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防災装置設置構造
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- 【要約】
【課題】架台に対する設置作業及び撤去作業を安全に効率良くできるようにする。
【解決手段】第1筐体12−1はホース収納空間36及びバルブ類収納空間38を有し、第2筐体12−2は消火器収納空間39を有する。消火栓装置は、架台上に前方から見て右から左に第1筐体12−1と第2筐体12−2を並べて載置し、第1筐体12−1及び第2筐体12−2の底部右隅側の2箇所に前後に並べて固定用長穴92,96を設け、固定用長穴92,96に相対して架台の4箇所にネジ穴を設ける。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル壁面などの設置場所に配置された架台上に、複数に分割された装置ユニットを載置して固定する防災装置設置構造に於いて、
前記各装置ユニットの側面同士を連結する連結部材と、
前記各装置ユニットの底部2箇所に設けられた固定用長穴と、
前記各装置ユニットの2箇所の固定用長穴に相対して前記架台に設けられた複数の取付穴と、
前記各装置ユニットの固定用長穴と前記架台の取付穴により前記架台に複数の装置ユニットを固定する複数のボルト部材と、
を備えたことを特徴とする防災装置設置構造。
【請求項2】
請求項1記載の防災装置設置構造に於いて、前記架台上に左右に並べて各装置ユニットを載置し、前記各装置ユニットの底部右隅側の2箇所に前後に並べて前記固定用長穴を設け、前記各装置ユニットの固定用長穴に相対して前記架台上に取付穴を設けたことを特徴とする防災装置設置構造。
【請求項3】
請求項1記載の防災装置設置構造に於いて、前記架台上に左右に並べて各装置ユニットを載置し、前記各装置ユニットにおける底部右隅側と底部左隅側の対角位置となる2箇所に前記固定用長穴を設け、前記各装置ユニットの固定用長穴に相対して前記架台上に取付穴を設けたことを特徴とする防災装置設置構造。
【請求項4】
請求項1記載の防災装置設置構造に於いて、前記架台上に左右に並べて各装置ユニットを載置し、前記各装置ユニットにおける底部中央の2箇所に前後に並べて前記固定用長穴を設け、前記各装置ユニットの固定用長穴に相対して前記架台上に取付穴を設けたことを特徴とする防災装置設置構造。
【請求項5】
請求項1記載の防災装置設置構造に於いて、防災装置はノズル付きホースを引き出して放水する消火栓装置であり、
前記消火栓装置は、
ホース収納空間及びバルブ類収納空間に対応した化粧板の扉開口部に消火栓扉を開閉自在に設けた第1筐体と、
消火器収納空間に対応した化粧板の扉開口部に消火器扉を開閉自在に設けると共に前記第1筐体の側面に連結固定される第2筐体と、
前記第1筐体の底部2箇所に設けられた固定用長穴と、
前記第2筐体の底部2箇所に設けられた固定用長穴と、
前記第1筐体と第2筐体の2箇所の固定用長穴に相対して前記架台に設けられた複数の取付穴と、
前記第1筐体と第2筐体の固定用長穴と前記架台の取付穴により前記第1筐体と第2筐体を固定する複数のボルト部材と、
を備えたことを特徴とする防災装置設置構造。
【請求項6】
請求項5記載の防災装置設置構造に於いて、前記消火栓装置は、前記架台上に前方から見て右から左に第1筐体と第2筐体を並べて載置し、前記第1筐体及び第2筐体の底部右隅側の2箇所に前後に並べて前記固定用長穴を設け、前記第1筐体と第2筐体の固定用長穴に相対して前記架台上に取付穴を設けたことを特徴とする防災装置設置構造。
【請求項7】
請求項5記載の防災装置設置構造に於いて、前記消火栓装置は、前記架台上に前方から見て右から左に第1筐体と第2筐体を並べて載置し、前記第1筐体及び第2筐体の底部右隅側と底部左隅側の対角位置となる2箇所に前記固定用長穴を設け、前記第1筐体と第2筐体の固定用長穴に相対して前記架台上に取付穴を設けたことを特徴とする防災装置設置構造。
