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無線防災システム及びセンサノード
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- 【要約】
【課題】火災発報となる可能性が高い状態で急いで送る必要のない不急イベントを検出し、その後に火災発報となった場合の電文送信を適切に行う。
【解決手段】無線式感知器は、イベント発生時に、電文送信時間T1に亘り同一の電文信号を連続送信する電文送信と、所定時間T2に亘り電文送信を休止する電文休止とを2回以上繰り返し、受信側は、電文休止を挟んで連続する2回の電文送信の少なくともいずれかに受信タイミングが入るように間欠的に受信する。無線式感知器は、プリアラームの判別中に、火災発報以外の不急イベントAを検出した時に、不急イベントAを保持し、続いて火災発報イベントBを判別した時に火災発報に基づく電文送信B1〜B6を行った後に、不急イベントAに基づく電文送信A1〜A6を行う。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサノード、電波中継ノード、無線防災ノード及び受信機で構成され、前記センサノードから送信された電文信号又は電波中継ノードを経由して前記センサノードから送信された電文信号を前記無線防災ノードで受信して処理し、処理結果を信号線により接続された前記受信機に送信する無線防災システムに於いて、
前記センサノードは、
イベント発生時に、所定の電文送信時間に亘り同一の電文信号を連続送信する電文送信と、所定時間に亘り電文送信を休止する電文休止とを2回以上繰り返す送信処理部と、
火災発報を判断する所定の火災閾値と前記火災閾値より低い所定プリアラーム閾値を設定し、火災に伴う物理量又は前記物理量の変化と前記プリアラーム閾値及び火災閾値とを比較してプリアラームイベント又は火災発報イベントを判別する火災判別部と、
前記プリアラームイベントの判別中に、急いで送る必要のない火災発報以外の不急イベントを検出した時に、前記不急イベントを保持し、続いて前記火災発報イベントを判別した時に火災発報に基づく電文送信を行った後に、前記不急イベントに基づく電文を送信する電文送信制御部と、
を備え、
前記電波中継ノードは、前記電文休止を挟んで連続する2回の電文送信の少なくともいずれかに受信タイミングが入るように間欠的に受信する間欠受信部を備えたことを特徴とする無線防災システム。
【請求項2】
請求項1記載の無線防災システムに於いて、前記電文送信制御部は、前記プリアラームイベントの判別中に、急いで送る必要のない火災発報以外の不急イベントを検出した時に、前記不急イベントを保持し、続いて前記プリアラームイベントの復旧を判別した時に、前記不急イベントに基づく電文を送信することを特徴とする無線防災システム。
【請求項3】
請求項1記載の無線防災システムに於いて、前記センサノードの送信処理部は、イベント発生時に、電文送信と電文休止とを3回繰り返した後に、ノード毎にランダムに設定した所定のランダム休止時間を配置し、前記ランダム休止時間後に、電文送信と電文休止とを3回繰り返すことを特徴とする無線防災システム。
【請求項4】
請求項1記載の無線防災システムに於いて、
前記間欠受信部は、
前記電文休止時間を挟んで連続する2回の電文送信時間のいずれかに所定のキャリアセンス必須時間が重なるようにキャリアセンスをN回行う時のキャリアセンス周期を設定するキャリアセンス周期設定部と、
前記キャリアセンス周期毎に前記電文信号のキャリアの有無を検出し、キャリア検出状態が前記キャリアセンス必須時間以上継続したときに受信された電文を処理する間欠受信部と、
を備え、
前記キャリアセンス周期設定部は、
電文送信時間をT1、電文休止時間をT2、前記電文送信時間T1から受信動作に最低限必要なキャリアセンス必須時間T5を差し引いた受信可能時間をT3及び前記電文休止時間T2に前記キャリアセンス必須時間T5を加えた受信不可能時間をT4とした場合、
受信可能時間をT3及び受信不可能時間T4について
(T3×2)/(T3×2+T4)≧1/2
を満足することを条件に、前記キャリアセンス周期Tcsを
(T3×2+T4)/2≧Tcs≧T4
の範囲の値に設定することを特徴とする無線防災システム。
【請求項5】
イベント発生時に、所定時間の電文休止を挟んだ所定時間となる2回の電文送信の少なくともいずれかに受信タイミングが入るように間欠的に受信する電波中継ノードに電文信号を送信するセンサノードに於いて、
イベント発生時に、所定の電文送信時間に亘り同一の電文信号を連続送信する電文送信と、所定時間に亘り電文送信を休止する電文休止とを2回以上繰り返す送信処理部と、
火災発報を判断する所定の火災閾値と前記火災閾値より低い所定プリアラーム閾値を設定し、火災に伴う物理量又は前記物理量の変化と前記プリアラーム閾値及び火災閾値とを比較してプリアラームイベント又は火災発報イベントを判別する火災判別部と、
前記プリアラームイベントの判別中に、急いで送る必要のない火災発報以外の不急イベントを検出した時に、前記不急イベントを保持し、続いて前記火災発報イベントを判別した時に火災発報に基づく電文送信を行った後に、前記不急イベントに基づく電文を送信する電文送信制御部と、
を備えたことを特徴とするセンサノード。
【請求項6】
