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シャッター用遠隔操作装置
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- 【要約】
【課題】自動車の内部における検出対象ガスの濃度に基づいて、シャッターの開閉を遠隔制御することが可能なシャッター用遠隔操作装置を提供すること。
【解決手段】シャッター用遠隔操作装置1は、シャッター30の開閉を遠隔操作するために自動車の内部に設置されるシャッター用遠隔操作装置1であって、シャッター30の開閉を制御するための制御信号を送信する送信部10と、自動車の内部におけるCOを検出するCOセンサ11と、COセンサ11によって検出されたCOの濃度に基づいて、制御信号を送信部10によって送信させる制御部14とを備える。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッターの開閉を遠隔操作するために自動車の内部に設置されるシャッター用遠隔操作装置であって、
前記シャッターの開閉を制御するための制御信号を送信する送信手段と、
前記自動車の内部における検出対象ガスを検出するガス検出手段と、
前記ガス検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度に基づいて、前記制御信号を前記送信手段によって送信させる制御手段と、
を備えることを特徴とするシャッター用遠隔操作装置。
【請求項2】
前記自動車の内部における人体を検出する人体検出手段を備え、
前記制御手段は、前記人体検出手段によって人体が検出された場合にのみ、前記送信手段によって前記制御信号を送信させること、
を特徴とする請求項1に記載のシャッター用遠隔操作装置。
【請求項3】
前記自動車のエンジンをエンジン制御信号によって遠隔制御することが可能な場合において、
前記制御手段は、前記ガス検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度に基づいて、前記エンジン制御信号を前記送信手段によって送信させること、
を特徴とする請求項1又は2に記載のシャッター用遠隔操作装置。
【請求項4】
警報を出力する警報出力手段を備え、
前記制御手段は、
前記ガス検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度が、予め定めた第1の濃度以上であった場合に、前記警報出力手段によって警報を出力させ、
前記ガス検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度が、前記第1の濃度よりも大きい第2の濃度以上であった場合に、前記制御信号を前記送信手段によって送信させること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のシャッター用遠隔操作装置。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッターの開閉を遠隔操作するためのシャッター用遠隔操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ガレージ等のシャッターの開閉を遠隔操作可能なシャッター用遠隔操作装置が用いられている。このシャッター用遠隔操作装置を用いることにより、ガレージの内部や外部に停車させた自動車から降りることなく、当該自動車の内部からシャッターの開閉を操作することができる。さらに、第三者によってガレージのシャッターが故意に開閉されることを防止するためのシャッター開閉システムにて用いられるリモコンとして、当該リモコンを識別するための識別データとシャッターを開閉させるための開閉信号とをシャッター駆動装置に送信するリモコンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−42398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年は住宅の一階部分を車庫とするビルトインタイプのガレージが増加している。このビルトインタイプのガレージにおいては、ガレージ内部空間と外界とを連通させる開口部を設けることができないため、十分な換気を確保することができなかった。このため、ガレージ内部においてシャッターを閉じた状態で車の暖機運転等を行った場合、車の排気ガスがガレージ内部に充満し、さらに車内へと流入することにより、当該車内の乗員が当該排気ガスに含まれている一酸化炭素(以下、「CO」)を吸引しCO中毒を引き起こすおそれがあった。
【0005】
