内燃機関の排気還流装置
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- 【要約】
【課題】排気ガス還流通路内の排気ガスと新気とを掃気することができ、排気ガス還流通路内に滞留する新気に起因するEGRの開始の遅れを低減させる内燃機関の排気還流装置を提供する。
【解決手段】排気ガスの一部を吸気系へ再循環させるEGR通路54と、このEGR通路54に設けられた機関の運転状態に応じて切替動作し前記排気ガスの流量を調整するEGR弁55とを有する内燃機関の排気還流装置において、EGR通路54に、その内部に機関本体に送給される新気をEGR通路54の排気通路46側の開口部54aより下流側に排出する掃気通路12が設けている。EGR通路54内に滞留する新気を掃気し、EGR通路54をEGRガスが直ちに還流することができるため、EGR通路54内に滞留する新気に起因するEGRの開始の遅れを低減し、早期にEGR効果を発揮する。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
機関本体の吸気系に設けられる吸気通路及び排気系に設けられる排気通路と、
前記排気通路と前記吸気通路との間を連結し、前記排気通路から前記吸気通路に排出ガスの一部を還流させる排気ガス還流通路と、
該排気ガス還流通路に設けられ、前記排気ガス還流通路を流れる前記排気ガスの流量を調整する排気ガス還流制御弁とを有する内燃機関の排気還流装置において、
前記排気ガス還流通路に、その内部に機関本体送給用新気を前記排気ガス還流通路の前記排気通路側の開口部より下流側に排出する掃気通路が設けられ、
機関本体の過給時に、前記排気ガス還流通路内に供給され、前記排気ガス還流制御弁の閉鎖時に、前記排気ガス還流通路内に滞留する新気を、前記排気ガス還流通路に送給される前記排気ガスにより掃気することを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記排気ガス還流通路、前記掃気通路の何れか一方又は両方の通路内の前記排気ガスを冷却するクーラーを少なくとも一つ以上有していることを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記掃気通路の前記排気ガスを排出する開口部が、前記排気通路内の前記排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置の上流側に設けられていることを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一つにおいて、
前記排気ガス還流通路の前記排気通路側の前記開口部と前記掃気通路の前記排気ガスを排出する前記開口部との間に、タービンが設けられていることを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EGR通路内に滞留する新気を掃気し、EGRを早期に行う内燃機関の排気還流装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、内燃機関の燃焼室から排気通路に排出された排気ガスの一部(EGRガス)を内燃機関の吸気通路に排気還流(以下、「EGR」という)させ、再循環させて内燃機関での燃焼温度を低くし、窒素酸化物(NOX)の発生を抑制するようにしている。
【0003】
一般に、車両に搭載される排気ガス浄化用の三元触媒では、内燃機関の機関本体から排出される排気ガス中の有害成分である炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOX)を高温状態下で酸化還元反応して無害化している。その排出ガスの浄化能力を有効に発揮させるため、三元触媒の触媒床温を活性温度(例えば300〜400℃)まで上昇させる必要がある。
【0004】
エンジン始動後に触媒温度が活性温度に上昇するまでは、排出ガス浄化能力が低く、排出ガス中の有害成分の排出量が多くなり、エミッションが悪化する。このため、排出ガス還流通路を二次空気通路に兼用し、過給機より吸入される吸入空気の一部を排気ガス還流通路を逆流させて排気通路へ供給し、温められた排気ガスを用いて、エンジン始動後に触媒を早期に活性温度にして触媒を暖機するようにしている。
【0005】
図8は、従来の内燃機関の排気還流装置の構成を簡略に示す概略図である。図8に示すように、従来の内燃機関の排気還流装置は、エンジン101に接続された吸気通路102及び排気通路103と、排気通路103の途中を吸気通路102とバイパスして設けられた排気ガス還流通路(以下「EGR通路」という)104と、機関の運転状態に応じて切替動作させる排出ガス還流制御弁(以下「EGR弁」という)105とを備えている。図中、P1は吸気通路内のガス圧力を示し、P2は排気通路内のガス圧力を示している。また、吸気通路102、排気通路103の内の矢印はガス流れ方向を示している。