【請求項8】
請求項5記載の防災装置設置構造に於いて、前記消火栓装置は、前記架台上に前方から見て右から左に第1筐体と第2筐体を並べて載置し、前記第1筐体及び第2筐体の底部中央の2箇所に前後に並べて前記固定用長穴を設け、前記第1筐体と第2筐体の固定用長穴に相対して前記架台上に取付穴を設けたことを特徴とする防災装置設置構造。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放水ノズル付きホースを引き出して放水する消火栓装置などの防災装置をトンネルなどの設置場所に配置した架台に載置して固定する防災装置設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車専用道路などのトンネル内には、火災発生時に備えて消火栓装置が設置されている。
【0003】
図11は従来の消火栓装置200の消火栓扉を外した状態の正面図であり、図12は消火栓装置200の消火栓扉204を開いた状態の内部構造の平面図であり、図13はその側面図である。消火栓装置200の筐体202の前面には消火栓扉204と消火器扉206が設けられている。
【0004】
消火栓扉204にはハンドルが設けられ、ハンドルを手前に引くことでロックを解除し、消火栓扉204の下側を回転軸に前方に開放することができる。また消火栓扉204と筐体202との間には緩衝用ダンパ208が設けられ、消火栓扉204を滑らかに開放できるようにしている。
【0005】
筐体202のホース収納部にはU字型に形成したフレームパイプ220が開口側に配置されている。フレームパイプ220の両側にはホースバケット216が取り付けられ、内部にホース収納空間を形成し、先端にノズル210を装着したホース212を筐体内のホースバケット216に内巻きして収納している。
【0006】
ホース212はホースバケット216の側面板に開口した孔を通してホースバケット216内に収納される。その孔には、ホース212を引き出したときに、ホース212が擦れてホース表面が傷付くことを防ぐために、ホース212は保護管212aの中を通ってホースバケット216内に入る。
【0007】
このような消火栓装置200は火災を伴う車両事故の発生時に、消火栓扉204を開いてノズル210付きのホース212を引き出し、扉内に設けている消火栓弁開閉レバー214を操作することで消火ポンプ設備を起動して放水を行うことができる。
【特許文献1】特開2005−318972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このようなトンネル消火栓装置にあっては、筐体202にバルブ類、ノズル付きホース、消火器などの全ての機器を組込み配置し、更に、開閉自在な消火栓扉や消火器扉を設けていたため、装置全体として横幅が約1.8メートル、高さが約1メートル、奥行きが数十センチメートル、重量も約200〜300キログラムといった大型のユニットとなり、組立を行った工場内での移動は勿論のこと、トンネル工事現場に搬送して設置する際にも、重量物として扱わなければならないことから大変であり、組立及び設置に手間と時間がかかるという問題がある。
【0009】
また消火栓装置をトンネル内に設置して長期間使用している間に、筐体、消火栓扉、消火器扉、筐体内蔵したバルブ類などが腐食などにより損傷した場合、消火栓装置全体を架台から外して撤去し、新しい消火栓装置に交換する必要がある。しかし、トンネルに消火栓装置を設置する際に、筐体底部の右側、中央、底部などの例えば6箇所もしくは8箇所でアンカーボルトにより架台に固定しているため、アンカーボルトを外して架台から筐体を撤去する作業が大変であり、手間と時間がかかる問題がある。
【0010】
更に、消火栓装置の一部が損傷していたとしても、消火栓装置全体を取り外して交換しているため資源の浪費といった問題もある。
【0011】
