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自動2輪車
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- 【要約】
【課題】バックボーン形式の車体フレームを有する車両において、デッドスペースを少なくして吸気系部品やキャニスタを集中的に配置する。
【解決手段】ヘッドパイプ3から車体後方へ延びるメインフレーム5の後部を下方へ湾曲して後部メインフレーム部5bとし、その下端部に井桁フレーム7を取付ける。井桁フレーム7は車幅方向へ配置された上クロスパイプ35と下クロスパイプ36の両端をピボットフレーム34で連結したものであり、上クロスパイプ35と後部メインフレーム部5bが直交して接続し、この接続部近傍におけるデッドスペースを無くし、上クロスパイプ35の上方かつ後部メインフレーム部5bの左右に気化器22とキャニスタ40とを少なくとも一部が側面視で互いに重なるように配置する。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドパイプから車体中心に沿って一本で後方へ延びるメインフレームと、このメインフレームの後部で下方へ湾曲する後部メインフレーム部と、後輪が支持されるリヤフォークと、リヤフォークの前端部を揺動自在に支持する左右一対のピボットフレームとを備え、これら左右一対のピボットフレームを連結するクロス部材の車幅方向中間部に前記後部メインフレーム部の下端部を連結した自動2輪車において、
前記クロス部材と前記後部メインフレーム部とが直交しているとともに、
少なくとも気化器とエアクリーナーを含む吸気系部品と、燃料タンクの蒸発燃料を回収するキャニスタとを、前記後部メインフレーム部の左右へ挟んで配置し、かつ前記キャニスタと気化器の少なくとも一部が側面視で互いに重なるように配置したことを特徴とする自動2輪車。
【請求項2】
前記クロス部材は、車幅方向へ水平に配置されかつ上下に平行して配置される上クロス部材と下クロス部材であり、これら上下のクロス部材の各車幅方向両端部間を前記左右のピボットフレームで連結することにより井桁フレームを構成したことを特徴とする請求項1に記載した自動2輪車。
【請求項3】
前記キャニスタが前記後部メインフレームを挟んで車幅方向右側に、前記気化器がその反対側の車幅方向左側に配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載した自動2輪車。
【請求項4】
前記キャニスタがその後方にあるバッテリボックスにより支持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載した自動2輪車。
【請求項5】
前記気化器を含む吸気系部品、バッテリ及びキャニスタが、上面視で前記後部メインフレーム部を中心としてこれを取り囲むように配置されたことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載した自動2輪車。
【請求項6】
前記キャニスタから前記気化器へと蒸発燃料を流すためのチューブを設け、
前記チューブは前記キャニスタの上方から延び、前記気化器の上方へと連結され、
前記チューブの途中にはワンウェイバルブを設け、
前記チューブは前記一本のメインフレームの上を跨ぐように配置されていることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載した自動2輪車。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動2輪車に係り、特に、車体中心軸上に一本のメインフレームを有するバックボーン形式の車体フレームを有する自動2輪車における吸気系部品とキャニスタの有利な配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動2輪車においては、車体フレームのデッドスペースをなくし、部品を効率よく配置することが従来より種々試みられている。
例えば、特許文献1には、バックボーン形式の車体フレームにおいて、メインフレームの後端部を下方へ湾曲させ、正面視で略三角形状をなして車幅方向へ長く配置されたボックス部材からなるクロス部材の車幅方向中間部に位置する頂部へ連結し、クロス部材の車幅方向両端部に左右の各ピボットフレームの上端部を連結し、クロス部材の上方かつメインフレームの後端部左右にエアクリーナを配置した自動2輪車が開示されている。
また、特許文献2には、左右一対のピボットフレームを設け、この左右一対のダウンフレームの間に気化器とキャニスタとを側面視で一部重なるように並設することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平5−17071号公報
【特許文献2】実公平1−21919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1における車体フレームはバックボーン形式であるが、クロス部材は正面視で略三角形状をなし頂点部でメインフレームへ接続するので、クロス部材の上面はなで肩状に傾斜している。このためクロス部材の上方かつメインフレームの側方へ部品を配置しようとする場合、なで肩状部分だけ部品の配置に支障となる。その結果、この部分には比較的大きな部品を配置できず、クロス部材の前後に大きなデッドスペースが生じてしまう。
しかし、この部分のデッドスペースをなくすことができれば、例えば、気化器を含む吸気系部品や比較的大型部品のキャニスタを配置することができる。