【0006】
過給時には吸気通路102に設けられている過給機106から吐出され、エンジン101内の図示しない各気筒に圧縮された空気(以下、「新気」という)が充填されると共に、吸入空気の一部をEGR通路104を逆流(図中、右方向)させて排気通路103へ供給し、エンジン始動後に触媒を早期に暖気するようにしている。また、吸気通路102にはスロットル弁107が設けられ、吸入空気量を制御するようにしている(特許文献1,2,3,非特許文献1)。
【0007】
【特許文献1】特開平08−254158号公報
【特許文献2】特開平09−137740号公報
【非特許文献1】清水 佳子、吉岡 幸生,「触媒床温制御排気システム」,トヨタ技術公開集 トヨタ自動車(株),2002年8月30日,p83−84
【特許文献3】実開昭62−110512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、暖気終了後、従来の内燃機関の排気還流装置では、EGR弁105を閉鎖すると、図9に示すようにEGR通路104内に新気が滞留してしまう。また、図10に示すように、低負荷運転時に、排気通路103内の排気の一部をEGR通路104内に還流させ、EGRを行なう際、EGR弁105を開放すると、排気通路103内のガス圧力P2はEGR通路104内に滞留する新気のガス圧力P3よりも大きいため、EGR通路104内に滞留する新気は吸気通路102側に排出されるが、この滞留している新気が吸気通路102に流出するまで、排出通路103からEGR通路104に流入した排気ガスを吸気通路102側に還流させることができない、という問題がある。
【0009】
また、EGR弁105を開放しても、排気ガスが吸気通路102側に直ちに流入されないため、EGRが直ちに開始されないので、この結果直ちにEGRが開始されずEGR効果が早期に得られない、という問題がある。
【0010】
そのため、EGR通路104内に滞留する新気に起因するEGRの開始の遅れを低減させることが切望されている。
【0011】
本発明は、上記目的に鑑みてなされたものであって、排気ガス還流通路内の排気ガスと新気とを掃気することができ、排気ガス還流通路内に滞留する新気に起因するEGRの開始の遅れを低減させる内燃機関の排気還流装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る内燃機関の排気還流装置は、機関本体の吸気系に設けられる吸気通路及び排気系に設けられる排気通路と、前記排気通路と前記吸気通路との間を連結し、前記排気通路から前記吸気通路に排出ガスの一部を還流させる排気ガス還流通路と、該排気ガス還流通路に設けられ、前記排気ガス還流通路を流れる前記排気ガスの流量を調整する排気ガス還流制御弁とを有する内燃機関の排気還流装置において、前記排気ガス還流通路に、その内部に機関本体送給用新気を前記排気ガス還流通路の前記排気通路側の開口部より下流側に排出する掃気通路が設けられ、機関本体の過給時に、前記排気ガス還流通路内に供給され、前記排気ガス還流制御弁の閉鎖時に、前記排気ガス還流通路内に滞留する新気を、前記排気ガス還流通路に送給される前記排気ガスにより掃気することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る内燃機関の排気還流装置においては、前記排気ガス還流通路、前記掃気通路の何れか一方又は両方の通路内の前記排気ガスを冷却するクーラーを少なくとも一つ以上有していることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る内燃機関の排気還流装置においては、前記掃気通路の前記排気ガスを排出する開口部が、前記排気通路内の前記排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置の上流側に設けられていることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る内燃機関の排気還流装置においては、前記排気ガス還流通路の前記排気通路側の前記開口部と前記掃気通路の前記排気ガスを排出する前記開口部との間に、タービンが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、排気ガス還流通路に、その内部に機関本体送給用新気を排気ガス還流通路の排気通路側の開口部より下流側に排出する掃気通路が設けることで、過給時に前記排気ガス還流通路を通過し、排気ガス還流制御弁を閉鎖して排気ガス還流通路内に滞留した新気を掃気通路の開口部から排出することができるため、機関本体の低負荷運転時に、前記排気ガス還流通路及び前記掃気通路に流入した排気ガスを前記排気ガス還流通路の吸気通路側に直ちに排出し、還流することができる。