本発明は、架台に対する設置作業及び撤去作業を安全に効率良くできるようにする消火栓装置などの防災装置設置構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、トンネル壁面などの設置場所に配置された架台上に、複数に分割された装置ユニットを載置して固定する防災装置設置構造に於いて、
前記各装置ユニットの側面同士を連結する連結部材と、
各装置ユニットの底部2箇所に設けられた固定用長穴と、
各装置ユニットの2箇所の固定用長穴に相対して前記架台に設けられた複数の取付穴と、
各装置ユニットの固定用長穴と架台の取付穴により複数の装置ユニットを架台に固定する複数のボルト部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
より具体的には、架台上に左右に並べて各装置ユニットを載置し、各装置ユニットの底部右隅側の2箇所に前後に並べて固定用長穴を設け、各装置ユニットの固定用長穴に相対して前記架台上に取付穴を設ける。
【0014】
また、架台上に左右に並べて各装置ユニットを載置し、各装置ユニットにおける底部右隅側と底部左隅側の対角位置となる2箇所に固定用長穴を設け、各装置ユニットの固定用長穴に相対して架台上に取付穴を設ける。
【0015】
また、架台上に左右に並べて各装置ユニットを載置し、各装置ユニットにおける底部中央の2箇所に前後に並べて固定用長穴を設け、各装置ユニットの固定用長穴に相対して架台上に取付穴を設ける。
【0016】
防災装置は例えばノズル付きホースを引き出して放水する消火栓装置であり、
消火栓装置は、
ホース収納空間及びバルブ類収納空間に対応した化粧板の扉開口部に消火栓扉を開閉自在に設けた第1筐体と、
消火器収納空間に対応した化粧板の扉開口部に消火器扉を開閉自在に設けると共に第1筐体の側面に連結固定される第2筐体と、
第1筐体の底部2箇所に設けられた固定用長穴と、
第2筐体の底部2箇所に設けられた固定用長穴と、
第1筐体と第2筐体の2箇所の固定用長穴に相対して架台に設けられた複数の取付穴と、
第1筐体と第2筐体の固定用長穴と架台の取付穴により架台に第1筐体と第2筐体を固定する複数のボルト部材と、
を備える。
【0017】
具体的には、消火栓装置は、架台上に前方から見て右から左に第1筐体と第2筐体を並べて載置し、第1筐体及び第2筐体の底部右隅側の2箇所に前後に並べて固定用長穴を設け、第1筐体と第2筐体の固定用長穴に相対して架台上に取付穴を設ける。
【0018】
また、消火栓装置は、架台上に前方から見て右から左に第1筐体と第2筐体を並べて載置し、第1筐体及び第2筐体の底部右隅側と底部左隅側の対角位置となる2箇所に固定用長穴を設け、第1筐体と第2筐体の固定用長穴に相対して架台上に取付穴を設けても良い。
【0019】
更に、消火栓装置は、架台上に前方から見て右から左に第1筐体と第2筐体を並べて載置し、第1筐体及び第2筐体の底部中央の2箇所に前後に並べて固定用長穴を設け、第1筐体と第2筐体の固定用長穴に相対して架台上に取付穴を設けても良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、例えば消火栓装置を例にとると、装置筐体を第1筐体と第2筐体に分割した場合、通常であれば2分割による固定箇所は各筐体で4箇所、全体では8箇所となるが、本発明の防災装置設置構造では、各筐体側面を連結し、さらに各筐体につき2箇所に固定用長穴を設け、合計4箇所で架台にボルト固定しているため、第1筐体と第2筐体に分割した消火栓装置のトンネル設置場所の架台に対する取付け作業と、装置を交換する際の架台に対する取外し作業が簡単且つ容易にできる。また筐体毎の位置合わせも容易に行うことができる。
【0021】
特に、トンネル内に設置して長期間使用している間に腐食などにより損傷した場合、損傷した部分に対応した第1筐体または第2筐体のいずれか一方を撤去して交換すればよく、この場合、第1筐体又は第2筐体の取外しは2箇所のボルトを外すだけで、簡単に架台から撤去でき、交換した新品の筐体についても同じく2箇所のボルト締めで簡単に架台に固定することができる。
