電源システム
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- 【要約】
【課題】蓄電池の過放電による劣化を防止し、さらに停止状態からの復帰を自動的に行い、システムの制御動作と負荷への給電を再開する電源システムを提供すること。
【解決手段】複数の電池を接続してなる組電池3と、交流電力を直流電力に変換し組電池3を充電する充電器1と、組電池3から放電する電力を交流電力に変換するインバータ2とを有する電源システムにおいて、前記電源システムの状態を監視および制御する、電気回路を有する制御部4を具備し、制御部4の動作電源は、組電池3または充電器1から2本の給電線を介して供給され、コイル8aと接点8bとを構成要素とする継電器を具備し、コイル8aの両端が前記2本の給電線にそれぞれ接続され、接点8bが前記2本の給電線のうち少なくとも一方に挿入されていることを特徴とする電源システムを構成する。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池を接続してなる組電池と、交流電力を直流電力に変換し前記組電池を充電する充電器と、前記組電池から放電する電力を交流電力に変換するインバータとを有する電源システムにおいて、
前記電源システムの状態を監視および制御する、電気回路を有する制御部が具備され、
前記制御部の動作電源は、前記組電池または前記充電器から2本の給電線を介して供給され、
第1のコイルと第1の接点とを構成要素とする第1の継電器が具備され、前記第1のコイルの両端が前記2本の給電線にそれぞれ接続され、前記第1の接点が前記2本の給電線のうち少なくとも一方に挿入されていることを特徴とする電源システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電源システムにおいて、
前記第1の接点は、前記第1のコイルの一方の片端と前記制御部との間の前記給電線に挿入されていることを特徴とする電源システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電源システムにおいて、
第2のコイルと第2の接点とを構成要素とする第2の継電器が具備され、
前記第1のコイルの他方の片端は、前記第2の接点を介して前記給電線に接続され、
前記充電器の出力に、出力方向にのみ電力を通すダイオードが具備され、
前記第2のコイルには、前記充電器の出力電圧が印加され、
第1のフォトダイオードと第1のフォトトランジスタとを構成要素とする第1のフォトカプラが具備され、
前記第2の接点に対して並列に、前記第1のフォトトランジスタが接続され、
前記組電池の電圧が、予め定められた第1の設定値以上であるとき、前記第1のフォトダイオードは発光であり、前記組電池の電圧が前記第1の設定値未満であるとき、前記第1のフォトダイオードは消光であることを特徴とする電源システム。
【請求項4】
請求項2に記載の電源システムにおいて、
第1のフォトダイオードと第1のフォトトランジスタとを構成要素とする第1のフォトカプラが具備され、
第2のフォトダイオードと第2のフォトトランジスタとを構成要素とする第2のフォトカプラが具備され、
前記第1のコイルの他方の片端は、前記第2のフォトトランジスタを介して前記給電線に接続され、
前記充電器の出力に、出力方向にのみ電力を通すダイオードが具備され、
前記第2のフォトダイオードには、前記充電器の出力電圧が印加され、
前記第2のフォトトランジスタに対して並列に、前記第1のフォトトランジスタが接続され、
前記組電池の電圧が、予め定められた第1の設定値以上であるとき、前記第1のフォトダイオードは発光であり、前記組電池の電圧が前記第1の設定値未満であるとき、前記第1のフォトダイオードは消光であることを特徴とする電源システム。
【請求項5】
請求項3または4に記載の電源システムにおいて、
前記第1のフォトトランジスタに対して並列に、押下しているときのみ短絡される手動スイッチが接続されていることを特徴とする電源システム。
【請求項6】
請求項1ないし5に記載の電源システムにおいて、
入力された交流電力と前記インバータの交流出力のどちらか一方を切替えて負荷へ出力する切替器が具備され、