これにより、排気ガス還流通路内に滞留する新気に起因するEGRの開始の遅れを低減し、早期にEGR効果を発揮することができる。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の実施例1に係る内燃機関の排気還流装置を車両に適用したエンジンシステムの構成を簡略に示す概略図である。
図1に示すように、実施例1の排気還流装置が搭載された車両には、内燃機関としてディーゼルエンジン(DE)11が搭載されている。DE11の図示しないクランクシャフトには、ピストン位置及びエンジン回転数を検出するクランクポジションセンサ21が設けられている。このクランクポジションセンサ21は、ECU22に接続され、検出結果を出力している。DE11による駆動は、ECU22によって制御され、ECU22によりDE11の出力の配分が決定され、出力される。
【0018】
また、内燃機関としてのディーゼルエンジン(DE)11は、図示しないが、シリンダブロック上にシリンダヘッドが締結されており、複数のシリンダボアにピストンがそれぞれ上下移動自在に嵌合している。そして、シリンダブロックの下部にクランクケースが締結され、このクランクケース内にクランクシャフトが回転自在に支持されており、各ピストンはコネクティングロッドを介してこのクランクシャフトにそれぞれ連結されている。
【0019】
シリンダブロックとシリンダヘッドとピストンにより複数の燃焼室31が構成されており、この燃焼室31は、上部に吸気ポート32及び排気ポート33が対向して形成されており、この吸気ポート32及び排気ポート33に対して吸気弁34及び排気弁35の下端部がそれぞれ位置している。この吸気弁34及び排気弁35は、シリンダヘッドに軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、吸気ポート32及び排気ポート33を閉止する方向に付勢支持されている。また、シリンダヘッドには、吸気カムシャフト及び排気カムシャフトが回転自在に支持されており、吸気カム及び排気カムがローラロッカアームを介して吸気弁34及び排気弁35の上端部に接触している。
【0020】
よって、DE11に同期して吸気カムシャフト及び排気カムシャフトが回転すると、吸気カム及び排気カムがローラロッカアームを作動させ、吸気弁34及び排気弁35が所定のタイミングで上下移動することで、吸気ポート32及び排気ポート33を開閉し、吸気ポート32と燃焼室31、燃焼室31と排気ポート33とをそれぞれ連通することができる。
【0021】
吸気ポート32には、インテークマニホールド36を介して吸気管(吸気通路)37が連結されており、この吸気管37の空気取入口にエアクリーナ38が取付けられている。そして、このエアクリーナ38の下流側にスロットルバルブ39が設けられている。そして、シリンダヘッドには、各燃焼室31に燃料としての軽油を高圧で噴射可能なインジェクタ41がそれぞれ装着されている。各インジェクタ41は、デリバリパイプ42及び燃料供給管43を介して燃料ポンプ44に連結されており、この燃料ポンプ44はDE11によって駆動される。一方、排気ポート33には、エギゾーストマニホールド45を介して排気管(排気通路)46が連結されている。
【0022】
また、吸気管37及び排気管46には、電動アシストターボ過給機(MAT)47が設けられている。この電動アシストターボ過給機47は、吸気管37に設けられたコンプレッサ47aと排気管46に設けられたタービン47bとが駆動軸47cにより一体に連結されてなり、駆動モータ48により強制的に駆動することができる。そして、この電動アシストターボ過給機47におけるコンプレッサ47aの下流側の吸気管37には、このコンプレッサ47aにより過給されて温度が上昇した吸気を冷却するインタークーラ49が設けられている。
【0023】