【0022】
また第1筐体と第2筐体の架台に対する固定は各々2箇所となっているが、第1筐体と第2筐体は左右の連結部分でボルトなどにより固定されて架台上に載置されているため、実質的には一体化された筐体を4箇所が架台に固定していることに相当し、架台に対し装置全体として充分な固定強度を確保することができる。
【0023】
更に、消火栓装置の一部が損傷していたとしても、第1筐体と第2筐体に分けて損傷部分を交換することができ、消火栓装置全体を取り外して交換する場合に比べ、資源の浪費を大幅に節減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1はトンネルに設置される消火栓装置を例にとって本発明の実施形態を示した正面図である。図1において、消火栓装置10は、消火栓側の筐体12−1と消火器側の筐体12−2からなる装置ユニットに分割した構造であり、全面に化粧板14−1,14−2を装着しており、筐体12−1,12−2に対し必要な機器及び部材を組付けた後に連結固定部15で固定した状態とし、この状態でトンネル現場に搬入して架台11上に設置している。
【0025】
化粧板14−1,14−2には扉開口部16,17が設けられている。第1筐体12−1の扉開口部16には、消火栓扉18と保守扉22が設けられており、その内部がホース収納空間及びバルブ類収納空間となっている。消火栓扉18は下側のヒンジ21を中心に前方に開閉することができ、通常時は一対のハンドル20によるロックで図示の閉鎖位置に閉じており、ハンドル20に手を入れて手前に引くとロックが外れ、開くことができる。
【0026】
消火栓扉18の上には、ヒンジ23により上向に開閉する保守扉22が設けられており、点検時に消火栓扉18を開いて内側のロックを外すことで開くことができる。また、第1筐体12−1の上部両側には装置を吊り下げるための吊り輪25が取り付けられている。
【0027】
第2筐体12−2の扉開口部17の右側には通報装置扉24が設けられ、ここに赤色表示灯26、発信機28、及び応答ランプ30を設けている。なお、通報装置扉24の内側には図2に示すように電話ジャック31を設けている。
【0028】
赤色表示灯26は常時点灯し、消火栓装置10の設置場所が遠方から分かるようにしている。火災時には、発信機28を押してスイッチボタンをオンすると、発信信号が監視室の火災受信機に送信されて火災警報が出され、これに伴い応答信号が火災受信機から送られて、応答ランプ30を点灯するようにしている。
【0029】
扉開口部17の左側には消火器扉32が設けられ、消火器扉32に対応した筐体12の内部を消火器収納空間とし、例えば2本の消火器を収納している。消火器扉32にはハンドル34が設けられ、ハンドル34を手前に引くとラッチが外れ、消火器扉32は左側をヒンジとして前方に開くことができる。また、消火器扉34の下側には覗き窓35が設けられ、外部から消火器の収納状態の有無を確認できるようにしている。
【0030】
図2は図1の実施形態について第1筐体12−1側の消火栓扉を外し、保守扉22は上向きに開いてステー27で支持した状態で内部構造を示した正面図である。図2において、第1筐体12−1の左側にはホース収納空間36が形成され、右側にバルブ類収納空間38を形成している。
【0031】
ホース収納空間36にはフレームパイプを水平方向で上下に配置したバケットフレーム40に配置され、内部にホース収納空間を形成している。バケットフレーム40は一方のパイプを正面から見てU字形で且つ平面から見て横L字形となるように屈曲しており、左側の上下のパイプ端は第1筐体12−1の左側面の内壁面に固定され、右側の屈曲端部はフレームホルダ45により筐体背面の内壁面に固定されている。
【0032】
バケットフレーム40の中央には縦方向に2本のホースガイド42が固定され、その中にホース引出し口を形成している。ホースガイド42はホース44を引き出す際に、内巻きしているホース44が崩れたり、扉開口部16に擦れてホース44が損傷したり折れたりすることを防ぐ。
