【0059】
したがって、図14に示すように、可動部62が押圧部材67から押圧方向AR3(Z軸と略平行)の押圧力を受けると、可動部62は、静止部61の第1傾斜面61aに沿って傾斜方向AR4に摺動し、突起部63がナイフ40側に移動する。そして、突起部63は、ナイフ40の切欠部41内に到達し、切欠部41内の被押圧面41aは、突起部63の押圧面63aによって押圧される。
【0060】
これにより、ナイフ40は、傾斜方向AR4と略平行(矢印AR5方向)に押圧され、その押圧の分力によってナイフ40は、矢印AR6方向(ナイフ40の長手方向と略平行)と、支持部50の基部55側である矢印AR7方向(押圧方向AR3と略平行)とに押圧される。すなわち、ナイフ40は、ナイフ40の両端部に配設された各固定機構60の可動部62によって押圧方向AR3だけでなくナイフ40長手方向にも押圧される。これにより、ナイフ40は支持部50の溝部51に安定して固定される。そのため、シールジョー35aによって包材TFを良好に溶着して切断することができる。
【0061】
また、上述のように、可動部62は、ステンレス等の剛体によって形成されている。そのため、切欠部41を押圧する部材を弾性部材によって形成する場合と比較して、可動部62からナイフ40へ良好に押圧力を伝達することができ、良好にナイフ40を固定することができる。
【0062】
なお、本実施の形態において、押圧部材67の挿通部67aには雄ネジが、架台37側の取付部37cに設けられた穴部37d(図7参照)には雌ネジが、それぞれ設けられている。すなわち、押圧部材67は、挿通部67aを穴部37dに締結する締結部材であり、可動部62に押圧力を付与する。
【0063】
また、押圧部材67が締結されると、可動部62は、長孔62bに沿ってナイフ40側に摺動する。すなわち、可動部62は、ナイフ40の長手方向と略平行に移動する。そのため、安定してナイフ40を固定することができる。
【0064】
さらに、押圧部材67の挿通部67aは、可動部62の第1貫通孔62b、静止部61の第2貫通孔61b、および、支持部50の第3貫通孔57に挿通されて取付部37cの穴部37dに締結される。そのため、1つの締結部材によって支持部50を取付部37cに固定するとともに、可動部62を静止部61に固定することができる。そのため、部品点数を低減することができ、装置製造時の組立工数および製造コストを低減することができる。
【0065】
ここで、本実施の形態によるナイフ40の固定機構60と他の例による固定機構とを比較する。図15は、ナイフを溝部に固定するための他の固定機構を説明するための図である。他の固定機構は、主として、ネジ部材91と、孔部92と、を有する。
【0066】
孔部92は、支持部50の側壁56の長手方向中央付近に穿設されている。また、ネジ部材91および孔部92にはそれぞれ雄ネジおよび雌ネジが設けられている。これにより、この他の固定機構は、ネジ部材91と孔部92とが螺合するとともに、ネジ部材91の先端91aによってナイフ40が矢印AR8方向に押圧されることにより、ナイフ40を溝部51に固定する。
【0067】
しかし、この他の固定機構において、溝部51側に突出するネジ部材91の先端91aによって押圧されると、孔部92の設けられていない側壁56およびナイフ40は矢印AR8方向に傾く。そのため、先端91aの突出量Dによっては、包材TFを挟み込む場合に、対応する山部53aと谷部53bとが係合せず、包材TFを良好に熱圧着することができなくなる。すなわち、ナイフ40を上方から見た場合の幅方向(略X軸方向)からナイフ40を押圧する場合、ナイフ40が良好に溝部51に固定される場合であっても、包材TFを良好に溶着できない。その結果、シール形状およびシール強度不良が発生する。
【0068】
これに対して、本実施の形態の固定機構60は、ナイフ40を上方から見た場合の長手方向(略Y軸方向)と奥行き方向(略Z軸方向)とからナイフ40を押圧して固定することができる。そのため、シール面53の山部53aと谷部53bとを良好に係合させて溶着することができ、良好なシール形状およびシール強度を得ることができる。
【0069】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0070】
(1)本実施の形態において、支持部50と静止部61とは別部材によって構成されているものとして説明したが、これに限定されるものでない。例えば、支持部50と静止部61とを一体的に構成し、1つの部材として構成してもよい。
【0071】
(2)また、本実施の形態において、押圧部材67は、取付部37cに締結されているが、これに限定されるものでない。押圧部材67は、例えば、静止部61締結されてもよいし、また支持部50に締結されてもよい。すなわち、押圧部材67は、可動部62に対して不動の固定側に締結されればよい。
- 【公開番号】特開2007−62806(P2007−62806A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【発明の名称】一対のシール装置、縦型製袋包装機、および計量包装システム
- 【出願番号】特願2005−251858(P2005−251858)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
- 【代理人】
【識別番号】100089233
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 茂明
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
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