ケーキ用水中油型乳化液
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- 【要約】
【課題】製造が容易にでき、ケーキ生地への練り込みが容易であり、ケーキの食感を改良できるケーキ用水中油型乳化液を提供する。
【解決手段】油相部5〜40質量部及び水相部60〜95質量部からなるケーキ用水中油型乳化液であって、水相部における糖類の濃度が55〜85質量%であり、水相部100質量部中に粉体状の加工澱粉5〜50質量部が分散していることを特徴とするケーキ用水中油型乳化液。20℃における粘度が15〜300dPa・sであり、水中油型乳化液100質量部に200質量部の水を添加して、65℃以上に加熱するとゲル化することを特徴とするケーキ用水中油型乳化液。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
油相部5〜40質量部及び水相部60〜95質量部からなるケーキ用水中油型乳化液であって、水相部における糖類の濃度が55〜85質量%であり、水相部100質量部中に粉体状の加工澱粉5〜50質量部が分散していることを特徴とするケーキ用水中油型乳化液。
【請求項2】
20℃における粘度15〜300dPa・sであり、水中油型乳化液100質量部に200質量部の水を添加して、65℃以上に加熱するとゲル化することを特徴とする請求項1に記載のケーキ用水中油型乳化液。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーキ用水中油型乳化液に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に消費者に好まれるケーキとしては卵の風味が豊富で、良好な口溶けと食感を有するものが好まれる。この中で食感は焼成後のケーキの最も重要な要素の一つであり、良好な食感とは具体的には歯切れが良好で、組織がソフトであり、しっとり感、に優れ、かつ滑らかな口どけを有するものが好まれる。このような背景のなか、良好な食感を得る目的でケーキ原料である穀紛の種類や配合量、卵、油脂、水、糖類の配合量の調節や生地の調製条件、焼成条件を工夫して目的とされる食感を得ることが行われている。しかし、これら原料を単独、若しくは複数の組み合わせの調節だけでは得られる食感の変化に限界があり、現在の消費者嗜好に即した食感は十分満足できていないのが現状である。
【0003】
このような問題を解決するために加工澱粉をケーキ原料に使用する方法が挙げられている。特許文献1にはエーテル化またはエステル化膨潤抑制処理を施した加工澱粉、特許文献2には膨潤抑制アセチル化澱粉、特許文献3には膨潤抑制澱粉、特許文献4にはヒドロキシプロピル澱粉及び/又はアセチル澱粉、を使用する方法が挙げられている。
これら加工澱粉の使用はケーキの食感に対しては効果が認められるものの、ケーキに食感効果が確認されるまでにはケーキに対して大量の添加が必要である。加工澱粉は水に溶解すると粘度が増大するので、ケーキ用水中油型乳化液が製造できなかったり、ケーキ生地に均一に練り込めなかったりする。また、焼成したケーキにおいても、生地に均一に分散できず十分な食感を改良することができなかった。使用にあたっては、従来のケーキと全く異なる生地製法や焼成方法が必要となることが多かった。
【0004】
この問題を解消するため、水中油型乳化液の形態としないで、油中水型乳化液の形態として、加工澱粉を油層に分散する技術が開示されている(特許文献5、6)。
しかし、大量の澱粉を水相に加熱溶解した場合、非常に高粘度となり、製造が困難となりやすい。また、特許文献7には、まず油中水滴型乳化液を製造工程と、油に化澱粉及び増粘安定剤をスラリー状に分散させる工程に分けて製造し、さらに別々にそれぞれ40℃以下まで冷却したのちに混合し均一化する製造方法が開示されている。
このように平行して多くの工程を必要とする製造方法では製造機械が限定されるとともに、工業的に大量生産することが困難であり、容易に製造できないといった問題があった。
【特許文献1】特開2006−129789号公報
【特許文献2】特開平10−276661号公報
【特許文献3】特開平8−242752号公報
【特許文献4】特開平7−75479号公報
【特許文献5】特開平11−155482号公報