【0033】
バケットフレーム40及び筐体内壁で囲まれたホース収納空間36にはホース44が内巻きして収納されている。ここで、右側のバルブ類収納空間38の下部にはホース接続口46が配置されており、ホース接続口46にホース44の1次側を接続した後、ホース44をホース収納空間36に巻き込むことになるが、この場合のホース44の巻き込みは、扉開口部16から見て右巻きとなるようにホース44を巻き込んでいる。
【0034】
即ち、ホース接続口46に接続したホース44は、まず第1筐体12−1の下側内壁に沿うようにホース収納部36方向に向かい、ホース収納空間36の下側から巻き込まれ、その後に、右回りに収納空間内に巻き込まれ、最後にノズル48を装着したホース先端をバケットフレーム40中央付近に取り付けられたホースガイド42の間から取り出し、下側のバケットフレーム40に装着しているノズルホルダー50にノズル48を着脱自在に装着している。
【0035】
このようなホース収納空間36に対しホース接続口46を最下部に位置させて右巻きした内巻きにより収納することで、図11の従来例に示したように、ホース112を左巻きとしてホース巻き込み開始部分112aをホース収納空間の上部に送り込む場合のホース収納空間から外れるホース部分(巻き込み半周程度)がなくなり、その分、ホース44を短くでき、ホース収納空間36の容積が減ることで、結果的に筐体12を薄型化できる。
【0036】
また、ホース巻き込み開始部分は右巻きによりホース収納空間36の下側に送りこまれるため、ホース44がホースバケット42に当って摺動するようなことはなく、図11の従来のホース左巻きによりホースバケットに当って摺動することに対する保護の必要がなく、構造を簡単にできる。
【0037】
またホース収納空間36に右巻きとして収納した後に取り出したホース先端のノズル48は放水部を下向きにしてノズルホルダー50に着脱自在に装着されており、放水部が下向きであることから、消火栓扉を開いてノズル48を放水部を下に向けたまま外すことができ、消火栓弁に設けている消火栓弁開閉レバー64を操作しない限り、放水されないが、火災時に操作する者にとっては不慣れであることから、放水口が自分に向かないことで、安心感をもってノズル48を外すことができ、安全面でのメリットが大きい。
【0038】
また放水部を下向きにして配置されたノズル48の取り出しは、右手であっても、左手であっても、殆ど違和感なく、容易にグリップを掴んで外すことができる。
【0039】
第1筐体12−1に設けたホース収納空間36の右側に配置したバルブ類収納空間38には、ポンプ設備からの配管が接続される消火栓接続口51からホース接続口46に至る配管系統に、給水弁52、消火栓弁、自動調圧弁、自動排水弁、及びメンテナンス装置60を設けている。このうち消火栓弁に設けた消火栓弁開閉レバー64に対応して銘板66が設けられており、銘板66の裏側に消火栓弁、自動調圧弁、自動排水弁が配置されている。
【0040】
図3は、図1について内部構造を示した平面図である。図3において、第1筐体12−1と第2筐体12−2は連結固定部15においてボルトにより固定されている。第1筐体12−1のホース収納空間36には平面から見て横L字形にバケットフレーム40が配置され、筐体内壁との間に形成したホース収納空間にホース44を右巻きにより内巻き状態で収納している。また、消火器収納空間39には2本の消火器37が収納されている。
【0041】
図4は図1についてホース収納空間の部分の内部構造を示した断面図である。図4において、架台11上に載置した第1筐体12−1の内部に配置したバケットフレーム40の背後にホース収納空間36が形成され、ここにホース44を内巻き状態で収納している。
【0042】
バケットフレーム40で規制されたホース収納空間36の前方の扉開口部との間には空き空間41が形成され、この実施形態にあっては、空き空間41の上部に横断路支持部材70を配置し、第1筐体12−1を左右に貫通する電線横断路72を設けている。