前記切替器の動作電源は、前記2本の給電線を介して供給されることを特徴とする電源システム。
【請求項7】
請求項1ないし6に記載の電源システムにおいて、
前記組電池は、ニッケル水素蓄電池または鉛蓄電池であることを特徴とする電源システム。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電源システムに関し、特に、入力した電力を蓄電池へ充電しながら負荷へ供給し、停電時は蓄電池が出力する電力を負荷へ供給する、過放電防止継電器を有するバックアップ電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ニッケル水素蓄電池は、鉛蓄電池に比べてエネルギー密度が大きく、電池寿命の長さや環境負荷の少ないことが特長である。軽量、小型で持ち運びが容易であるため、車載用の蓄電池や災害対策用電源の蓄電池として近年急速に普及しつつある。
【0003】
ニッケル水素蓄電池を電源として用いる場合には、例えば、単セルと呼ばれる1本(定格電圧1.2V、容量95Ah)を10直列にしたものを1組として用いる。
【0004】
下記特許文献1、2、3には、複数の組電池と、充電制御手段と、放電制御手段とを備えた電源装置が記載され、特許文献1には、組電池の製造日付に基づいて組電池使用可能期間を算出して組電池交換日付を表示することが記載され、特許文献2には、組電池の放電容量試験を実行する電池監視手段を設けることが記載され、特許文献3には、前記電池監視手段が組電池の残存容量を算出し、その結果に基づいて当該組電池の補充電時期を決定することが記載されている。
【特許文献1】特開2004−119112号公報
【特許文献2】特開2004−120856号公報
【特許文献3】特開2004−120857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
蓄電池と放電器および充電器を組み合わせることにより、停電時にも電気機器(負荷)を動作させるためのバックアップ電源システムを構成することが可能である。このような電源システムは、例えば、図4に示すように、複数の電池を組み合わせてなる組電池3と、商用交流電源7からの交流入力をバイパスする回路と、交流電力を直流電力へ変換して組電池3を充電する充電器1と、蓄電池が出力する電力を交流電力へ変換するインバータ2と、切替器17とを有する。
【0006】
交流入力を受電しているときは、入力された電力は、バイパス回路を介してそのまま負荷6へと出力され、また充電器1で直流に変換され組電池3が充電される。
【0007】
停電時、切替器17はインバータ出力側に切り替わり装置出力とし、組電池3から放電されたエネルギーはインバータ2を介して負荷6へ供給される。
【0008】
蓄電池の安全の確保および電池劣化の防止のため、電源システムでは蓄電池の状態を監視し、充電中の満充電の検知や、異常時の蓄電池の充放電停止を行う必要がある。このため、システムには制御部4が追加される。
【0009】
蓄電池は、放電終止電圧を下回って放電を継続した場合、劣化が進行するため、放電終止電圧に達した時点で放電を停止させる必要がある。制御部4は、組電池3の電圧を監視し、予め定めた設定値に達したときインバータ2を停止して負荷6への給電を停止する。
【0010】
制御部4はプログラムを記録した電気回路を有し、電池の監視および充放電の制御を電気信号によって行っている。よって、制御部4が動作するためには制御電源が必要であり、停電時も制御動作を継続するため、制御電源には組電池3から電力が供給される。
【0011】
このため、組電池3が放電終止電圧を下回ってインバータ2が停止した後も、制御電源が組電池3に接続されている限り、制御部4への電力供給が続き、組電池3からの放電が継続し、組電池3が過放電となり劣化が進行するという問題が発生する。
【0012】
上記の問題は、鉛蓄電池やニッケル水素蓄電池システムの場合に限らず、リチウムイオン電池などの二次電池を組み合わせた電源システムにおいても生じる共通の問題である。