【特許文献6】特開平8−224057号公報
【特許文献7】特開2006−136331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、製造が容易にでき、ケーキ生地への練り込みが容易であり、ケーキの食感を改良できるケーキ用水中油型乳化液を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明を、以下に示す。
(1)油相部5〜40質量部及び水相部60〜95質量部からなるケーキ用水中油型乳化液であって、水相部における糖類の濃度が55〜85質量%であり、水相部100質量部中に粉体状の加工澱粉5〜50質量部が分散していることを特徴とするケーキ用水中油型乳化液。
(2)20℃における粘度が15〜300dPa・sであり、水中油型乳化液100質量部に200質量部の水を添加して、65℃以上に加熱するとゲル化することを特徴とする(1)のケーキ用水中油型乳化液。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、加工澱粉を含むケーキ用水中油型乳化液を容易に製造することができる。本発明のケーキ用水中油型乳化液を使用すると、乳化液をケーキ生地に均一に練り込むことができ、従来の生地調製時間や手間をかけずに、従来と同等の粘度や硬さを持つ生地を製造することができる。また、生地のシェア耐性が高く、工業的な生産に適している。焼成したケーキは、ソフト感、しっとり感、滑らかな食感などの食感に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のケーキ用水中油型乳化液は、水相部に加工澱粉及び糖類を含む乳化液である。水相部にある加工澱粉は乳化液中には粉体状で分散しているが、ケーキ用水中油型乳化液に水を添加した後、加熱して65℃以上にすると加工澱粉が溶解し乳化液がゲル化することに特徴がある。
【0009】
(加工澱粉)
本発明において使用できる加工澱粉はコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカスターチ、小麦澱粉などの澱粉を加工処理したものである。例えば、酸又は酵素で加水分解した加工澱粉、硫酸や塩酸、次亜塩素酸ナトリウムで酸化、又は酸処理した加工澱粉;ドラムドライヤー、エクストルーダー等を用いて糊化した澱粉を脱水、乾燥しアルファー化した加工澱粉;官能基を酢酸、オクテニルコハク酸、リン酸でエステル処理した加工澱粉;官能基をプロピレンオキシド、モノクロロ酢酸、モノクロロ酢酸ナトリウムでエーテル処理した加工澱粉;トリメタリン酸塩、オキシ塩化リンにて架橋処理した加工澱粉を使用できる。これら加工澱粉は1種を単独で用いることができ、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
このような加工澱粉は、水に溶解するのでケーキ用水中油型乳化液に使用すると、水相の粘度を上昇させることになる。しかし、本発明においては、水相に糖類が高濃度に溶解しているので加工澱粉が溶解せずに粉体状に分散することができ、粘度の上昇が抑制される。
一方でケーキ製造時には、水中油型乳化液はケーキ生地からの吸水し65℃以上の温度になると、加工澱粉が溶解して増粘し、ゲル化することになる。
加工澱粉粉体の粒子径は10〜100μmが好ましい。粒子径が大きいとケーキ製造時において水分の吸収に時間がかかり水に溶解しなくなる結果、焼成後のケーキの食感の改善効果が十分ではなくなるおそれがある。
本発明において、加工澱粉としてはケーキ用水中油型乳化液の製造、ケーキ生地練り込み時の作業性からは、35℃以下の温度で本発明の糖類濃度の場合に水相に殆ど溶けない加工澱粉が好ましく、具体的にはコーンスターチ、タピオカスターチが好ましく使用できる。
また、焼成後のケーキに良好なソフト感、しっとり感、特徴的な食感を付与できる点からは、エーテル処理、又はエステル処理した加工澱粉が好ましい。
本発明において加工澱粉の使用量は、水相100質量部中に5〜50質量部が好ましく、より好ましくは20〜40質量部である。5質量部未満では、ケーキ焼成中の加熱溶解後において、乳化液を十分にゲル化できず、焼成したケーキにおいて滑らかな食感が不足する。また50質量部を超えると、安定な水中油型の乳化液を製造するのが困難となり、また焼成したケーキにおいてベチャつきが強くなり、好ましくない。