このCO中毒を自覚することは困難であり、自覚症状を覚える頃には身体の自由が利かない状態に陥るため、仮に上述のシャッター開閉用のリモコンが車内に設置されていたとしても、当該リモコンを操作してシャッターを開放し、ガレージ内部の換気を行う等の対処を行うことができないまま、重度の中毒に至ってしまう可能性があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、自動車の内部における検出対象ガスの濃度に基づいて、シャッターの開閉を遠隔制御することが可能なシャッター用遠隔操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載のシャッター用遠隔操作装置は、シャッターの開閉を遠隔操作するために自動車の内部に設置されるシャッター用遠隔操作装置であって、前記シャッターの開閉を制御するための制御信号を送信する送信手段と、前記自動車の内部における検出対象ガスを検出するガス検出手段と、前記ガス検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度に基づいて、前記制御信号を前記送信手段によって送信させる制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載のシャッター用遠隔操作装置は、請求項1に記載のシャッター用遠隔操作装置において、前記自動車の内部における人体を検出する人体検出手段を備え、前記制御手段は、前記人体検出手段によって人体が検出された場合にのみ、前記送信手段によって前記制御信号を送信させることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載のシャッター用遠隔操作装置は、請求項1又は2に記載のシャッター用遠隔操作装置において、前記自動車のエンジンをエンジン制御信号によって遠隔制御することが可能な場合において、前記制御手段は、前記ガス検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度に基づいて、前記エンジン制御信号を前記送信手段によって送信させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載のシャッター用遠隔操作装置は、請求項1から3のいずれか一項に記載のシャッター用遠隔操作装置において、警報を出力する警報出力手段を備え、前記制御手段は、前記ガス検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度が、予め定めた第1の濃度以上であった場合に、前記警報出力手段によって警報を出力させ、前記ガス検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度が、前記第1の濃度よりも大きい第2の濃度以上であった場合に、前記制御信号を前記送信手段によって送信させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の本発明によれば、シャッター用遠隔操作装置にガス検出手段を設けているので、ガス検出手段によって検出された検出対象ガスの濃度に応じて制御信号を送信部から送信させ、シャッターを開放させることができ、ガレージ内部の換気を行うことができる。
【0012】
また、請求項2に記載の本発明によれば、人体検出手段によって自動車の内部に人体の存在が検出された場合には、制御信号を送信部から送信させシャッターを開放させ、ガレージ内部の換気を行うことができる。一方、自動車の内部に人体の存在が検出されなかった場合には、制御信号を送信部から送信させず、シャッターを開放させないので、無人のガレージの内部や自動車に不審者がアクセスすることを防止できる。
【0013】
また、請求項3に記載の本発明によれば、ガス検出手段によって検出された検出対象ガスの濃度に応じてエンジン制御信号を送信部から送信させ、自動車のエンジンを停止させることができるので、排気ガスによる検出対象ガス濃度の上昇を抑制することができる。
【0014】
また、請求項4に記載の本発明によれば、検出対象ガスの濃度が第2の濃度未満の場合においては、警報出力のみを行い、制御信号の送信を行わないので、緊急に換気を行う必要性が低い場合にはシャッターを閉鎖状態に維持し、不審者のガレージ内部への侵入を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るシャッター用遠隔操作装置の各実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念を説明した後、〔II〕各実施の形態の具体的内容について順次説明し、最後に、〔III〕各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念
まず、各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係るシャッター用遠隔操作装置は、シャッターの開閉を遠隔操作することを目的とするものである。
【0017】
各実施の形態に係るシャッター用遠隔操作装置の適用対象は任意であり、例えば、住宅、ビルやマンションの一階部分を車庫とするビルトインタイプのガレージ、店舗、倉庫、航空機の格納庫等に設置されているシャッターの開閉を操作するために用いることができる。
【0018】
各実施の形態に係るシャッター用遠隔操作装置の特徴の一つは、概略的に、自動車の内部における検出対象ガスを検出するガス検出手段を備え、当該ガス検出手段によって検出された検出対象ガスの濃度に基づいて、シャッターの開閉を制御するための制御信号を送信する点にある。このシャッター用遠隔操作装置を自動車の内部に設置することにより、排気ガスの自動車内部への侵入等に伴った検出対象ガスの濃度上昇が検出された場合、当該シャッター用遠隔操作装置からの制御信号によってシャッターを開放させ、ガレージ内部の換気を確実に行わせることができる。