【0013】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、商用電力を負荷へ供給しながら蓄電池を充電し、停電時に蓄電池から放電して負荷へ供給する電源システムにおいて、蓄電池の過放電による劣化を防止し、さらに停止状態からの復帰を自動的に行い、システムの制御動作と負荷への給電を再開する電源システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明においては、上記課題を解決するために、請求項1に記載のように、
複数の電池を接続してなる組電池と、交流電力を直流電力に変換し前記組電池を充電する充電器と、前記組電池から放電する電力を交流電力に変換するインバータとを有する電源システムにおいて、前記電源システムの状態を監視および制御する、電気回路を有する制御部が具備され、前記制御部の動作電源は、前記組電池または前記充電器から2本の給電線を介して供給され、第1のコイルと第1の接点とを構成要素とする第1の継電器が具備され、前記第1のコイルの両端が前記2本の給電線にそれぞれ接続され、前記第1の接点が前記2本の給電線のうち少なくとも一方に挿入されていることを特徴とする電源システムを構成する。
【0015】
また、本発明においては、請求項2に記載のように、
請求項1に記載の電源システムにおいて、前記第1の接点は、前記第1のコイルの一方の片端と前記制御部との間の前記給電線に挿入されていることを特徴とする電源システムを構成する。
【0016】
また、本発明においては、請求項3に記載のように、
請求項2に記載の電源システムにおいて、第2のコイルと第2の接点とを構成要素とする第2の継電器が具備され、前記第1のコイルの他方の片端は、前記第2の接点を介して前記給電線に接続され、前記充電器の出力に、出力方向にのみ電力を通すダイオードが具備され、前記第2のコイルには、前記充電器の出力電圧が印加され、第1のフォトダイオードと第1のフォトトランジスタとを構成要素とする第1のフォトカプラが具備され、前記第2の接点に対して並列に、前記第1のフォトトランジスタが接続され、前記組電池の電圧が、予め定められた第1の設定値以上であるとき、前記第1のフォトダイオードは発光であり、前記組電池の電圧が前記第1の設定値未満であるとき、前記第1のフォトダイオードは消光であることを特徴とする電源システムを構成する。
【0017】
また、本発明においては、請求項4に記載のように、
請求項2に記載の電源システムにおいて、第1のフォトダイオードと第1のフォトトランジスタとを構成要素とする第1のフォトカプラが具備され、第2のフォトダイオードと第2のフォトトランジスタとを構成要素とする第2のフォトカプラが具備され、前記第1のコイルの他方の片端は、前記第2のフォトトランジスタを介して前記給電線に接続され、前記充電器の出力に、出力方向にのみ電力を通すダイオードが具備され、前記第2のフォトダイオードには、前記充電器の出力電圧が印加され、前記第2のフォトトランジスタに対して並列に、前記第1のフォトトランジスタが接続され、前記組電池の電圧が、予め定められた第1の設定値以上であるとき、前記第1のフォトダイオードは発光であり、前記組電池の電圧が前記第1の設定値未満であるとき、前記第1のフォトダイオードは消光であることを特徴とする電源システムを構成する。
【0018】
また、本発明においては、請求項5に記載のように、
請求項3または4に記載の電源システムにおいて、前記第1のフォトトランジスタに対して並列に、押下しているときのみ短絡される手動スイッチが接続されていることを特徴とする電源システムを構成する。
【0019】
また、本発明においては、請求項6に記載のように、
請求項1ないし5に記載の電源システムにおいて、入力された交流電力と前記インバータの交流出力のどちらか一方を切替えて負荷へ出力する切替器が具備され、前記切替器の動作電源は、前記2本の給電線を介して供給されることを特徴とする電源システムを構成する。
【0020】
また、本発明においては、請求項7に記載のように、
請求項1ないし6に記載の電源システムにおいて、前記組電池は、ニッケル水素蓄電池または鉛蓄電池であることを特徴とする電源システムを構成する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の電源システムを実施することによって、商用電力を負荷へ供給しながら蓄電池を充電し、停電時に蓄電池から放電して負荷へ供給する電源システムにおいて、蓄電池の過放電による劣化を防止し、さらに停止状態からの復帰を自動的に行いシステムの制御動作と負荷への給電を再開する電源システムを提供することが可能となる。
