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トンネル水噴霧設備
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- 【要約】
【課題】簡単な設備構成と低コストで予告放水を可能とするトンネル水噴霧設備を提供する。
【解決手段】トンネル内の放水区画単位に放水する複数の水噴霧ヘッド12を設置し、放水区画毎に設けた自動弁30を遠隔操作により開放作動して加圧消火用水を水噴霧ヘッド12側に供給する。水噴霧ヘッド12に対応して自動弁30の開放作動による加圧消火用水の供給を受けて小容量の予告放水を行う予告放水ヘッド16を設ける。水噴霧ヘッド12には遅延開放弁18が設けられる。自動弁30を開放作動すると、まず予告放水ヘッド16から予告放水が行われ、所定の遅延時間後に遅延開放弁18が開放して水噴霧ヘッド12から本格放水を行わせる。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル内の放水区画単位に放水する複数の水噴霧ヘッドと、
開放動作により加圧消火用水を前記水噴霧ヘッド側に供給する自動弁装置と、
前記自動弁装置の開放動作による加圧消火用水の供給を受けて小容量の予告放水を行う予告放水ヘッドと、
前記水噴霧ヘッド毎に設けられ、前記自動弁装置の開放動作により供給された加圧消火用水により開放動作から所定時間後に前記水噴霧ヘッドから本格放水を行わせる遅延開放弁と、
を備えたことを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項2】
請求項1記載のトンネル水噴霧設備に於いて、前記予告放水ヘッドは、旋回放水ヘッド又はフラット放水ヘッドであることを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項3】
トンネル内に設けられて放水区画単位に放水する複数の水噴霧ヘッドと、
開放動作により加圧消火用水を前記水噴霧ヘッド側に供給する自動弁装置と、
前記複数の水噴霧ヘッドの中から定めた予告放水兼用の水噴霧ヘッド以外の水噴霧ヘッドに対応して設けられ、前記自動弁装置の開放動作により供給された加圧消火用水により開放動作から所定時間後に前記水噴霧ヘッドから本格放水を行わせる遅延開放弁と、
を備えたことを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項4】
請求項1乃至3にいずれかに記載のトンネル水噴霧設備に於いて、前記予告放水ヘッドは、トンネル上方及び又は壁面方向に放水することを特徴とするトンネル水噴霧設備。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル内に設置された水噴霧ヘッドに消火用水を供給して放水させるトンネル水噴霧設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車専用道路のトンネルには、トンネル内で発生する火災事故から人身及び車両を守るため、非常用設備が設置されている。このような非常用設備としては、火災の監視と通報のため火災検知器や非常電話が設けられ、火災の消火や延焼防止のために消火栓装置やトンネル防護のための水噴霧ヘッドから水を放水させる水噴霧設備が設けられる。
【0003】
水噴霧設備は50メートル間隔の放水区画単位に1台の自動弁が設置され、5メートル間隔に配置した複数の水噴霧ヘッドに対し自動弁から加圧消火用水を供給して一斉に放水させる。
【0004】
また水噴霧設備には水噴霧ヘッドからの本格放水がおこなわれることを警告するため、本格放水に先立って小容量の予告放水をする予告放水機能が設けられている。
【0005】
予告放水の方法は、自動弁に対する1次側の流量を小流量とする方法、圧力を低圧とする方法、自動弁で低圧から通常圧力に段階的に切替える方法、自動弁の2次側の制水弁の開度を2段階に切替える方法などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−355324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような小容量の予告放水をするトンネル水噴霧設備にあっては、基本的に水噴霧ヘッドをそのまま使用し、水噴霧ヘッドに供給する加圧消火用水の圧力又は流量を下げて小容量の予告放水を行っていたため、消火用水の圧力または流量を2段階に調整する機構や設備が必要となり、二次側に接続された全ての水噴霧ヘッドに規定量を流すための流量の非常に多い自動弁及びその関連設備を制御する必要があるため、設備構成が複雑化してコストアップになる問題がある。