【0019】
〔II〕各実施の形態の具体的内容
次に、本発明に係る各実施の形態の具体的内容について説明する。なお、上述の如く各実施の形態に係るシャッター用遠隔操作装置の設置対象は任意であるが、以下ではガレージに設置されているシャッター開閉システムを制御するために当該シャッター用遠隔操作装置が用いられる場合を例に挙げて説明を行う。
【0020】
〔実施の形態1〕
まず実施の形態1について説明する。この形態は、ガス検出手段を備えた基本的な形態である。
【0021】
(構成)
まず、本実施の形態1における、シャッター用遠隔操作装置、及び、当該シャッター用遠隔操作装置を介した操作入力を受け付けるシャッター開閉システムの構成について説明する。図1は、シャッター用遠隔操作装置が用いられるガレージ及びシャッター開閉システムの概要を示す斜視図(一部を破断して示す)である。図1に示すように、シャッター用遠隔操作装置1を用いることにより、ガレージ2に設置されているシャッター開閉システム3に対して、自動車4の内部から遠隔操作が行われる。ガレージ2は、開閉自在に設置されたシャッター30を有する前面部2a、壁面部2b、及び屋根部2cを備え、これらに囲繞されたガレージ内部空間に自動車4を収容する。
【0022】
(構成−シャッター用遠隔操作装置)
次に、シャッター用遠隔操作装置1の構成を説明する。図2は、図1に示したシャッター用遠隔操作装置1およびシャッター開閉システム3の電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。図2に示すように、シャッター用遠隔操作装置1は、送信部10、COセンサ11、操作部12、警報出力部13、及び、制御部14を備えている。
【0023】
(構成−シャッター用遠隔操作装置−送信部)
送信部10は、シャッターの開閉を制御するための制御信号を送信するためのものであり、特許請求の範囲における送信手段に対応している。送信部10は、制御部14からの制御信号の送信指示に従い、シャッター開閉システム3に対して制御信号を送信する。
【0024】
(構成−シャッター用遠隔操作装置−COセンサ)
COセンサ11は、自動車4の内部に滞留しているCOを検出するためのものであり、特許請求の範囲におけるガス検出手段に対応している。なお、COセンサ11によるCO検出の具体的な原理は公知であるため、その説明は省略する。
【0025】
(構成−シャッター用遠隔操作装置−操作部)
操作部12は、シャッター用遠隔操作装置1に対する操作を受け付ける部分である。操作部12を介して入力操作が行われると、入力に応じた制御信号の送信指示が制御部14から送信部10に出力される。操作部12に対する操作項目の具体的な内容は任意であり、例えば、シャッターの開閉や、COセンサ11の動作状態、警報の出力状態の切替等に関する操作項目を含めることができる。
【0026】
(構成−シャッター用遠隔操作装置−警報出力部)
警報出力部13は、ガス検出に関する警報を出力するためのものであり、制御部14によって制御される。なお、警報出力部13によって出力される警報の具体的な態様は任意であり、例えば、音声や画面表示によって出力させてもよい。さらに、ガレージ2の内部や当該ガレージ2に隣接している家屋に設置された受信機等に移報させ、警報を出力させてもよい。
【0027】
(構成−シャッター用遠隔操作装置−制御部)
制御部14は、COセンサ11から入力された情報に基づいて、送信部10を介して制御信号を送信させるものであり、特許請求の範囲における制御手段に対応している。制御部14は、機能概念的には、通信処理部14a、検出処理部14b、及び、警報処理部14cを備えている。通信処理部14aは、検出処理部14bからの指示に基づいて、送信部10に対する制御信号の送信指示を行う。検出処理部14bは、COセンサ11から入力された信号出力に基づき、自動車4の内部のCO濃度算出を行い、算出結果に基づいて処理を行うためのものである。警報処理部14cは、検出処理部14bからの指示に基づいて、警報出力部13の制御を行う。なお、制御部14の具体的構成は任意であるが、例えば、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定した組み込みプログラム、所要データを格納するための内部メモリ、及び、これらのプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)を備えて構成される(後述する制御部34、および制御部42において同じ)。
【0028】
(構成−シャッター開閉システム)
次に、シャッター開閉システム3の構成を説明する。図1に示すように、シャッター開閉システム3はガレージ2に設置されている。このシャッター開閉システム3は、図2に示すように、シャッター30、受信部31、操作部32、換気扇33、及び、制御部34を備えている。
【0029】
(構成−シャッター開閉システム−シャッター)