【0022】
また、システム停止後、電池を交換して手動スイッチを押下することにより復帰を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明に係る電源システムにおいては、例えば、複数の電池を接続してなる組電池と、交流電力を直流電力に変換し前記組電池を充電する充電器と、前記組電池から放電する電力を交流電力に変換するインバータを有する電源システムにおいて、前記電源システムの状態を監視および制御する、電気回路を有する制御部を具備し、前記制御部の動作電源が、前記組電池または前記充電器から給電線を介して供給され、制御電源の給電線に第1の継電器と、前記充電器の出力電圧により動作する第2の継電器と、前記制御部により動作するフォトカプラとを具備し、前記制御部は前記組電池の電圧が予め定められた設定値以上のときフォトカプラを発光(短絡)、設定値未満のとき消光(開放)する制御を行う。
【0024】
また、例えば、前記第1の継電器を動作させるための、押下しているときのみ短絡される手動スイッチを接続する。
【0025】
以下に、本発明の実施の形態について、電池が鉛蓄電池またはニッケル水素蓄電池である場合を例として説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
【0026】
<実施の形態例1>
図1は、本発明の実施の形態例を説明する図である。図において、鉛蓄電池(単セル定格2V、200Ah)を6セル直列に接続して組電池3(12V、200Ah)を構成する。組電池3は、商用交流電源7により充電器1を介して充電されるか、出力する電力をインバータ2と切替器17を介して負荷6へ供給する。充電器1は、商用交流電源7から供給される交流電力を直流電力へ変換して直流12Vを出力し、組電池3を充電しながら、制御部4、切替器17の制御電源用に電力を供給する。
【0027】
商用交流電源7が有効であるとき、切替器17の働きにより商用交流電源7はバイパス回路を介して負荷6へ接続される。停電発生時は、切替器17がこれを検知し、インバータ2の出力をもって負荷6への給電を行うように切り替える。インバータ2は、制御部4から動作信号を受信して組電池3から放電された電力を交流電力に変換し、切替器17を介して負荷6へ給電するが、動作信号がリセットされると動作が停止し交流電力を出力しなくなる。
【0028】
制御部4では、電池が過放電とならないよう放電を停止させる機能、故障検知機能、状態表示機能を持つ。制御部4が動作するには制御電源が必要であり、充電器1もしくは組電池3から供給される。
【0029】
切替器17が動作するためにも制御電源が必要であり、制御部4と同様に充電器1もしくは組電池3から供給される。停電時も制御部4と切替器17の制御電源が必要であり、組電池3から電源が供給される。放電が継続して組電池3の電圧が最低使用電圧(10V)に達すると、制御部4はインバータ2を停止させて負荷6への給電を停止することができるが、制御部4および切替器17への電力供給が継続される。最低使用電圧を下回って放電を継続すると電池の劣化を進行させるため、制御電源の入力線に継電器8(リレー)を追加して制御電源への給電を停止させるようにする。
【0030】
この第1の継電器8は、(第1の)コイル8aと(第1の)接点8bとを構成要素とし、コイル8aの両端に印加される電圧によって接点8bの開閉の状態が変化する。コイル8aの両端の電位差が0Vであるとき、接点8bは開放であり、この後コイル8aの順方向電圧が11V以上となると接点8bは短絡となる。さらにこの後コイル8aの順方向電圧が10V以下となると接点8bは開放となり、再び短絡となるにはコイル8aの順方向電圧が11V以上となることが必要である。
【0031】
コイル8aの両端は、制御電源の給電線に接続されるが、充電器1および組電池3により順方向電圧が印加されるように、正極と負極をそれぞれ接続する。接点8bは、開放されることにより制御電源の供給が停止できるように接続するため、制御電源の給電線のどちらか一方に挿入するようにする。
