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自動二輪車のフロントカウリング
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- 【要約】
【課題】走行中の空気抵抗を損なうことなくラジエータの冷却効果を高めることができる自動二輪車のフロントカウリングを提供する。
【解決手段】ライダーの脚に対する風防を形成するシュラウド20に、エンジンEのラジエータ16に走行風Aを導くための導入孔28が形成されている。導入孔28は上下方向に延びるスリット状で、シュラウド20における後方に進むにつれて車幅方向外側に膨出した膨出部分20bに形成されている。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前部の少なくとも一部を覆うフロントカウリングに、エンジンのラジエータに走行風を導くための導入孔が形成されている自動二輪車のフロントカウリング。
【請求項2】
請求項1において、前記フロントカウリングは後方に進むにつれて車幅方向外側に膨出し、前記導入孔が該膨出した部分に形成されている自動二輪車のフロントカウリング。
【請求項3】
請求項1または2において、前記導入孔のフロントカウリング内側に、導入孔に進入した走行風を偏向してラジエータに導くガイド体が形成されている自動二輪車のフロントカウリング。
【請求項4】
請求項3において、前記ガイド体は前記ラジエータの車幅方向外側部に走行風を導くものである自動二輪車のフロントカウリング。
【請求項5】
請求項4において、前記ラジエータの車幅方向外側部は、前記フロントカウリングの内側におけるフロントカウリングの前端部よりも車幅方向外側に配置されている自動二輪車のフロントカウリング。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項において、前記導入孔は上下方向に延びるスリットである自動二輪車のフロントカウリング。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項において、前記フロントカウリングは、ライダーの脚に対する風防を形成するシュラウドからなり、斜め外側上方を向く前面上壁と斜め外側下方を向く前面下壁とを有し、前記前面上壁および前面下壁のうち少なくとも前面上壁に前記導入孔が形成されている自動二輪車のフロントカウリング。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項において、前記フロントカウリングは、フロントフォークの上部を含む車体前部を覆うカウル部分を有し、このカウル部分の前端部に前記導入孔が形成されている自動二輪車のフロントカウリング。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンのラジエータに走行風を導くための導入孔を備えた自動二輪車のフロントカウリングに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車においてエンジンのラジエータ冷却用に走行風を取り込む場合、前輪とフロントカウリングの間から取り込むのが一般的である。しかしながら、走行風を前輪とフロントカウリングの間から取り込むのでは、ラジエータの車幅方向外側部分を十分に冷却するのが難しくなる場合がある。他方、フロントカウリングの側部に開口を設け、この開口から走行風をエンジンに向けて取り込むようにしたものもある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−160074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記開口から流入した走行風はエンジンのヘッドカバーに向けられており、ラジエータへは導入されない。また、フロントカウリングの側部に外側へ突出した部分を設けて、この部分に開口を設けているために(特許文献1の図15参照)、走行中の空気抵抗が大きくなる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、走行中の空気抵抗を損なうことなくラジエータの冷却効果を高めることができる自動二輪車のフロントカウリングを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る自動二輪車のフロントカウリングは、車体前部の少なくとも一部を覆うフロントカウリングに、エンジンのラジエータに走行風を導くための導入孔が形成されている。ここで、「車体前部」とは、ヘッドパイプ、アッパ・ロワブラケット、フロントフォーク、ヘッドランプおよびエンジン前方のラジエータを含む部分をいう。
【0007】
この構成によれば、フロントカウリングの導入孔から取り入れられた走行風によりラジエータが冷却されるから、ラジエータの冷却効果を高めることができる。また、導入孔はフロントカウリングの外表面に突出させて設ける必要がないから、走行中の空気抵抗を損なうことがない。
【0008】
本発明において、前記フロントカウリングは後方に進むにつれて車幅方向外側に膨出し、前記導入孔が該膨出した部分に形成されていることが好ましい。この構成によれば、導入孔が車幅方向外側に位置するので、ラジエータの車幅方向外側部に走行風を円滑に導入することができる。
【0009】
本発明において、前記導入孔のフロントカウリング内側に、導入孔に進入した走行風を偏向してラジエータに導くガイド体が形成されていることが好ましい。この構成によれば、ガイド体により走行風の向きを適切に調整しているので、ラジエータの冷却効果を高めることができる。また、走行風がガイド体に衝突し偏向することで、流速が落ちて拡散しながら取り込まれるので、ラジエータの冷却効果を一層高めることができる。
【0010】
また、前記ガイド体は前記ラジエータの車幅方向外側部に走行風を導くものであることが好ましい。さらに、前記ラジエータの車幅方向外側部を、前記フロントカウリングの内側におけるフロントカウリングの前端部よりも車幅方向外側に配置することが好ましい。エンジンの冷却効率を上げるためにフロントカウリングの車幅方向開口寸法よりもラジエータの車幅方向寸法を大きくすると、前輪とフロントカウリングの間から取り込まれる走行風でラジエータの車幅方向外側部分を冷却するのが困難になる。しかしながら、この構成によれば、フロントカウリングの前端部に設けた導入孔から取り入れた走行風を、ガイド体によってラジエータの車幅方向外側部に導くので、ラジエータの車幅方向寸法を大きくしながら、ラジエータの車幅方向外側部を効果的に冷却することができる。
【0011】
本発明において、前記導入孔は上下方向に延びるスリットであることが好ましい。この構成によれば、導入孔の車体左右方向幅が小さくて済むから、フロントカウリングに容易に導入孔を形成できる。
【0012】
本発明において、前記フロントカウリングは、ライダーの脚に対する風防を形成するシュラウドからなり、斜め外側上方を向く前面上壁と斜め外側下方を向く前面下壁とを有し、前記前面上壁および前面下壁のうち少なくとも前面上壁に前記導入孔を形成することができる。この構成によれば、シュラウド型の自動二輪車において、導入孔がシュラウドから外側方に突出しないから、走行中の空気抵抗を損なうことなく走行風を導入孔に取り入れ、ラジエータの冷却効果を高めることができる。
【0013】
本発明において、前記フロントカウリングは、フロントフォークの上部を含む車体前部を覆うカウル部分を有し、このカウル部分の前端部に前記導入孔を形成することができる。この構成によれば、例えば、フルカウル型の自動二輪車において、導入孔がカウル部分から突出しないから、走行中の空気抵抗を損なうことなく走行風を導入孔に取り入れ、ラジエータの冷却効果を高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の自動二輪車のフロントカウリングによれば、フロントカウリングの導入孔から取り入れられた走行風によりラジエータが冷却されるから、ラジエータの冷却効果を高めることができる。また、導入孔はフロントカウリングの外表面に突出させて設ける必要がないから、走行中の空気抵抗を損なうことがない。
- 【公開番号】特開2011−11570(P2011−11570A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【発明の名称】自動二輪車のフロントカウリング
- 【出願番号】特願2009−154703(P2009−154703)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
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