シャッター30は、ガレージ2の内部を外部から遮蔽するためのものである。シャッター30は、スラット30a、ガイドレール30d(図2に図示せず)、巻取りシャフト30e(図2に図示せず)、及び開閉機30b(図1に図示せず)を備えている。スラット30aは、ガレージ2の内部を遮蔽する遮蔽面となる部分である。開閉機30bは、スラット30aの巻上げ及び引出しを行うものであり、制御部34によって制御される。この開閉機30bに隣接してエンコーダ30cが設けられている。エンコーダ30cは、開閉機30bによるスラット30aの巻上げ量を検出する検出手段である。
【0030】
(構成−シャッター開閉システム−受信部)
受信部31は、シャッター用遠隔操作装置1の送信部10から送信された制御信号を受信し、当該受信した制御信号を制御部34に入力するためのものである。
【0031】
(構成−シャッター開閉システム−操作部)
操作部32は、シャッター開閉システム3に対する操作を受け付ける部分である。操作部32を介して入力操作が行われると、入力に応じた信号が操作部32から制御部34に出力され、この信号に基づいて制御部34によってシャッター30が制御される。
【0032】
(構成−シャッター開閉システム−換気扇)
換気扇33は、ガレージ2の内部を換気するためのものであり、例えば、図1に示したように、ガレージ2の壁面上部に設置されている。
【0033】
(構成−シャッター開閉システム−制御部)
制御部34は、受信部31から入力された制御信号に基づいてシャッター30を制御するものである。制御部34は、機能概念的には、通信処理部34a、シャッター制御部34b、及び、換気扇制御部34cを備えている。通信処理部34aは、受信部31を介して制御信号の入力を受け付けるためのものである。シャッター制御部34bは、通信処理部34aからの指示に基づいて、シャッター30の制御を行う。換気扇制御部34cは、通信処理部34aからの指示に基づいて、換気扇33の制御を行う。
【0034】
(シャッター用遠隔操作装置によるシャッター開閉システムの制御)
次に、シャッター用遠隔操作装置1によるシャッター開閉システム3の制御について説明する。図3はシャッター用遠隔操作装置1の制御部14が実行する開閉制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0035】
まず、操作部12を介した入力操作によって、自動車4の内部のCO濃度監視を開始させる旨の指示が制御部14に対して入力されると、制御部14は、COセンサ11から入力された信号に基づき、検出処理部14bを介して自動車4の内部のCO濃度を監視する(ステップSA−1)。
【0036】
監視の結果、CO濃度が第1の濃度未満と判定された場合(ステップSA−2、No)、制御部14は上述の監視状態を継続する(ステップSA−1)。一方、CO濃度が第1の濃度以上であった場合(ステップSA−2、Yes)、制御部14は、警報処理部14cを介して警報出力部13に警報を出力させる(ステップSA−3)。さらに、CO濃度が第1の濃度よりも高い第2の濃度未満であった場合(ステップSA−4、No)、制御部14はステップSA−2に戻り、再度CO濃度の判定を行う。一方、第2の濃度以上であった場合(ステップSA−4、Yes)、制御部14は、通信処理部14aを介して、シャッター30を開放させる旨の制御信号を送信部10から送信させる(ステップSA−5)。
【0037】
なお、第1の濃度は、緊急性は低いものの、長時間吸気すると人体に害を及ぼす可能性が生じるレベルの濃度として設定され、第2の濃度は、人体に害を及ぼす可能性が高く、早急に換気が必要なレベルの濃度として設定されている。
【0038】
上述のステップSA−5において送信部10から出力された制御信号を受信部31を介して受信したシャッター開閉システム3の制御部34は、当該受信した制御信号の内容に応じて、シャッター制御部34bを介して開閉機30bを動作させ、シャッター30を開放させる。あるいは、換気扇制御部34cを介して換気扇33を動作させる。
【0039】
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、シャッター用遠隔操作装置1にCOセンサ11を設けているので、COセンサ11によって検出されたCOの濃度に応じて制御信号を送信部10から送信させ、シャッター30を開放させることができ、ガレージ2内部の換気を行うことができる。
【0040】
また、COの濃度が第2の濃度未満の場合においては、警報出力のみを行い、制御信号の送信を行わないので、緊急に換気を行う必要性が低い場合にはシャッター30を閉鎖状態に維持し、不審者のガレージ2内部への侵入を防止することができる。
【0041】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、人体検出手段を備えた形態である。
【0042】
なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0043】
(構成−シャッター用遠隔操作装置−人体センサ)