【0032】
商用交流電源7が有効であるとき、コイル8aに印加される順方向電圧は11V以上であるため、接点8bは短絡であり、制御部4と切替器17へ制御電源が供給される。商用交流電源7が停電すると、制御電源は組電池3から供給されるが、組電池3の電圧が10V以上である限り、接点8bは短絡であり制御電源の供給は継続される。停電による組電池3の放電が継続し、組電池3の電圧が10Vを下回るとコイル8aの印加電圧も10V未満となり接点8bが開放となり、制御電源の供給が停止し、制御部4と切替器17の動作が停止する。さらに制御部4が停止するとインバータ2への動作信号もリセットされるためインバータ2の動作も停止し、組電池3からの放電が完全に停止する。
【0033】
この後、商用交流電源7が復電すると、充電器1が直流電力を出力するため、コイル8aの両端に順方向電圧12Vが印加されて接点8bが短絡され、制御電源が供給される。インバータ2と切替器17が動作し、組電池3が充電される。
【0034】
放電停止後の復帰を商用交流電源7の復電によらず、組電池3を十分に充電されたもの(12V)と交換することによる場合は、交換された組電池3の電圧(12V)がコイル8aに印加され、接点8bが短絡されてシステムの動作が再開される。
【0035】
このように、電池の過放電を防止しながら、システムの復帰を自動的に行うことができる電源システムを構築することが可能となる。
【0036】
本実施の形態例では、接点8bの位置をコイル8aの片端と制御部4(切替器17)の間としているが、コイル8aと組電池3の間(図1でAと示した位置)とする方法もある。この場合、組電池3の放電が停止した後、商用交流電源7の復電や組電池3の交換を行ってもコイル8aに電圧が印加されないためシステムの復帰を自動的に行うことはできないが、組電池3の電圧が低下して接点8bが開放となるとき制御電源が供給されなくなりインバータ2が停止して組電池3の放電が完全に停止する効果はある。
【0037】
<実施の形態例2>
図2は、本発明の実施の形態例を説明する図である。図において、ニッケル水素蓄電池(単セル定格1.2V、95Ah)を10セル直列接続して組電池3を構成し、これを3組(3a、3b、3c)並列接続する。組電池3は、商用交流電源7により充電器1を介して充電されるか、出力する電力をインバータ2と、切替器である高速スイッチ5を介して負荷6へ供給する。充電器1は、商用交流電源7から供給される交流電力を直流電力へ変換し、組電池3を充電しながら、インバータ2、制御部4、高速スイッチ5の制御電源用に電力を供給する。
【0038】
充電器1からインバータ2への給電線には、充電器1の出力方向にのみ電力を通す、逆流防止のためのダイオード12aが接続される。
【0039】
商用交流電源7が有効であるとき、切替器である高速スイッチ5の働きにより商用交流電源7はバイパス回路を介して負荷6へ接続される。
【0040】
停電発生時は、高速スイッチ5がこれを検知し、10ミリ秒以内にインバータ2の出力をもって負荷6への給電を行うように切り替える。インバータ2は、組電池3から放電された電力を交流電力に変換し、高速スイッチ5を介して負荷6へ給電するが、商用交流電源7が有効であるとき無負荷運転の待機状態にあり、無負荷運転に必要な電力は充電器1から供給される。
【0041】
ニッケル水素蓄電池では、一定電流による充電を行い、満充電に達したら充電電流を完全に遮断する必要がある。このため、充電スイッチ16(16a、16b、16c)を使い、かつ充電制御を行う制御部4が必要となる。制御部4では、充電制御のほか、電池が過放電とならないよう放電を停止させる機能、故障検知機能、状態表示機能を持つ。
【0042】
制御部4は、組電池3に接続された直列抵抗14(14a、14b、14c)の両端電位差の計測により充放電電流を取得し、また組電池3の電圧計測、温度計測を行う。充放電電流量の積算あるいは経過日数により組電池3の放電残容量を計算し、残容量が予め定めた値を下回ったときに充電を開始する。充電の終了は、組電池の温度上昇勾配あるいは電圧が予め定めた値を超えたとき、あるいは組電池3の電圧が低下を始めたとき、あるいは充電時間が上限に達したときに行う。組電池3の放電中、組電池3の電圧が放電終止電圧を下回ったときには放電を停止させる。制御部4に入力される計測値が正常値として予め定められた範囲を逸脱した場合は故障とし、システムの停止動作を行う。さらに、制御部4に液晶表示装置を備え、組電池3の放電残容量、電圧、温度計測値、充放電状態のほか、故障発生時は故障内容を表示する。なお、商用電源停電中は、表示装置を省エネルギーモードとすることが望ましい。