請求項1記載のセンサノードに於いて、前記電文送信制御部は、前記プリアラームイベントの判別中に、急いで送る必要のない火災発報以外の不急イベントを検出した時に、前記不急イベントを保持し、続いて前記プリアラームイベントの復旧を判別した時に、前記不急イベントに基づく電文を送信することを特徴とするセンサノード。
【請求項7】
請求項6記載のセンサノードに於いて、前記送信処理部は、イベント発生時に、電文送信と電文休止とを3回繰り返した後に、ノード毎にランダムに設定した所定のランダム休止時間を配置し、前記ランダム休止時間後に、電文送信と電文休止とを3回繰り返すことを特徴とするセンサノード。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線式感知器などのセンサノードから無線送信された電文を受信機に伝送して警報させる無線防災システム及びセンサノードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火災を監視する無線式の防災監視システムにあっては、ビルの各フロアといった警戒区域にセンサノードとしての複数の無線式火災感知器を設置し、無線式感知器で火災を検出した時、火災を示す電文をフロア単位に設置した無線防災ノードとしての無線受信用中継器に無線送信する。また途中に無線中継ノードとなる電波中継器を設置し、無線式感知器からの電文を中継する。
【0003】
無線受信用中継器は受信機からの感知器回線に接続されており、火災を示す電文を受信すると、リレー接点やスイッチング素子のオンにより感知器回線に発報電流を流して火災発報信号を受信機に送信する。受信機は、この火災発報信号を受信すると、音響等の手段により火災警報を出す。
【0004】
このような無線防災システムによれば、一般的に天井裏等に敷設される感知器回線の一部を不要にでき、配線工事が簡単になり、感知器の設置場所も配線等の制約を受けずに決めることができる。また、感知器増設等のシステム変更にも容易に対応できる。
【0005】
また無線防災システムにあっては、無線式感知器と無線受信用中継器の距離が遠く、電波が届きにくいことが予想される場合に、無線式感知器と無線受信用中継器の間に電波中継器を設置し、電波の中継を行うことができる。また、施工時に無線受信用中継器及び無線式感知器を実際に設置してみて電波状況が悪かった場合などに、後から電波中継器を追加して設置することもできる。電波中継器を電池により動作させることで、電源線の配線を不要とし、電波中継器の設置を容易にできるようにしている。このように電波中継器を電池により動作させる場合、常時受信動作を行うと電池寿命が短くなることから、電文を間欠受信するようにしている。
【0006】
この間欠受信は、無線式感知器で火災を検出した時に、所定の送信時間に亘り電文を送信し、これに対し受信側は、送信時間より短い周期でキャリアセンスを行っており、電文送信時間の間に少なくとも1回のキャリアセンスが行われることで、非同期通信であっても、間欠受信により確実に電文を受信できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−004033号公報
【特許文献2】特開2001−292089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従来の無線防災システムにおける間欠受信にあっては、送信時間より短くなるように間欠受信のためのキャリアセンスの周期を設定していたため、受信機側でのキャリアセンス動作が短い周期で行われ、その分、電池で動作している場合には、消費電流が増加して電池寿命を低下させるという問題がある。
【0009】
この問題を解決するためには、火災を検出した時の電文送信時間を長くし、それより短く設定するキャリアセンス周期を長くすることが考えられるが、火災監視にあっては、火災検出から警報するまでの火災応答時間が決められており、間欠受信のキャリアセンス周期をむやみに長くすることは出来ない問題がある。
【0010】
この問題を解決するため本願発明者にあっては、無線式感知器における火災検出などのイベント発生時に、所定の電文送信時間に亘り同一の電文信号を連続送信する電文送信と、所定時間に亘り電文送信を休止する電文休止とを2回以上繰り返す送信動作を1セットの電文送信とし、一方、電波中継器にあっては、無線式感知器からの電文休止を挟んで連続する2回の電文送信の少なくともいずれかに受信タイミングが入るようにキャリアセンス周期を設定し、無線式感知器からの送信電文を間欠的に受信するようにした無線防災システムを提案している。
【0011】
この無線防災システムによれば、電文送信時間より長い周期でキャリアセンス動作が行われ、キャリアセンスによる消費電力を低減し、電池により動作している場合は電池寿命を長くすることができる。
【0012】
しかしながら、このような電文送信時間よりキャリアセンス周期を長くしたシステムにあっては、火災発報の確定には至らないが火災閾値に近い煙や温度の検出状態にあり、このまま推移すると近いうちに火災発報が確定する状態にあるとき、急いで送る必要のない障害や試験などの不急イベントを検出した場合、不急イベントに基づく電文送信が開始され、不急イベントに基づく電文送信中に火災発報が確定した場合、先行する不急イベントの電文送信の終了を待って火災発報の電文送信を行うため、至急送る必要のある火災発報などの緊急イベントについて送信遅れが生ずるという問題がある。