【0043】
図5は図1についてバルブ類収納空間の内部構造を示している。図5において、第1筐体12−1の前面の閉鎖状態にある消火栓扉18は、ハンドル操作によりラッチを解除することで、ヒンジ21を中心に図示の前方位置に開くことができる。
【0044】
この場合、消火栓扉18には従来のように、ノズルや消火栓弁開閉レバーが設けられていないことから軽量化されており、開放の際の衝撃を吸収するダンパを必ずしも設ける必要はなく、簡単なダンパ機構やバネ機構などの緩衝機構を設けるだけで良い。
【0045】
バルブ類収納空間38には、給水弁52、消火栓弁54、自動調圧弁56及びメンテナンス装置60が縦方向に連設配置されている。自動排水弁58は消火栓弁54の2次側に装着されている。
【0046】
消火栓弁54には直接に消火栓弁開閉レバー64が装着されている。即ち消火栓弁開閉レバー64が図示の上向き位置の閉位置のとき、消火栓弁54は閉状態であり、このとき配管内に消火用水が存在せず、圧がないことから自動排水弁58は開状態にある。
【0047】
消火栓弁開閉レバー64を下向きとなる開位置に操作すると、消火栓弁56が開放位置に作動され、配管内に圧が上昇して自動排水弁58は閉鎖位置に作動される。これによって、給水接続口51から加圧された消火用水を自動調圧弁56を通して所定圧に調圧した後、ホース44側に供給するようにしている。
【0048】
同時に消火栓弁開閉レバー64の背後に設置しているスイッチがオンし、これによってポンプ設備に信号が送られ、ポンプ設備が起動される。放水を停止する際には、消火栓弁開閉レバー64を元の上向き位置に戻すと消火栓弁54が閉じ、同時にスイッチがオフとなってポンプ設備の運転停止が行われる。
【0049】
このように本実施形態にあっては、従来、消火栓扉に設けてワイヤー連結により消火栓弁を開閉していた消火栓弁開閉レバー64を筐体12側に配置して消火栓弁54に直接設けたことで、消火栓扉18の構造が簡略化され、薄型化と軽量化を達成することができる。
【0050】
更に、バルブ類収納空間側の筐体側面の上部には通線口74が開口しており、ここから電線を引き込むようにしている。
【0051】
図6は図1の分割筐体構造を取り出して示した説明図である。図6において、本実施形態の筐体は第1筐体12−1と第2筐体12−2に分割されており、第1筐体12−1の内部にはホース収納空間36とバルブ類収納空間38が形成され、箱型に形成したフレームの左、右、上部及び背面に金属隔壁を固定した箱型形状としている。
【0052】
第1筐体12−1のホース収納空間36にはバケットフレーム40が左側のパイプ端の金属隔壁への固定および右側の屈曲部のフレームホルダ45による背面への固定で支持されている。バケットフレーム40の前方となる空き空間の上部には、左右に亘って横断路支持部材70が配置され、左右の側壁の横断路支持部材70に相対する位置に通線口74,76が開口している。
【0053】
第2筐体12−2の内部には消火器収納空間39が形成され、箱型に形成したフレームの左右、上部及び背面に金属隔壁を固定している。第1筐体12−1の左側の通線口76に相対する側壁部分には通線口78が形成されている。また、第2筐体12−2の上部背面側には、強電用の端子箱84と弱電用の端子箱85が設置されている。
【0054】
第1筐体12−1の天井面の左右両端には吊り輪25が設けられている。これは重量の重い方の筐体12−1に吊り輪を設けることで,第1筐体12−1だけであっても、12−2を連結した後の一体になった場合であっても確実に吊り上げることができる。
【0055】
第1筐体12−1の左側隔壁の4箇所にはネジ穴80が形成されている。ネジ穴80に対応した第2筐体12−2側の右側隔壁にはダルマ穴82が設けられている。第1筐体12−1に対する第2筐体の固定は、第1筐体のネジ穴80にボルトを捩じ込んでボルト頭部を左側に飛び出した状態とし、このボルト頭部に第2筐体のダルマ穴82の大径穴を嵌め入れ、ボルトネジ部をダルマ穴82の小径穴に移動する。この状態でボルトを締め付けて固定する。