排気管46には、排気ガス中に含まれる有害物質を浄化処理する排気浄化装置50が設けられており、この排気浄化装置50は、第1触媒51と第2触媒52とが直列に配設されて構成されている。第1触媒51は、吸蔵還元型NOX触媒であって、排気空燃比がリーンのときに排気ガス中のNOXを吸蔵し、排気ガス中の酸素濃度が低下したときに吸蔵したNOXを放出し、添加した還元剤としての燃料(本実施例では、軽油)により還元するものである。第2触媒52は、パティキュレートフィルタを有する吸蔵還元型NOX触媒であって、排気ガス中の微粒子(PM:パティキュレート)、特に、黒煙を捕集すると共に、排気空燃比がリーンのときに排気ガス中のNOXを吸蔵し、排気ガス中の酸素濃度が低下したときに吸蔵したNOXを放出し、添加した燃料により還元するものである。
【0024】
DE11には、排気ガスを吸気系に戻す高圧排気再循環(EGR)装置53が設けられている。EGR装置53は、エギゾーストマニホールド45とインテークマニホールド36の直前の吸気管37とを連結して排気ガスの一部を吸気系へ再循環させる排気ガス還流通路(EGR通路)54と、このEGR通路54に設けられた機関の運転状態に応じて切替動作させる排出ガス還流制御弁(EGR弁)55と、EGR通路54に設けられて排気ガスを冷却するEGRクーラ56とから構成されている。
【0025】
また、第1触媒51及び第2触媒52は、排気ガス中の酸素濃度が低下したときに吸蔵したNOXを放出し、この放出したNOXを燃料により還元するものであることから、排気ポート33に燃料(還元剤)を噴射する燃料添加弁57がシリンダヘッドに設けられている。そして、この燃料添加弁57は、燃料供給管58を介して燃料ポンプ44に連結されており、この燃料供給管58には開閉弁59が設けられている。
【0026】
また、ECU22は、DE11の各種機器を制御可能となっている。即ち、ECU22には、クランクポジションセンサ21が検出したクランク角度が入力されており、このECU22は、クランク角度に基づいて各気筒における吸気、圧縮、膨張(爆発)、排気の各行程を判別すると共に、エンジン回転数を算出している。また、ECU22には、アクセルポジションセンサ60が検出したアクセル開度が入力されており、このECU22は、アクセル開度及びエンジン回転数に基づいて燃料噴射量を決定している。そして、ECU22は、燃料ポンプ44を制御してデリバリパイプ42内の燃圧を所定値に維持し、インジェクタ41を駆動制御することで、所定の噴射時期に所定量の燃料を燃焼室31に噴射することができる。
【0027】
また、ECU22は、アクセル開度に基づいて電動アシストターボ過給機47を駆動制御し、DE11の出力調整を可能としている。更に、ECU22は、エンジン運転状態に応じてEGR装置53を駆動制御している。即ち、所定の運転状態で、各EGR弁55を開閉することで、排気ガスをEGR通路54を通して吸気系にEGRガスとして循環し、燃焼温度を下げてNOXの発生を抑制する。
【0028】
更に、ECU22は、所定時期に排気浄化装置50を構成する第1触媒51及び第2触媒52を再生するようにしている。即ち、第1触媒51の下流側には、排気ガスの温度を測定する第1温度センサ61が設けられると共に、第2触媒52の下流側には、排気ガスの温度を測定する第2温度センサ62が設けられている。また、排気浄化装置50に流入する排気ガスの圧力と排気浄化装置50から排出される排気ガスの圧力との差圧を検出する差圧センサ63が設けられている。
【0029】
従って、DE11がリーン空燃比で運転されているときに、第1触媒51及び第2触媒52は排気ガス中のNOXを吸蔵する。そして、この第1触媒51及び第2触媒52のNOX吸蔵量が所定値に達したとき、ECU22は燃料添加弁57を制御し、排気ポート33に所定量の燃料を還元剤として噴射する。すると、排気管46を通して第1触媒51及び第2触媒52に燃料が供給されると、酸化反応により排気ガス中の酸素濃度が低下することで各触媒51,52に吸蔵されたNOXが放出され、放出されたNOXと燃料が反応して還元し、排気ガスが浄化されることで、第1触媒51及び第2触媒52が再生される。
【0030】
この場合、第1触媒51及び第2触媒52は、吸蔵したNOXを放出し、このNOXを燃料によって還元できる活性温度領域が設定されており、各触媒51,52がこの活性温度領域にあるとき、ECU22は再生制御を実行する。即ち、ECU22は、第1温度センサ61が検出した排気ガス温度がこの活性温度領域にあるとき、燃料添加弁57により所定量の燃料を噴射し、第1触媒51及び第2触媒52の再生制御を実行する。一方、第1温度センサ61が検出した排気ガス温度がこの活性温度領域にないとき、ECU22は第1触媒51及び第2触媒52の昇温制御を実行する。この昇温制御は、例えば、燃料添加弁57により触媒昇温のために燃料を噴射し、各触媒51,52での酸化反応により排気ガス温度を上げて各触媒51,52を昇温する。なお、第1触媒51及び第2触媒52は、触媒機能が劣化する劣化温度が存在しており、ECU22は、第2温度センサ62が検出した排気ガス温度がこの劣化温度を超えないかどうかを監視している。また、第1触媒51及び第2触媒52に吸蔵されたNOX吸蔵量は、継続しているエンジン運転状態により推定する。