【0013】
本発明は、火災発報となる可能性が高い状態で急いで送る必要のない不急イベントを検出し、その後に火災発報となった場合の電文送信を適切に行う無線防災システム及びセンサノードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(システム)
本発明は、センサノード、電波中継ノード、無線防災ノード及び受信機で構成され、センサノードから送信された電文信号又は電波中継ノードを経由してセンサノードから送信された電文信号を無線防災ノードで受信して処理し、処理結果を信号線により接続された受信機に送信する無線防災システムに於いて、
センサノードは、
イベント発生時に、所定の電文送信時間に亘り同一の電文信号を連続送信する電文送信と、所定時間に亘り電文送信を休止する電文休止とを2回以上繰り返す送信処理部と、
火災発報を判断する所定の火災閾値と前記火災閾値より低い所定プリアラーム閾値を設定し、火災に伴う物理量又は物理量の変化とプリアラーム閾値及び火災閾値とを比較してプリアラームイベント又は火災発報イベントを判別する火災判別部と、
プリアラームイベントの判別中に、急いで送る必要のない火災発報以外の不急イベントを検出した時に、不急イベントを保持し、続いて火災発報イベントを判別した時に火災発報に基づく電文送信を行った後に、不急イベントに基づく電文を送信する電文送信制御部と、
を備え、
電波中継ノードは、電文休止を挟んで連続する2回の電文送信の少なくともいずれかに受信タイミングが入るように間欠的に受信する間欠受信部を備えたことを特徴とする。
【0015】
センサノードの送信処理部は、イベント発生時に送信する送信パターンとして、電文送信と電文休止とを3回繰り返した後に、ノード毎にランダムに設定した所定のランダム休止時間を配置し、ランダム休止時間後に、電文送信と電文休止とを3回繰り返す。
【0016】
電波中継ノードの間欠受信部は、
電文休止時間を挟んで連続する2回の電文送信時間のいずれかに所定のキャリアセンス必須時間が重なるようにキャリアセンスを2回行う時のキャリアセンス周期を設定するキャリアセンス周期設定部と、
キャリアセンス周期毎に電文信号のキャリアの有無を検出し、キャリア検出状態がキャリアセンス必須時間以上継続したときに受信された電文を処理する間欠受信部と、
を備え、
キャリアセンス周期設定部は、
電文送信時間をT1、電文休止時間をT2、電文送信時間T1から受信動作に最低限必要なキャリアセンス必須時間T5を差し引いた受信可能時間をT3及び電文休止時間T2に前記キャリアセンス必須時間T5を加えた受信不可能時間をT4とした場合、
受信可能時間をT3及び受信不可能時間T4について
(T3×2)/(T3×2+T4×)≧1/2
を満足することを条件に、前記キャリアセンス周期Tcsを
(T3×2+T4)/2≧Tcs≧T4
の範囲の値に設定する。
【0017】
(センサノード)
本発明は、イベント発生時に、所定時間の電文休止を挟んだ所定時間となる2回の電文送信の少なくともいずれかに受信タイミングが入るように間欠的に受信する電波中継ノードに電文信号を送信するセンサノードに於いて、
イベント発生時に、所定の電文送信時間に亘り同一の電文信号を連続送信する電文送信と、所定時間に亘り電文送信を休止する電文休止とを2回以上繰り返す送信処理部と、
火災発報を判断する所定の火災閾値と火災閾値より低い所定プリアラーム閾値を設定し、火災に伴う物理量又は物理量の変化とプリアラーム閾値及び火災閾値とを比較してプリアラームイベント又は火災発報イベントを判別する火災判別部と、
プリアラームイベントの判別中に、急いで送る必要のない火災発報以外の不急イベントを検出した時に、不急イベントを保持し、続いて火災発報イベントを判別した時に火災発報に基づく電文送信を行った後に、不急イベントに基づく電文を送信する電文送信制御部と、
を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、センサノードの火災判別により火災発報には至らないが近いうちにカ災発報となる可能性の高いプリアラーム状態の判別中に、急いで送る必要のない火災発報以外の不急イベントを検出した時に、不急イベントを保持し、続いて火災発報イベントを判別した時に火災発報に基づく電文送信を行った後に、不急イベントに基づく電文を送信するようにしたため、プリアラーム中に火災発報に至ったら、プリアラーム内に発生した不急イベントの無線送信に妨げられることなく、火災発報という重要な情報を早く送ることができる。
【0019】
また火災発報などの重要な情報を電文送信した後に、プリアラーム中に起きた不急イベントは、重要な火災発報などの送信後に送信されるため、情報の欠落を起すことなく発生したイベントを確実に送信できる。
- 【公開番号】特開2011−118801(P2011−118801A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【発明の名称】無線防災システム及びセンサノード
- 【出願番号】特願2009−277365(P2009−277365)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
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