【0010】
(糖類)
本発明において、糖類はケーキ用水中油型乳化液の製造工程及び生地への練り込み工程において加工澱粉の溶解を抑制し固体状に存在させるために使用する。本発明は、水相部に糖類が高濃度に溶解していると、水中油型乳化液中で加工澱粉が粉体状に分散できる。
本発明に使用できる糖類は、単糖類、二糖類、3〜10糖糖のオリゴ糖である。冷水においても容易に溶解できる糖類である。具体的な糖類としては例えば、デキストリン、水飴などの多糖類、マルトース、シュークロースなどの二糖類、グルコース、フラクトースなどの単糖類、これらを水素添加した還元糖などを挙げることができる。
本発明において糖類の濃度は、水相中の糖類の濃度であり、(糖類/(糖類+水)×100)で換算される。糖類の濃度は、55〜85質量%が好ましく、60〜80質量%がさらに好ましい。
乳化液の水相の糖濃度が55質量%未満になると水中油型乳化液の製造時において加工澱粉が膨潤しやすくなり、製造が困難になるおそれがある。水相の糖濃度が85質量%を超えると水相の流動性が損失し、一部糖類の析出も見られることから、良好な水中油型乳化液を得られなくなるおそれがある。
【0011】
(水相部)
本発明のケーキ用水中油型乳化液において、水相部には、水、加工澱粉、糖類以外にソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の水溶性乳化剤を加えることができる。これらの乳化剤は水溶性であり、HLB値は、12〜18であることが好ましい。
また、カゼイン塩やカゼイン塩以外の蛋白質や、蛋白質を含む素材を含有させることができる。このような蛋白質や蛋白質を含む素材としては、例えば、卵白蛋白質、ホエー蛋白質、ゼラチン、大豆蛋白質、分離大豆蛋白質、小麦蛋白質などの蛋白質、これらを酵素又は酸、アルカリで分解処理したペプタイド、脱脂粉乳、全脂粉乳などを挙げることができる。
さらに、ケーキ用水中油型乳化液の乳化状態を改善するために、ペクチン、寒天、キサンタンガム、グアガム、タマリンド種子ガム、ローカストビーンガム、カラギーナンなどの増粘多糖類を、必要に応じて配合することもできる。増粘多糖類の含有量は、ケーキ焼成時の火通り悪化や、ケーキの口溶け悪化を避けるために、水中油型乳化液中1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。
【0012】
(油相部)
本発明で油相部に使用できる油脂は食品用に一般的に使用される油脂を使用することができる。このような油脂としては、例えば、コーン油、菜種油、大豆油、パーム油などの植物性油脂、乳脂、豚脂、牛脂、魚油などの動物性油脂、これら油脂を水素添加、分別、エステル交換して得られる油脂などを挙げることができる。さらに、中鎖脂肪酸トリグリセリドなどの合成油等が挙げられる。これらの油脂は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。油脂による全卵の気泡の消泡を防止するために、油脂の上昇融点が20℃以下であることが好ましい。
油相部にはレシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の油溶性乳化剤を加えることができる。これらの乳化剤は油溶性でありHLB値は1〜12未満であることが好ましい。
【0013】
(水中油型乳化液)
本発明のケーキ用水中油型乳化液は油相部5〜40質量%及び水相部60〜95質量%からなる水中油型乳化液であることが好ましい。
油相部が5質量%未満、即ち水相部が95質量%を超える場合には、水中油型乳化液中の加工澱粉の保型力が損なわれ、ケーキの食感がベチャついた感じとなることがある。
油相部が40質量%を超える場合、即ち水相部が60質量%未満では安定な乳化状態を長期間保てなくなる。また乳化液の状態が高粘度となり、ケーキ生地中への分散性に劣ることになる。
【0014】
(水中油型乳化液の製造)
本発明の水中油型乳化液の製造方法において、まず、水に糖類を溶解したのち、乳化剤、乳蛋白成分等を加え、さらに加工澱粉を加え水相部とする。
本発明では、水に直接に加工澱粉を加えると加工澱粉が溶解し粘度が増大することになるため、まず糖類を水に溶解させ、所定の糖類の濃度以上とした後に加工澱粉を添加し分散させる。