【0031】
一方、DE11がリーン空燃比で運転されているときに、第2触媒52は排気ガス中のPMを捕集する。そして、この第2触媒52のPM捕集量が所定値に達したとき、ECU22は燃料添加弁57を制御し、排気ポート33に所定量の燃料を噴射する。すると、排気管46を通して第1触媒51及び第2触媒52に燃料が供給されると、酸化反応により触媒温度が上昇することで、第2触媒52に捕集されているPMを燃焼して再生される。この場合、ECU22は、差圧センサ63が検出した排気ガスの圧力差が予め設定された所定値を超えたときに、第2触媒52に圧力損失が発生してPM捕集量が飽和状態とあると判定し、燃料添加弁57により所定量の燃料を噴射し、第2触媒52の再生制御を実行する。
【0032】
なお、燃料中にはイオウ(S)成分が含まれており、このS成分は酸素と反応して硫黄酸化物(SOX)となり、このSOXがNOXの代わりに第1触媒51及び第2触媒52に吸蔵される。そのため、第2触媒52が捕集したPMを燃焼して再生制御を実行するとき、ECU22は燃料添加弁57が噴射する燃料量を調整し、第1触媒51及び第2触媒52に吸蔵されたSOXを除去して再生する。
【0033】
従って、DE11の停止時に、電動アシストターボ過給機47を正転駆動した状態で、燃料添加弁57から所定量の燃料を噴射すると、噴射された燃料が排気系に流れ込んで排気浄化装置50に到達した時点で、電動アシストターボ過給機47の正転駆動及び逆転駆動を繰り返すことで、燃料が排気浄化装置50、つまり、第1触媒51及び第2触媒52内で往復移動することとなる。これにより、再生する第1触媒51及び第2触媒52内で燃料の拡散が十分に行われ、燃料が各触媒51,52に十分に接触し、吸蔵したNOXを効率良く還元することができ、各触媒51,52からの未浄化のNOX及び燃料の外部流出が抑制される。
【0034】
また、EGR通路54に、その内部に新気をEGR通路54の排気通路46側の開口部54aより下流側に排出する掃気通路12が設けられている。掃気通路12は、機関本体の過給時に、EGR通路54内に供給され、EGR弁55の閉鎖時にEGR通路54内に滞留する新気を、EGR通路54に送給される排気ガスにより掃気するようにしている。
ここで、運転状態に応じ、EGR通路54と掃気通路12との間を流れる排気ガスの流れを図2〜図4を用いて具体的に説明する。
【0035】
図2〜図4は、図1に内燃機関の排気還流装置の構成を簡略に示す図である。
図2は、過給時における内燃機関の排気還流装置の構成を簡略に示す図であり、図3は、EGR弁の閉鎖時の内燃機関の排気還流装置の構成を簡略に示す図であり、図4は、低負荷運転時における内燃機関の排気還流装置の構成を簡略に示す図である。
図2に示すように、過給時には、吸気通路37に設けられている過給機47から吐出される新気をエンジン11内の図示しない各気筒に充填すると共に、EGR弁55を開放し、新気の一部を吸気通路37からEGR通路54及び掃気通路12を逆流(図中、右方向)させて排気通路103へ供給するようにする。
【0036】
これは、排気通路46内のガス圧力P2は、吸気通路37内のガス圧力P1より低いため、過給時にEGR弁55を開放すると、吸気通路37内の新気がEGR通路54及び掃気通路12側に導入されるからである。具体的には、過給時に新気がEGR通路54の吸気通路37側の開口部54bから流入し、分岐点13で新気の一部が掃気通路12に流入する。そして、EGR通路54及び掃気通路12を介して排気ガスが各々開口部12a,54aから排気通路46に流出する。
【0037】
よって、新気をエンジン11内に送給すると共に、EGR弁55を開放し、新気の一部を吸気通路37からEGR通路54及び掃気通路12を逆流させて排気通路46へ供給することで、エンジン始動後、排気通路46内の排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置(図示せず)に設けられている浄化用触媒を早期に暖機するようにしている。
【0038】
また、図3に示すように、EGR弁55を閉鎖すると、開口部54aから排気ガスの一部であるEGRガスがEGR通路54内に流入し、EGR通路54内に滞留する新気を掃気通路12を介して開口部12aから排出し、掃気する。具体的には、EGR弁55を閉鎖すると、吸気通路37の開口部54bからの新気の流入は遮断される。
【0039】