【0056】
この第1筐体12−1と第2筐体12−2の連結構成により、2つの筐体の位置合わせを正確かつ容易に連結することができる。また第2筐体側をダルマ穴とし、第1筐体のボルトに掛ける構成としたことで、第1筐体の吊り輪25で連結した2つの筐体を吊り上げたとき、連結が解除されることなく確実に吊り上げることができる。
【0057】
更に、第1筐体12−1及び第2筐体12−2の前面のフレームには、それぞれ4箇所に化粧板14−1,14−2を取り付けるためのネジ穴86,88が設けられている。化粧板14−1,14−2は位置合わして連結された筐体12−1,12−2の前面にそれぞれ取り付けることで、化粧板14−1と14−2同士の前面の位置合わせを容易に行うことができる。
【0058】
本発明による防災装置設置構造の実施形態として図6の第1筐体12−1の底部開口の右隅には筐体アングル材90が固定され、筐体アングル材90の前後の2箇所に固定用の長穴92を設けている。
【0059】
また第1筐体12−1の左側に連結固定される第2筐体12−2の底部開口の右隅には筐体アングル材94が固定され、筐体アングル材94の前後の2箇所に固定用の長穴96を設けている。
【0060】
図7は図6の分割筐体構造の底面側と架台を取り出して示している。第1筐体12−1,12−2は平面的に底部を見た断面であり、図6に示したように、底部開口の右隅には筐体アングル材90,94が固定され、筐体アングル材90,94の前後の2箇所に固定用の長穴92,96を設けている。
【0061】
架台11はアングル材を矩形に固定した部材であり、第1筐体12−1,12−2の筐体アングル材90,94に相対する位置に架台アングル材98,102を固定しており、架台アングル材98,102には前後の2箇所に長穴92,96に相対するネジ穴100,104を設けている。架台11における架台アングル材102の右側に第1筐体12−1と第2筐体12−2の連結線106が位置している。
【0062】
図8は図7の実施形態における筐体アングル材90と架台アングル材98の連結構造を示した組立分解図である。図8において、架台アングル材98の通し穴の裏面にはナット101が溶接などにより固定されることによりネジ穴100を形成している。筐体アングル材90には長穴92が形成され、架台に対し筐体側を前後方向で位置合せした際に、ネジ穴100との間に位置ずれや寸法誤差があっても、長穴92としたことで容易に位置合せができ、長穴92を通してワッシャ93を通したアンカーボルト105をネジ穴100に捩じ込み、架台に筐体を固定する。
【0063】
この場合、図7に示したように、分割している第1筐体12−1,12−2は左右に連結固定した状態で架台11上に載置し、それぞれの長穴92,96を架台11側のネジ穴100,104に位置合せした状態で、4本のアンカーボルトを使用して固定する。
【0064】
一般的に、分割した第1筐体12−1と第2筐体12−2の架台11に対する固定は、それぞれ底部4隅に通し穴とネジ穴を設けてボルト固定しており、2つに分割した筐体では合計8箇所で固定するようになる。しかし、本発明にあっては、各筐体を2箇所で架台に固定しており、合計4箇所の固定となり、一般的な固定方法に比べ固定箇所を半分に減らすことができる。
【0065】
このように2つに分割した筐体の固定を各筐体毎に2箇所、合計で4箇所とした場合、一般的な固定構造における8箇所の固定に比べ固定強度が低下する可能性が残る。しかしながら、本実施形態にあっては、第1筐体12−1と第2筐体12−2を左右の側面を合わせて連結固定した状態で架台11に載置して固定しているため、左右の連結固定によって1つの筐体構造と実質的に同じとなり、その結果、4箇所の固定であっても架台に対し充分な取付け強度を確保することができる。
【0066】