特に、キャニスタは気化器に接近して配置できれば相互間の配管が短くなる等の利点があるが、従来例ではこのような配置ができず、エンジンの前方等の比較的気化器から離れた場所に配置することを余儀なくされていた。
また、特許文献2のように左右のピボットフレーム間に気化器とキャニスタを並設すれば上記配管を短くすることはできるが、この配置はバックボーン形式には利用できない。
そこで、本発明は、バックボーン形式の車体フレームにおいても、気化器とキャニスタを並設可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に記載した発明は、ヘッドパイプから車体中心に沿って一本で後方へ延びるメインフレームと、このメインフレームの後部で下方へ湾曲する後部メインフレーム部と、後輪が支持されるリヤフォークと、リヤフォークの前端部を揺動自在に支持する左右一対のピボットフレームとを備え、これら左右一対のピボットフレームを連結するクロス部材の車幅方向中間部に前記後部メインフレーム部の下端部を連結した自動2輪車において、
前記クロス部材と前記後部メインフレーム部とが直交しているとともに、
少なくとも気化器を含む吸気系部品と、燃料タンクの蒸発燃料を回収するキャニスタとを、前記後部メインフレーム部に左右から挟んで配置し、かつ前記キャニスタと気化器の少なくとも一部が側面視で互いに重なるように配置したことを特徴とする。
【0006】
このように、クロス部材と後部メインフレーム部とが直交すると、この結合部において前記特許文献1のようななで肩状の部分が無くなるので、後部メインフレーム部の側方に部品を配置する際における支障部分が無くなり、クロス部材の前後方向における空間をデッドスペースとせず、部品配置に有効活用できるようになる。このため、気化器を含む吸気系部品と比較的大型になるキャニスタを後部メインフレーム部の両側へ配置できることになる。その結果、バックボーン形式の車体フレームにおいて、これまで気化器の近いところへ配置することが難しかったキャニスタを気化器の近くへ集中して配置することができ、キャニスタと気化器間の配管を可及的に短くすることができる。
【0007】
請求項2に記載した発明は、上記請求項1において、前記クロス部材は、車幅方向へ水平に配置されかつ上下に平行して配置される上クロス部材と下クロス部材であり、これら上下のクロス部材の各車幅方向両端部間を前記左右のピボットフレームで連結することにより井桁フレームを構成したことを特徴とする。
このようにピボットフレームを井桁フレームにすると、剛性を高めることができる。
【0008】
請求項3に記載した発明は、上記請求項1又は2において、前記キャニスタが前記後部メインフレームを挟んで車幅方向右側に、前記気化器がその反対側の車幅方向左側に配置されたことを特徴とする。
このようにすると、右手でアクセルを操作しながら左手で気化器のチョークを操作することが可能となるため、利便性が向上する。
【0009】
請求項4に記載した発明は、上記請求項1〜3のいずれかにおいて、前記キャニスタがその後方にあるバッテリボックスにより支持されていることを特徴とする。
このようにすると、キャニスタとバッテリを前後にしてスペース効率よく配置できるとともに、バッテリボックスを利用してキャニスタを支持できるので、キャニスタの支持構造が簡単になる。
【0010】
請求項5に記載した発明は、上記請求項1〜4のいずれかにおいて、前記気化器を含む吸気系部品、バッテリ及びキャニスタが、上面視で前記後部メインフレーム部を中心としてこれを取り囲むように配置されたことを特徴とする。
このようにすると、相互に関連のある部品及び比較的大型の部品を後部メインフレーム部の回りに集中配置できるので、コンパクトに配置でき、しかも集中的な配置作業が可能となるので、作業効率が向上する。
【0011】
請求項6に記載した発明は、上記請求項1〜6のいずれかにおいて、前記キャニスタから前記気化器へと蒸発燃料を流すためのチューブを設け、前記チューブは前記キャニスタの上方から延び、前記気化器の上方へと連結され、前記チューブの途中にはワンウェイバルブを設け、前記チューブは前記一本のメインフレームの上を跨ぐように配置されていることを特徴とする。
このようにすると、気化器とキャニスタとをほぼ最短距離で接続することができ、配線を短くすることができる。また、山配管となっているため、蒸発燃料がチューブ内に溜まってしまうことがない。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、バックボーン形式の車体フレームにおける後部メインフレーム部とクロス部材との連結部に、部品配置のうえで障害となる構成を無くしたので、後部メインフレーム部側方かつクロス部材上方の空間からデッドスペースが無くなり、この空間に比較的大型部品であるキャニスタと気化器を含む吸気系部品を集中配置でき、バックボーン形式の車体フレーム周りにおける部品配置をスペース効率よくかつ容易に行えるようにすることができる。しかもキャニスタと気化器間の配管を可及的に短くすることができる。
- 【公開番号】特開2011−11599(P2011−11599A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【発明の名称】自動2輪車
- 【出願番号】特願2009−156395(P2009−156395)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100089509
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 清光
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