また、EGR通路54の排気通路46側の開口部54a近傍のガス圧力P2-1は、排気通路46内の開口部12a近傍のガス圧力P2-2よりも高いため、EGRガスがEGR通路54の排気通路46側の開口部54aからEGR通路54内へ流入する。そして、流入されたEGRガスによりEGR通路54及び掃気通路12の両方に滞留する新気を掃気通路12の開口部12aから流出し、掃気する。
【0040】
また、図4に示すように、機関本体の低負荷運転時には、EGR弁55を開放し、EGR通路54及び掃気通路12にEGRガスを流入させ、EGR通路54の吸気通路37側の開口部54bから排出し、還流する。排気通路46内のガス圧力P2は、吸気通路37内のガス圧力P1より高いため、低負荷運転時にEGR弁55を開放すると、排気通路46内の排気ガスが吸気通路37側に導入される。具体的には、EGR弁55を開放すると、EGR通路54の排気通路46側の開口部54a及び掃気通路12の開口部12aからEGRガスが共に流入する。そして、掃気通路12がEGR通路54と連結する分岐点13で掃気通路12から流入したEGRガスがEGR通路54から流入したEGRガスと合流し、EGR通路54の吸気通路37側の開口部54bから吸気通路37内に流出する。この際、前述したようにEGR通路54及び掃気通路12内には新気が滞留していないため、EGR通路54及び掃気通路12に流入したEGRガスをEGR通路54の吸気通路37側の開口部54bから吸気通路37内に早期に流出し、還流することができる。
【0041】
このように、本実施例に係る内燃機関の排気還流装置では、EGR通路54に、その内部に機関本体に送給される新気をEGR通路54の排気通路46側の開口部54aより下流側に排出する掃気通路12が設けられているため、過給時にEGR通路54及び掃気通路12を通過し、EGR弁55を閉鎖してEGR通路54内に滞留した新気を掃気通路12の開口部12aから排出することができるため、機関本体の低負荷運転時に、EGR通路54及び掃気通路12に流入したEGRガスをEGR通路54の吸気通路37側に直ちに排出し、還流することができる。これにより、EGR通路54内に滞留する新気に起因するEGRの開始の遅れを低減し、早期にEGR効果を発揮することができる。
【実施例2】
【0042】
本発明による実施例2に係る内燃機関の排気還流装置をディーゼルエンジンシステムに適用した例について、図5を参照して説明する。
本実施例に係る内燃機関の排気還流装置は、実施例1に係る内燃機関の排気還流装置を適用したディーゼルエンジンシステムの構成と同様であるため、実施例1と共通の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
また、図1に示す実施例1の内燃機関の排気還流装置を適用したディーゼルエンジンシステムの構成を示す図は省略し、内燃機関の排気還流装置の構成を簡略に示す図を用いて説明する。
図5は、本発明の実施例に係る内燃機関の排気還流装置の構成を簡略に示す図である。
図5に示すように、本発明の実施例に係る内燃機関の排気還流装置は、EGR通路54及び掃気通路12の両方に通路内の排気ガスを冷却するクーラー14Aを一つ備えている。また、クーラー14Aは、EGR通路54と掃気通路12との分岐点13よりも排気管側に設けられている。
【0043】
EGR通路54の吸気通路37側の通路内面積が排気通路46側の通路内面積より大きいと、掃気が充分に行なわれない。そのため、EGR通路54と掃気通路12との分岐点13よりも排気管46側にクーラー14Aを設けることで、掃気される容積を大きくすることができる。この結果、EGR通路54内の掃気効率を維持しつつ、EGRガスを効率よく冷却することができる。
【実施例3】
【0044】
本発明による実施例3に係る内燃機関の排気還流装置をディーゼルエンジンシステムに適用した例について、図6を参照して説明する。
本実施例に係る内燃機関の排気還流装置は、実施例2での説明と同様に、実施例1に係る内燃機関の排気還流装置を適用したディーゼルエンジンシステムの構成と同様であるため、実施例1と共通の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
また、図1に示す実施例1の内燃機関の排気還流装置を適用したディーゼルエンジンシステムの構成を示す図は省略し、内燃機関の排気還流装置の構成を簡略に示す図を用いて説明する。
図6は、本発明の実施例に係る内燃機関の排気還流装置の構成を簡略に示す図である。
図6に示すように、本発明の実施例に係る内燃機関の排気還流装置は、掃気通路12の排気ガスを排出する開口部12aが、排気通路46内の排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置50の上流側に設けられている。