即ち、分割した筐体を個別に架台に固定する場合、それぞれ2箇所の固定では安定性を欠くし、固定強度も低いが、分割した筐体を左右方向で連結した後にそれぞれ2箇所で架台に固定することで、個別に固定した場合に比べ充分な固定強度が確保できる。
【0067】
また、第1筐体12−1と第2筐体12−2の連結線106による固定面に近い位置で第2筐体12−2を2箇所で架台11に固定しており、筐体同士の連結箇所と架台との固定箇所を近づけたことで、筐体連結部分での架台からの浮き上がりを阻止し、全体としてのバランスのとれた配置固定が可能となる。
【0068】
また第1筐体12−1又は第2筐体12−2を交換する場合にあっても、いずれも2箇所のアンカーボルトを外せば良いことから、架台11からの撤去作業と、その後の設置作業を容易に行うことができる。
【0069】
図9は本発明による配置構造の他の実施形態を示した説明図であり、架台11上に前方から見て右から左に第1筐体12−1と第2筐体12−2を並べて連結固定した状態で載置する。
【0070】
第1筐体12−1及び第2筐体12−2は底部右隅側と底部左隅側に筐体アングル材90,94を配置し、その対角位置となる2箇所に固定用の長穴92,96を設けている。
また架台11には連結線106を境に、底部右隅側と底部左隅側に架台アングル材98,102を配置し、その対角位置となる2箇所に長穴92,96に相対してネジ穴100,104を設けている。
【0071】
この実施形態にあっても、第1筐体12−1と第2筐体12−2の架台11に対する固定は各々2箇所となり、トンネル設置後における第1筐体12−1または第2筐体12−2の交換が容易にできる。
【0072】
また本実施形態にあっては、固定箇所が左右に連結した各筐体の対角コーナー位置の2箇所となることで、全体として4箇所となる固定箇所の分散状態がバランスよく配置されている。
【0073】
図10は本発明による配置構造の他の実施形態を示した説明図であり、架台11上に前方から見て右から左に第1筐体12−1と第2筐体12−2を並べて連結固定した状態で載置する。
【0074】
第1筐体12−1及び第2筐体12−2は底部中央に筐体アングル材90,94を配置し、前後の2箇所に固定用の長穴92,96を設けている。また架台11は、連結線106を境に分けられた左右の矩形領域の中央に架台アングル材98,102を配置し、その前後2箇所に長穴92,96に相対してネジ穴100,104を設けている。
【0075】
この実施形態にあっても、第1筐体12−1と第2筐体12−2の架台11に対する固定は各々2箇所となり、トンネル設置後における第1筐体12−1または第2筐体12−2の交換が容易にできる。
【0076】
なお、図7,図9及び図10の実施形態以外にも、分割した筐体の2箇所で架台に固定するものであれば、適宜の固定箇所の配置を行っても良い。
【0077】
また、上記の実施形態はトンネルに設置される消火栓装置を例にとるものであったが、架台上に載置されて固定される複数の装置ユニットに分割された防災装置であれば、適宜の装置に本発明をそのまま適用することができる。
【0078】
また、装置ユニットと架台の取付けは、長穴とネジ穴をボルトによって取付ける構成であるが、これに限らず、例えば架台に溶接したナット部を後付けするなど、互いに取付け位置を調整可能に固定できる構成であれば良い。
【0079】
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
- 【公開番号】特開2010−22755(P2010−22755A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【発明の名称】防災装置設置構造
- 【出願番号】特願2008−190693(P2008−190693)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
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