【0043】
制御部4が動作するには制御電源が必要であり、それは充電器1もしくは組電池3から供給される。また、高速スイッチ5が動作するためにも制御電源が必要であり、制御部4と同様に充電器1もしくは組電池3から供給され、制御電源がない状態では高速スイッチ5も停止して商用側、インバータ側どちらからも出力することができない。
【0044】
停電時も制御部4と高速スイッチ5の制御電源が必要であるが、組電池3の過放電を防止するため、制御電源の入力線に、コイル8aと接点8bとを構成要素とする継電器8(リレー)を備えている。これを、(第1の)コイル8aと(第1の)接点8bとを構成要素とする第1の継電器とする。入力線の一方には逆流防止用のダイオード10cと接点8bを挿入する。
【0045】
また、コイル8aの一方の片端を入力線の+に接続し、他方の片端を(第1の)フォトトランジスタ9dを介して入力線の−に接続する。コイル8aに対して並列接続されるダイオード10bは、コイル8aの順方向電圧が急激に低下したときの逆起電力を吸収する。ここでのフォトトランジスタは、フォトダイオードとともに用いられ、この組み合わせはいわゆるフォトカプラである。(第1の)フォトトランジスタ9dに対応する(第1の)フォトダイオード9cは制御部4に内蔵されていて、フォトダイオード9cとフォトトランジスタ9dとが第1のフォトカプラの構成要素となっている。
【0046】
さらに、フォトトランジスタ9dに対して並列に、(第2の)フォトトランジスタ9bと手動スイッチ11とを接続する。手動スイッチ11は、手動で押下している間のみ短絡される。
【0047】
停電時に放電が継続し、組電池3が放電終止電圧に達して負荷6への給電が停止すると、システム内の電力を必要とする装置は全て停止するが、この状態から復帰させ、負荷6への給電を再開するため、充電器1の出力に、抵抗15とツェナーダイオード13と(第2の)フォトダイオード9aを直列接続したものを並列接続する。この(第2の)フォトダイオード9aは(第2の)フォトトランジスタ9bと対応し、フォトダイオード9aとフォトトランジスタ9bとが第2のフォトカプラの構成要素となっている。
【0048】
充電器1が運転を開始して直流電力を出力している間は、フォトダイオード9aが発光し、この光がフォトトランジスタ9bへ導かれ9bは短絡される。これによって、コイル8aに電流が流れ、接点8bが短絡されて、制御部4に電力が供給されるようになる。
【0049】
停電により充電器1が停止すると、ダイオード12aがあるため組電池3から給電されないフォトダイオード9aは発光しなくなるためフォトトランジスタ9bは開放となる。
【0050】
抵抗15は、フォトダイオード9aがフォトトランジスタ9bを短絡できるのに十分な電流を確保し、それ以上流さないようにする役割を持ち、ツェナーダイオード13は、充電器1の出力電圧がおおよそ5Vを下回ったときにフォトダイオード9aの発光を止める働きをする。
【0051】
商用受電中はフォトダイオード9aが発光し、フォトトランジスタ9bは短絡であり、制御部4中のフォトダイオード9cは発光し、フォトトランジスタ9dは短絡であり、コイル8aに順方向電圧が印加され、接点8bは短絡である。
【0052】
停電時、充電器1の出力が停止するため、フォトダイオード9aの発光が止まりフォトトランジスタ9bは開放となる。このとき、フォトトランジスタ9dは短絡のままであり、コイル8aの印加電圧は接点8bを短絡させるに十分である。予めの設定によって、組電池3(3a、3b、3c)の電圧が、予め定められた第1の設定値以上であるとき、(第1の)フォトダイオード9cは発光であって(第1の)フォトトランジスタ9dは短絡であり、組電池3の電圧が前記第1の設定値未満であるとき、前記フォトダイオード9cは消光であってフォトトランジスタ9dは開放となるようになっているので、停電が継続して組電池3が放電終止電圧に達したとき、制御部4はフォトダイオード9cの発光を停止し、フォトトランジスタ9dが開放となるため、コイル8aの印加電圧が低下して接点8bが開放となり、制御部4への給電が停止する。
