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分離型感知器
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- 【要約】
【課題】送光手段と受光手段との相互の同期を、制御線を用いることなく行うことができる、分離型感知器を提供することを目的とする。
【解決手段】分離型感知器1は、送光部10には、送光部10と受光部20との相互の同期を取るための同期光を無線にて送光する光源を設け、受光部20には、受光部20の筐体に設けた筐体カバーを閉じた際に自動的に押圧されることで同期の確立動作の開始指示を受け付ける同期指示スイッチと、同期が確立されているか否かを特定するための同期確立フラグを記憶する記憶部と、同期光を受光する受光素子と、受光素子によって受光された同期光に基づいて同期を確立するための処理を行う同期確立部とを設け、同期確立部は、筐体カバーが閉じられているために同期指示スイッチにより同期の確立動作の開始指示が受け付けられており、且つ、記憶部に同期確立フラグが記憶されていない場合に、同期を確立するための処理を行う。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視領域に対して検出光を送光する送光手段と、この送光手段にて送光された検出光を受光し、この受光した検出光の受光量に基づいて前記監視領域における所定の監視対象の有無を判定する受光手段とを、相互に分離して配置して構成された分離型感知器であって、
前記送光手段又は前記受光手段の一方には、当該送光手段と受光手段との相互の同期を取るための同期光を無線にて送光する同期光送光手段を設け、
前記送光手段又は前記受光手段の他方には、当該送光手段又は受光手段の筐体に設けた筐体カバーを閉じた際に自動的に押圧されることで前記同期の確立動作の開始指示を受け付ける指示手段と、前記同期が確立されているか否かを特定するための同期確立フラグを記憶する記憶手段と、前記同期光送光手段から送光された前記同期光を受光する同期光受光手段と、前記同期光受光手段によって受光された前記同期光に基づいて前記同期を確立するための処理を行う同期確立処理手段と、を設け、
前記同期確立処理手段は、前記筐体カバーが閉じられているために前記指示手段により前記同期の確立動作の開始指示が受け付けられており、且つ、前記記憶手段に前記同期確立フラグが記憶されていない場合に、前記同期を確立するための処理を行う、
分離型感知器。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視領域における火災や人体等の各種の監視対象を感知する分離型感知器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、火災等にて発生した煙を感知する煙感知器の一形態として、検出光の減光率に基づいて煙の感知を行う減光式煙感知器が知られている。このような減光式煙感知器の中でも、比較的広い監視領域をカバーできるものとして、光電式分離型煙感知器がある。
【0003】
図18は従来の光電式分離型煙感知器のシステム構成図である。この光電式分離型煙感知器100は、検出光を送光する送光部101A〜101Cと、この検出光を受光する受光部102A〜102Cとを、監視領域を挟んで、相互に分離して対向配置して構成されている。そして、送光部01A〜101Cから送光された検出光を、それぞれに対向して配置されている受光部102A〜102Cにて受光し、この受光部102A〜102Cにおいて検出光の光量の減光量や減光率を算定する。減光量が所定の基準値以上になった場合、受光部102A〜102Cは、煙の発生(火災が発生)したものと判定し、制御線103にて有線接続された受信機104に対して、火災発生の旨を示す発報信号を出力する。
【0004】
ここで、検出光の光量の減光量を適切に判定するためには、送光部101A〜101Cによる検出光の送光タイミングと、受光部102A〜102Cによる検出光の受光タイミングとを、相互に同期させる必要がある。このため、従来は、これら送光部101A〜101Cと受光部102A〜102Cとを相互に制御線105にて有線接続し、この制御線105を介して、送光部101A〜101Cから受光部102A〜102Cへ制御信号(同期信号)を出力していた。そして、受光部102A〜102Cにおいて、この同期信号にて特定される同期タイミングを基準とした所定の同期間隔で受光を行なうことで、送光部101A〜101Cと受光部102A〜102Cとの同期を確立していた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本国特開平8−227489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の分離型感知器の同期確立方法においては、同期用の制御線の敷設作業が必要になるため、感知器の取り付け作業の工程が増えると共に、制御線の敷設コストがかかっていた。この敷設コストは、送光部と受光部との相互間の距離が長い程、あるいは、送光部や受光部の設置数が多い程、増大していた。また、近年では、消防規格等によって制御線に高品質ケーブルの使用が義務付けられることがあり、この場合には制御線の敷設コストがさらに増加していた。