【0008】
また、予告放水を行う目的として、いきなり放水量の多い本格放水をおこなうとトンネル内に進入した車両の視界が遮られて車による二次災害が発生することを防ぐためと、トンネル外への避難行動に悪影響を及ぼすことを防止するために予告放水を行っている。しかし従来の水噴霧設備の予告放水は、予告放水も本格放水も同じ水噴霧ヘッドをそのまま使用して全ての水噴霧ヘッドから放水されるため、各水噴霧ヘッドを設置する間隔によっては各ヘッドの放水パターンが近接するため、たとえ流量を少なくした予告放水であっても運転者の前方の視界が悪いこともある。
【0009】
本発明は、簡単な設備構成と低コストで予告放水を可能とするトンネル水噴霧設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、トンネル水噴霧設備に於いて、
トンネル内の放水区画単位に放水する複数の水噴霧ヘッドと、
開放動作により開放作動して加圧消火用水を前記水噴霧ヘッド側に供給する自動弁装置と、
自動弁装置の開放動作による加圧消火用水の供給を受けて小容量の予告放水を行う予告放水ヘッドと、
水噴霧ヘッド毎に設けられ、自動弁装置の開放動作により供給された加圧消火用水により開放動作から所定時間後に水噴霧ヘッドから本格放水を行わせる遅延開放弁と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
ここで、予告放水ヘッドは、旋回放水ヘッド又はフラット放水ヘッドを備える。
【0012】
本発明の別の形態にあっては、トンネル水噴霧設備に於いて、
トンネル内に設けられて放水区画単位に放水する複数の水噴霧ヘッドと、
開放動作により開放動作して加圧消火用水を前記水噴霧ヘッド側に供給する自動弁装置と、
複数の水噴霧ヘッドの中から定めた予告放水兼用の水噴霧ヘッド以外の水噴霧ヘッドに対応して設けられ、自動弁装置の開放動作により供給された加圧消火用水により開放動作から所定時間後に水噴霧ヘッドから本格放水を行わせる遅延開放弁と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のトンネル水噴霧設備によれば、自動弁装置を開放動作すると2次側配管に直接接続されている予告放水ヘッドから小容量の予告放水が行われ、水噴霧ヘッドには開放遅延弁による遅延時間後に加圧消火用水が供給されて本格放水するため、予告放水の小容量は専用の予告放水ヘッドの放水量により一義的に決まり、自動弁装置の1次側又は自動弁装置そのものによる予告放水を小容量とするための圧力又は流量の2段階調整の機構や設備が不要となり、水噴霧ヘッドに遅延開放弁を設けるという簡単な設備構成で小容量の予告放水を可能とし、コスト的にも安価に実現できる。また、予告放水時に運転者の視界を妨げることがなく、二次災害を防ぎ安全に避難することができる。
【0014】
本発明の別の形態にあっても、複数の水噴霧ヘッド中で定めた予告放水兼用の水噴霧ヘッド以外の水噴霧ヘッドに対応して遅延開放弁を設け、自動弁装置を開放作動すると2次側配管に直接接続されている放水ヘッドから予告放水が行われ、それ以外の水噴霧ヘッドには開放遅延弁による遅延時間後に加圧消火用水が供給されて本格放水するため、予告放水に使用する水噴霧ヘッドの数により予告放水の放水量を抑えることができ、自動弁の1次側又は自動弁装置そのものによる予告放水を小容量とするための圧力又は流量の2段階調整の機構や設備が不要となり、予告放水を兼ねる水噴霧ヘッド以外の水噴霧ヘッドに遅延開放弁を設けるという簡単な設備構成で予告放水を可能とし、コスト的にも安価に実現できる。
- 【公開番号】特開2011−182905(P2011−182905A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【発明の名称】トンネル水噴霧設備
- 【出願番号】特願2010−50102(P2010−50102)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
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