【0053】
商用電源が復電すると、充電器1は直流電力を出力し、フォトダイオード9aは発光を始めるので、フォトトランジスタ9bは短絡され、コイル8aに充電器1の出力電圧が印加されて接点8bが短絡される。制御部4と高速スイッチ5へ制御電源が供給され、制御動作と切替動作が可能となる。
【0054】
制御部4では、組電池3の入出力電流(直列抵抗14a、14b、14cにより計測できる)、電圧、停電の有無を検出し、充電スイッチ16(16a、16b、16c)、高速スイッチ5、フォトダイオード9cの制御を行う。図3は、制御部4の制御フローを説明する図である。
【0055】
制御部4に制御電源が供給されないとき、インバータ2への運転信号がないためインバータ2は停止であり、高速スイッチ5への切替信号がないため商用側にもインバータ側にも負荷6は接続されておらず、フォトダイオード9cは発光していないためフォトトランジスタ9dは開放であり、充電スイッチ16を短絡する信号がないため充電スイッチ16は全て開放である。
【0056】
制御部4に制御電源が供給され、制御動作を開始すると、ステップ1(図中、S1で表す、以下同様)でインバータ2を運転させるとともに高速スイッチ5を商用側に接続する信号を生成し、ステップ2でフォトダイオード9cを発光とする。
【0057】
ステップ3において、商用交流電源7が有効であるかどうかを判断し、商用交流を受電している場合はステップ4に進み、停電の場合はステップ5に進む。
【0058】
ステップ4において、外部信号により指定される組電池3の充電を行うように該当する充電スイッチ16を短絡する信号を生成し、外部信号が充電を指示していない組電池3に該当する充電スイッチ16の短絡信号をリセットする。
【0059】
ステップ3で停電となった場合は、l0ms以内に切替動作が行われるように、ステップ5において、高速スイッチ5をインバータ側へ切り替える信号を生成する。
【0060】
ステップ6において、組電池3の電圧(3系列並列接続点での電圧)が10V以下であるかどうかを判断し、10V以下の場合はステップ9へ進み、10Vよりも高い場合はステップ7へ進む。
【0061】
ステップ7において、商用交流電源7が有効であるかどうかを判断し、停電の場合はステップ6へ戻り、受電の場合はステップ8で高速スイッチ5を商用側へ切り替え、ステップ3へ戻る。
【0062】
ステップ9において、インバータ2の動作信号をリセットし、ステップ10でフォトダイオード9cの発光を停止する。
【0063】
図3の制御を実行することによって、商用電源が有効である間はバイパス回路を介して負荷6への給電が行われ、停電発生時は10ms以内にインバータ2の出力が負荷6へ接続され組電池3によるバックアップが行われ、組電池3が放電終止電圧に達したとき負荷6への給電が停止するとともに制御動作が停止し組電池3からの放電が完全に停止する。
【0064】
また、商用電源の復電時はバイパス回路側への切り替えが行われる。さらに、組電池3が放電終止となりシステムが停止した後に商用電源が復電する場合、充電器1の起動によってフォトダイオード9aが発光してフォトトランジスタ9bが短絡し、コイル8aが充電器1の出力電圧を感知することにより接点8bが短絡されて制御部4へ制御電源が供給され制御を開始し、高速スイッチ5へも制御電源が供給されて商用交流電源7がバイパス回路を介して負荷6へ接続される。
【0065】
システム停止時に、電池交換により復帰させるときは、組電池3を充電状態の高いものに交換した後、手動スイッチ11を押下する。押下している間、コイル8aが組電池3の電圧を感知して接点8bを短絡するため制御部4が始動し、フォトトランジスタ9dが短絡されるため、手動スイッチ11を離しても制御動作が継続されてインバータ2を介して負荷6への給電が行われる。
【0066】