次いで、水相部に油脂をはじめとする油相部を加え、水中油型に乳化せしめることにより、本発明の水中油型乳化液を得ることができる。油脂の乳化は、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、アジホモミキサーなどの乳化機を用いて乳化することができる。
製造される水中油型乳化液中の水相部には、加工澱粉が固体状で分散している。また、水中油型乳化液の油滴の大きさを小さくでき、かつ粉体状の澱粉を均一に分散できるため高圧乳化機を使用することが好ましい。この場合、圧力は50〜200kg/cm2が好ましい。
【0015】
製造される水中油型乳化液の粘度は、20℃で20〜200dPa・sであることが好ましい。
20dPa・s未満では粉体状に分散している加工澱粉粉体が沈殿して乳化物内の加工澱粉の分散状態が不均一となりやすい。加工澱粉の分散が不均一になるとケーキの食感が不均一になるばかりかロット間のバラつきの原因にもなる。200dPa・sを超えると安定な水中油型の調製が困難となり、製造される乳化液もケーキ生地への馴染みが悪くなり、結果的に食感のムラが発生する原因となる。
【0016】
本発明のケーキ用水中油型乳化液は、水相部に加工澱粉は乳化液中には粉体状で分散している。この場合の粘度は20℃において10〜300dPa・sであるが、ケーキ生地製造時において加熱して65℃以上にするとケーキ中の水分を吸収し、加工澱粉が溶解し乳化液がゲル化することになる。65℃以上はケーキ生地を焼成する際の温度であり、実際の生地調製時でゲル化して生地粘度が上昇するといった作業上の問題は生じないことになる。
本発明において、水中油型乳化液100質量部に200質量部の水を添加して、65℃以上に加熱に加熱するとゲル化する水中油型乳化液を使用することが好ましい。ケーキ生地製造時において、水中油型乳化液はケーキ生地より水を吸収することになり、水中油型乳化液100質量部に対して200質量部が水の吸収量の目安となる。
水中油型乳化液100質量部に200質量部の水を添加して、65℃以上に加熱に加熱してもゲル化しない水中油型乳化液を使用すると、本発明の十分な食感改良効果が得られないおそれがある。
【0017】
(ケーキ用水中油型乳化液の使用)
本発明のケーキ用水中油型乳化液を使用できるケーキとして、例えば、蒸しケーキ、スポンジケーキ、スナックケーキ、シフォンケーキ、半生菓子等のケーキを挙げることができる。生地の起泡性や安定性に優れ、製造されるケーキのボリュームが大きく、口溶けのよい、食感に優れたケーキを製造するのに適する。本発明のケーキの製造方法に用いるケーキ材料は、小麦粉、砂糖、卵等の必須成分の他に、特に限定されないが、さらに必要に応じ膨張剤、着色料、香料及び香辛料やリキュール、調味料を配合することができる。
本発明のケーキ用水中油型乳化液は、ケーキ生地中の小麦粉100質量部に対して1〜80質量部配合することができる。配合量が1質量部未満では焼成後のケーキに十分なソフト感、シトリ感、滑らか感を付与する効果が十分に発揮できず、80質量部を超える配合量では、ケーキとして適当な食感を維持できない。
【実施例】
【0018】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
【0019】
実施例1
油脂成分としてナタネ油35質量部にグリセリン脂肪酸エステルとしてエマルジーMS(理研ビタミン(株))、0.5質量部、レシチンとして日清レシチンDX(日清精油(株))0.5質量部を添加し、70℃以上に加熱し、乳化剤を完全に溶解させた。
水相成分として、還元液糖であるアマミール(東和化成工業(株)、糖類の濃度70質量%)を41質量部使用し、ここにポリグリセリン脂肪酸エステルとしてサンソフト181E(太陽化学(株))を0.5質量部、カゼインナトリウムとしてインスタンラックS(中央商工業(株))を2.5質量部添加し、分散をした。湯煎にて加熱を行い、70℃まで昇温し、これらを溶解した。その後、加工澱粉としてタピオカ加工澱粉(ジェルコールPOT05、(株)Jオイルミルズ)を20質量部添加し、水相部に分散させた。