【0007】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、送光部と受光部との相互の同期を、制御線を用いることなく行うことができる、分離型感知器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の分離型感知器は、監視領域に対して検出光を送光する送光手段と、この送光手段にて送光された検出光を受光し、この受光した検出光の受光量に基づいて前記監視領域における所定の監視対象の有無を判定する受光手段とを、相互に分離して配置して構成された分離型感知器であって、前記送光手段又は前記受光手段の一方には、当該送光手段と受光手段との相互の同期を取るための同期光を無線にて送光する同期光送光手段を設け、前記送光手段又は前記受光手段の他方には、当該送光手段又は受光手段の筐体に設けた筐体カバーを閉じた際に自動的に押圧されることで前記同期の確立動作の開始指示を受け付ける指示手段と、前記同期が確立されているか否かを特定するための同期確立フラグを記憶する記憶手段と、前記同期光送光手段から送光された前記同期光を受光する同期光受光手段と、前記同期光受光手段によって受光された前記同期光に基づいて前記同期を確立するための処理を行う同期確立処理手段と、を設け、前記同期確立処理手段は、前記筐体カバーが閉じられているために前記指示手段により前記同期の確立動作の開始指示が受け付けられており、且つ、前記記憶手段に前記同期確立フラグが記憶されていない場合に、前記同期を確立するための処理を行う。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、送光手段と受光手段のいずれか一方から同期光を送光し、これをいずれか他方で受光して同期を確立できるので、送光手段と受光手段とを制御線にて接続して同期信号を送信する必要がなくなり、制御線の敷設を省略できるので、分離式感知器の敷設作業が容易になると共に、その敷設コストを低減できる。
- 【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施の形態1に係る感知器のシステム構成図である。
【図2】図2は、送光部及び受光部の主要な電気的構成を概念的に示すブロック図である。
【図3】図3は、送光部の立上げ処理のフローチャートである。
【図4】図4は、受光部の立上げ処理のフローチャートである。
【図5】図5は、受光部の同期確立処理のフローチャートである。
【図6】図6は、受光部の同期タイミング特定処理の基本概念を示すフローチャートである。
【図7】図7は、同期タイミング特定処理における送光部の送光動作と受光部の受光動作のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図8】図8は、受光部の受光時間調整処理の基本概念を示すフローチャートである。
【図9】図9は、受光時間調整処理における送光部の送光動作と受光部の受光動作のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図10】図10は、同期タイミング特定処理を詳細に示すフローチャートである。
【図11】図11は、同期タイミング特定処理における受光部の各部の動作タイミングを詳細に示すタイミングチャートである。
【図12】図12は、受光時間調整処理を詳細に示すフローチャートである。
【図13】図13は、受光時間調整処理における受光部の各部の動作タイミングを詳細に示すタイミングチャートである。
【図14】図14は、同期補正処理のフローチャートである。
【図15】図15は、同期補正処理における受光部の各部の動作タイミングを詳細に示すタイミングチャートである。
【図16】図16は、実施の形態2に係る感知器の送光部及び受光部の主要な電気的構成を概念的に示すブロック図である。
【図17】図17は、同期タイミング特定処理における送光部の送光動作と受光部の受光動作のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図18】図18は、従来の光電式分離型煙感知器のシステム構成図である。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
- 【公開番号】特開2010−123140(P2010−123140A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【発明の名称】分離型感知器
- 【出願番号】特願2010−23496(P2010−23496)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
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