まず、本実施の形態2に係るシャッター用遠隔操作装置1の構成について説明する。図4は、シャッター用遠隔操作装置1およびシャッター開閉システム3の電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。図4に示すように、本実施の形態2に係るシャッター用遠隔操作装置1は、人体センサ15を備えている。人体センサ15は、自動車4の内部における人体を検出するためのものであり、特許請求の範囲における人体検出手段に対応している。人体検出手段の具体的な構成は任意であり、例えば、自動車4の内部での物体の動きを検出して信号を出力する動体センサを用いることができる。また、人体センサ15における人体の検出方法は任意であり、赤外線、超音波、マイクロ波振動等を利用して人体の検出を行わせることができる。あるいは、自動車4のシートに人が座ったことを検出する圧力センサを用いることもできる。なお、人体センサ15による人体の検出方法の詳細については公知の技術であるので説明を省略する。
【0044】
(構成−シャッター用遠隔操作装置−検出処理部)
検出処理部14bは、上述したCOセンサ11から入力された信号出力に基づく処理のほか、人体センサ15から入力された信号出力に基づき、自動車4の内部における人体検出の有無を判定し、当該判定に基づいて処理を行う。
【0045】
(シャッター用遠隔操作装置によるシャッター開閉システムの制御)
次に、シャッター用遠隔操作装置1によるシャッター開閉システム3の制御について説明する。図5は、シャッター用遠隔操作装置1の制御部14が実行する開閉制御処理の流れを示すフローチャートである。この図5に示した各処理のうち、ステップSB−1からステップSB−4については、上述の実施の形態1にて説明したステップSA−1からステップSA−4と同様であるので、説明を省略する。
【0046】
ステップSB−4において、CO濃度が第2の濃度以上であった場合(ステップSB−4、Yes)、制御部14は、人体センサ15から入力された信号に基づき、検出処理部14bを介して自動車4の内部における人体検出の有無を判定する(ステップSB−5)。その結果、人体の存在が検出されなかった場合(ステップSB−5、No)、制御部14はステップSB−2に戻り、再度CO濃度の判定を行う。一方、人体の存在が検出された場合(ステップSB−5、Yes)、制御部14は、通信処理部14aを介して、シャッター30を開放させる旨の制御信号を送信部10から送信させる(ステップSB−6)。
【0047】
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、人体センサ15によって自動車4の内部に人体の存在が検出された場合には、CO中毒の発生を防止するために、制御信号を送信部10から送信させシャッター30を開放させることができる。一方、自動車4の内部に人体の存在が検出されなかった場合には、制御信号を送信部10から送信させず、シャッター30を開放させないので、無人のガレージ2の内部や自動車4に不審者がアクセスすることを防止できる。
【0048】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この形態は、エンジン制御信号を送信手段によって送信させる形態である。
【0049】
なお、実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0050】
(構成−自動車)
まず、本実施の形態3に係るシャッター用遠隔操作装置1からの制御を受け付ける自動車4の構成について説明する。図6は、シャッター用遠隔操作装置1、シャッター開閉システム3、及び自動車4の電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。図6に示すように、自動車4は、エンジン40、受信部41、及び、制御部42を備えている。エンジン40は、自動車4の動力源となるものであり、制御部42によって制御される。受信部41は、シャッター用遠隔操作装置1から送信されたエンジン制御信号を受信し、当該受信したエンジン制御信号を制御部42に入力するためのものである。制御部42は、受信部41から入力された制御信号に基づいてエンジン40を制御するものであり、機能概念的には、通信処理部42a、及びエンジン制御部42bを備えている。通信処理部42aは、受信部41を介してエンジン制御信号の入力を受け付けるためのものである。エンジン制御部42bは、通信処理部42aからの指示に基づいて、エンジン40の制御を行う。
【0051】
(構成−シャッター用遠隔操作装置−送信部)
次に、本実施の形態3に係るシャッター用遠隔操作装置1の構成について説明する。本実施の形態3に係る送信部10は、上述の制御信号の他、自動車4のエンジン40を制御するためのエンジン制御信号を、通信処理部14aからの送信指示に従って送信する。
【0052】
(シャッター用遠隔操作装置によるシャッター開閉システム及びエンジンの制御)
次に、シャッター用遠隔操作装置1によるシャッター開閉システム3及びエンジン40の制御について説明する。図7は、シャッター用遠隔操作装置1の制御部14が実行する制御処理の流れを示すフローチャートである。この図7に示した各処理のうち、ステップSC−1からステップSC−3については上述の実施の形態1にて説明したステップSA−1からステップSA−3と同様であり、ステップSC−5からステップSC−6についてはステップSA−4からステップSA−5と同様であるので、説明を省略する。