本実施の形態例では充電器1の動作状態の検知を、(第2の)フォトダイオード9aと(第2の)フォトトランジスタ9bとを構成要素とする第2のフォトカプラによって行っているが、これを、請求項3に記載の電源システムにおけるように、継電器によって行うことも可能である。フォトダイオード9a(抵抗15、ツェナーダイオード13を含む)を(第2の)コイルに、フォトトランジスタ9bを(第2の)接点に、それぞれ置き換えて第2の継電器を構成し、それによって充電器1の出力の有無によって接点を開閉するようにすればフォトカプラを使用した場合と同じ働きをさせることができる。
【0067】
本発明に係る電源システムの特徴は、例えば、複数の電池を接続してなる組電池と、交流電力を直流電力に変換し前記組電池を充電する充電器と、前記組電池から放電する電力を交流電力に変換するインバータとを有する電源システムにおいて、前記電源システムの状態を監視および制御する、電気回路を有する制御部を具備し、前記制御部の動作電源が、前記組電池または前記充電器から給電線を介して供給され、制御電源の給電線に継電器1と、前記充電器の出力電圧により動作する継電器2と、前記制御部により動作するフォトカプラを具備し、前記制御部は前記組電池の電圧が予め定められた設定値以上のときフォトカプラを発光(短絡)、設定値未満のとき消光(開放)する制御を行い、また、前記継電器1を動作させるための、押下しているときのみ短絡される手動スイッチを接続することである。
【0068】
この特徴によって、商用電力を負荷へ供給しながら蓄電池を充電し、停電時に蓄電池から放電して負荷へ供給する電源システムにおいて、蓄電池の過放電による劣化を防止し、かつ停止状態からの復帰を自動的に行い、システムの制御動作と負荷への給電を再開する電源システムを提供することが可能となる。また、手動スイッチによりシステム停止後、電池を交換してからの復帰を行うことができる。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について、電池が鉛蓄電池またはニッケル水素蓄電池である場合を例として、説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0070】
以下に、本発明によって生じる効果について説明する。
【0071】
(1)二次電池が出力する電力を負荷へ供給する電源システムにおいては、二次電池の充放電を制御する制御部などの消費電力により放電終止電圧を下回って放電が継続して二次電池の過放電による劣化が進行するという問題が発生する。
【0072】
本発明により、二次電池の放電は過放電となる前に停止され、二次電池の劣化を防止し、電池寿命を延命することが可能となる。
【0073】
(2)二次電池の過放電を回避するため、負荷への給電線にスイッチを挿入し、二次電池の電圧が放電終始電圧に達したときこのスイッチを開放する方法があるが、スイッチを開放した後にシステムを復帰させる手段がない。
【0074】
本発明により、システム停止後、商用電源の復電により自動的に制御部に制御電源が供給され、システムの制御動作と負荷への給電を再開することが可能となる。さらに、手動スイッチによりシステム停止後の復帰を電池交換によっても行うことが可能となる。
- 【公開番号】特開2009−11081(P2009−11081A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【発明の名称】電源システム
【発明者】
【氏名】北野 利一
【氏名】宮坂 明宏
【氏名】山下 明
【氏名】正代 尊久
【氏名】佐藤 啓一
【氏名】境 浩一
- 【出願番号】特願2007−170093(P2007−170093)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
【識別番号】000103976
【氏名又は名称】オリジン電気株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100081341
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 茂
【識別番号】100075753
【弁理士】
【氏名又は名称】和泉 良彦
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