加工澱粉が十分に分散した後、油相を添加して攪拌式のホモミキサーにて予備乳化した。次に、70℃で20分以上の予備乳化後、高圧ホモジナイザーにて100kg/cm2の圧力にて本乳化を行った。得られた乳化液は20℃に一昼夜保管し、ケーキ用水中油型乳化液を得た。
このケーキ用水中油型乳化液を用いて、評価試験を行った。
結果を表1に示す。
なお、粘度は以下のようにして測定した。
上記実施例にて調製したケーキ用水中油型乳化液は20℃に調温し、回転型粘度型(REON社製VISCOTESTER「VT−04F」、ローターNo.1又は2)で粘度を測定した。
【0020】
実施例2〜7及び比較例1〜5
実施例1と同様にして表1及び2に示した材料組成で、ケーキ用水中油型乳化液を配合し、評価試験を行った。なお馬鈴薯加工澱粉には松谷化学工業(株)製「ファリネックスAG600」、とうもろこし加工澱粉には松谷化学工業(株)製「松谷カンナ」を使用した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
表1及び2の結果より、本発明の上記実施例にて調製したケーキ用水中油型乳化液は化工澱粉の水相への溶解による粘度の増加は殆どなく、製造が可能であった。
一方、糖類の濃度が55質量%未満の場合(比較例1〜5)は、加工澱粉が水に溶解した結果、水相の粘度が著しく高くなり乳化することができなくなった。
【0024】
実施例8
実施例1で製造したケーキ用水中油型乳化液100質量部に200質量の水を添加した。その後攪拌しながら加熱し、65℃まで昇温し、その後20℃まで冷却した。
なお、粘度は、回転型粘度型(REON社製VISCOTESTER「VT−04F」、ローターNo.1又は2)を使用し測定した。ゲル強度は(株)サン科学製レオメーターCR−200Dを使用し、直径20mmの円形プレートを垂直に深さ10mm、速度60mm/分で挿入した際の応力(g)を測定した。
結果を表3にまとめる。
【0025】
【表3】
【0026】
表3より、本発明のケーキ用水中油型乳化液は、60℃以下では液状であるが、加熱し65℃とするとゲル化することがわかる。ゲルは、その後、冷却し20℃としてもその状態を維持できることがわかる。
【0027】
実施例9
本発明のケーキ用水中油型乳化液中にある加工澱粉が調製後も粉体状に分散していることを確認するためにOLYMPUS(株)製の偏光顕微鏡による観察を行った。実施例1で製造した本発明のケーキ用水中油型乳化液を偏光観察したところ、粉体状の加工澱粉では透過光が発生するので、加工澱粉の部分が光って観察された。ケーキ用水中油型乳化液100質量部に200質量部の水を添加して60℃に加熱し、ゲル化したものを20℃に冷却し、偏光顕微鏡で確認したところ粉体状の加工澱粉は存在せず、視野全体が暗いままであった。
以上の観察により加熱前の加工澱粉は粉体状で分散しているが、加熱により溶解しゲル化することがわかる。
【0028】
実施例10
本発明のケーキ用水中油型乳化液の使用がケーキの食感へ及ぼす影響を評価するため、スポンジケーキを焼成した。スポンジケーキは薄力粉100質量部、ベーキングパウダー1質量部、上白糖100質量部、全卵100質量部、水50質量部、液糖20質量部、起泡性乳化脂(日本油脂(株)製アルエット)15質量部、実施例1で調製したケーキ用水中油型乳化液20質量部添加してスポンジケーキ生地を調製し、上火180℃、下火160℃のオーブンで30分焼成した。
なお、比較のため実施例1で調製したケーキ用水中油型乳化液を添加しないスポンジケーキ生地も同様に焼成した。
これを試食した結果、本発明のケーキ用水中油型乳化液を添加して焼成したスポンジケーキは、ソフト感、モッチリ感、シトリ感、滑らか感が付与されて非常に良好な食感であることがわかった。
- 【公開番号】特開2008−79507(P2008−79507A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【発明の名称】ケーキ用水中油型乳化液
【発明者】
【氏名】甫立 善明
【氏名】和田 豊
【氏名】五味 隆生
- 【出願番号】特願2006−260194(P2006−260194)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
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