【0053】
ステップSC−3において、警報出力部13に警報を出力させた後、制御部14は、通信処理部14aを介して、エンジン40を停止させる旨のエンジン制御信号を送信部10から送信させる(ステップSC−4)。送信部10から送信されたエンジン制御信号を受信部41を介して受信した自動車4の通信処理部42aは、エンジン制御部42bを介してエンジン40を停止させる。
【0054】
(実施の形態3の効果)
このように実施の形態3によれば、COセンサ11によって検出されたCOの濃度に応じてエンジン制御信号を送信部10から送信させ、自動車4のエンジン40を停止させることができるので、排気ガスによるCO濃度の上昇を抑制することができる。
【0055】
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0056】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0057】
(各実施の形態の相互の関係について)
上記説明した各実施の形態は、任意の組み合わせで相互に組み合わせることができる。例えば、実施の形態2と実施の形態3とにおけるシャッター用遠隔操作装置1を組み合わせて、自動車4の内部に人体の存在が検出されている場合においては、COの濃度が第1の濃度以上となった時点で、エンジン制御信号を送信してエンジン40を停止させ、COの濃度が第2の濃度以上となった時点で、制御信号を送信してシャッター30を開放させるようにすることができる。これにより、排気ガスによるCO濃度の上昇を抑制しつつ、シャッター30の開放によりガレージ2内の換気を確実に行うことができる。
【0058】
(シャッター用遠隔操作装置の設置場所について)
上述の各実施の形態では、シャッター用遠隔操作装置1を自動車4の内部に設置している場合を例に挙げて説明しているが、他の場所に設置してもよい。例えば、ガレージ2の内部における壁面に着脱自在に設置してもよい。これにより、ガレージ2の内部の壁面に設置されている場合においては、シャッター用遠隔操作装置1は、シャッター開閉システム3の操作部32、及び、ガレージ2の内部のCOを検出するCOセンサ11としての機能を発揮することができる。
【0059】
(ガス検出手段について)
上述の各実施の形態においては、ガス検出手段としてCOセンサを用いた場合を説明したが、COセンサに限らず、ニオイセンサ、NOxセンサ、O2センサ、CO2センサ、H2センサ等を用いて空気清浄度を検出させ、検出値に応じてシャッター30を制御してもよい。
【0060】
(制御信号の送信のタイミングについて)
上述の各実施の形態では、COの濃度が第2の濃度以上となった場合に制御信号を送信し、シャッター30を開放させると説明したが、COの濃度が第1の濃度以上となった時点で、警報出力部13によって警報出力をさせると共に、送信部10によって制御信号を送信させるように構成してもよい。これにより、COの濃度が低く、人体への危険性が低い段階で早期にガレージ2内の換気を行うことができるので、安全性を高めることができる。
【0061】
(シャッターの開閉制御について)
上述の各実施の形態では、一定の条件においてシャッター30を開放させる旨の制御信号を送信部10から送信させているが、シャッター30を部分的に開放させるようにしてもよい。例えば、シャッター30の開放幅が、人体が通過可能な最小幅よりも狭い幅となるように、シャッター30を開放させるようにしてもよい。これにより、ガレージ2の内部への不審者の侵入を困難にすると共に、十分な換気性を確保することができる。
【0062】
また、シャッター30を開放させガレージ2内部の換気を行った後、COセンサ11の出力値に応じてシャッター30の開閉を制御してもよい。例えば、COの濃度が所定の濃度以下となった場合、シャッター30を閉鎖させてもよい。
【0063】
(シャッターについて)
上述の各実施の形態においては、シャッター30がスラットを吊り上げる形態のシャッターである場合を例示して説明したが、観音開きタイプや、スラットを巻き取らずにそのまま天井内にスライドして格納するタイプのシャッターを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
この発明に係るシャッター用遠隔操作装置は、シャッターの開閉を遠隔操作するためのシャッター用遠隔操作装置に適用でき、自動車の内部における検出対象ガスの濃度に基づいて、シャッターの開閉を遠隔制御することが可能なシャッター用遠隔操作装置に有用である。
- 【公開番号】特開2010−19030(P2010−19030A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【発明の名称】シャッター用遠隔操作装置
- 【出願番号】特願2008−181866(P2008−181866)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
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