【0045】
EGR通路54の排気通路46側の開口部54a、EGR通路54の開口部12aの何れかを排気ガス浄化装置50の下流側に設けると、運転中に排気ガスが触媒を通過しないで排出されることになるため、暖機中(冷間中)に排出される排気ガスのガス浄化性が悪化してしまう。
【0046】
よって、EGR通路54の開口部54a及び掃気通路12の開口部12aを排気ガス浄化装置50の上流側に設けることで、エンジン11から排出される排気ガス、EGR通路54及びEGR通路54から排出されるEGRガスを排気ガス浄化装置50に通過させることができるため、排気ガスのガス浄化性能を維持することができる。
【実施例4】
【0047】
本発明による実施例4に係る内燃機関の排気還流装置をディーゼルエンジンシステムに適用した例について、図7を参照して説明する。
本実施例に係る内燃機関の排気還流装置は、実施例2、3での説明と同様に、実施例1に係る内燃機関の排気還流装置を適用したディーゼルエンジンシステムの構成と同様であるため、実施例1と共通の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
また、図1に示す実施例1の内燃機関の排気還流装置を適用したディーゼルエンジンシステムの構成を示す図は省略し、内燃機関の排気還流装置の構成を簡略に示す図を用いて説明する。
図7は、本発明の実施例に係る内燃機関の排気還流装置の構成を簡略に示す図である。
図7に示すように、本発明の実施例に係る内燃機関の排気還流装置は、EGR通路54の排気通路46側の開口部54aと掃気通路12の排気通路46側の開口部12aとの間に、タービン47bを設けるようにしている。
【0048】
EGR通路54の排気通路46側の開口部54a近傍のガス圧力P2-1と掃気通路の開口部近傍のガス圧力P2-2との差圧が小さいと、掃気性が悪くなる。このため、タービン47bを挟んでEGR通路54の排気通路46側の開口部54aと掃気通路12の排気通路46側の開口部12aとを設けるようにする。具体的には、EGR通路54の排気通路46側の開口部54aをタービン47bの上流側に設けると共に、掃気通路12の排気通路46側の開口部12aをタービン47bの下流側に設けるようにする。
【0049】
これにより、EGR通路54の排気通路46側の開口部54a近傍のガス圧力P2-1と掃気通路の開口部近傍のガス圧力P2-2との差圧を大きくすることができるため、EGRの流量を増加させることができる。この結果、EGR通路54の掃気性を向上させることができる。
【0050】
また、本実施例では、EGR通路54と掃気通路12との分岐点13よりも排気管側にクーラー14Bを設けるようにしている。EGR通路54と掃気通路12との分岐点13よりも排気管46側にクーラー14Bを設けることで、掃気される容積を大きくすることができる。この結果、EGR通路54内の掃気性能を維持しつつ、EGRガスを効率よく冷却することができる。
【0051】
よって、タービン47bを挟んでEGR通路54の排気通路46側の開口部54aをタービン47bの上流側に設けると共に、掃気通路12の排気通路46側の開口部12aをタービン47bの下流側に設けることで、EGRの流量を増加させることができる。この結果、EGR通路54の排気ガスのガス浄化性能を維持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のように、本発明に係る内燃機関の排気還流装置は、EGR通路内に滞留した新気を掃気することができるため、EGR通路に供給される排気ガスを吸気通路側に直ちに還流することができ、EGR通路内に滞留する新気に起因するEGRの開始の遅れを低減し、早期にEGR効果を発揮するのに有用であり、内燃機関に用いるのに適している。
- 【公開番号】特開2009−2286(P2009−2286A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【発明の名称】内燃機関の排気還流装置
【発明者】
【氏名】永楽 玲
【氏名】黒澤 雅徳
- 【出願番号】特願2007−165555(P2007−165555)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
- 【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
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