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トンネル水噴霧設備
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- 【要約】
【課題】点検時の放水量を低減して貯水槽の渇水を抑制可能とするトンネル水噴霧設備を提供する。
【解決手段】トンネルの壁面に水噴霧配管に接続した水噴霧ヘッドを配置し、火災時に自動弁装置10は低圧設定により水噴霧ヘッドから予告放水を行い、所定時間後に規定圧設定に移行して水噴霧ヘッドから本格放水を行う。自動弁装置に低圧点検設定弁100を設け、点検時の遠隔操作により閉動作し、圧力調整弁16の圧力調整機構に対する配管L9の流水を停止して圧力調整弁16を低圧設定に固定し、自動弁10の低圧設定制御により水噴霧ヘッドから点検実放水を行わせる。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル内に水噴霧ヘッドを配置し、火災時に自動弁装置により前記水噴霧ヘッドから加圧消火用水を所定の低圧設定から所定遅延時間後に所定の規定圧設定に切替えてトンネル空間に放水するトンネル水噴霧設備に於いて、
点検時に遠隔制御により前記自動弁装置を前記低圧設定に固定制御する低圧点検設定部と、
を設けたことを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項2】
請求項1記載のトンネル水噴霧設備に於いて、
前記自動弁装置に、
弁の開閉により加圧消火用水を2次側の前記水噴霧ヘッドに供給して前記水噴霧ヘッドから放水させる自動弁と、
前記自動弁の弁体を開閉制御する起動弁と、
前記起動弁の開放後の加圧消火用水の流入出量の制御により所定遅延時間後に所定の低圧設定から所定の規定圧設定に切替え、前記自動弁の駆動機構の駆動により2次側放水圧力を設定された低圧設定又は規定圧設定に制御する圧力調整弁と、
点検時に前記圧力調整弁を低圧設定に固定し、前記自動弁を低圧設定に固定制御する前記低圧点検設定部と、
を設けたことを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項3】
請求項2記載のトンネル水噴霧設備に於いて、前記低圧点検設定部は、前記圧力調整弁の遅延機構のラインに設けた遠隔切替弁であることを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項4】
請求項2記載のトンネル水噴霧設備に於いて、前記低圧点検設定部は、前記圧力調整弁の設定圧力切替機構に対する2次側圧力水の加圧ラインに設けた遠隔切替弁であることを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかに記載のトンネル水噴霧設備に於いて、前記低圧点検設定部は点検中に火災信号を受信した際には低圧設定の固定制御を解除することを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項6】
請求項1記載のトンネル水噴霧設備に於いて、前記自動弁装置の二次側を点検時に排水側へ切替接続する点検切替部を備えたことを特徴とするトンネル水噴霧設備。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル内に設置された水噴霧ノズルに消火用水を供給して放水させるトンネル水噴霧設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車専用道路等のトンネルには、トンネル内で発生する火災事故から人身及び車両を守るため、非常用設備が設置されている。このような非常用設備としては、火災の監視と通報のため火災検知器や非常電話が設けられ、火災の消火や延焼防止のために消火栓装置やトンネル防護のための水噴霧ヘッドから加圧消火用水を放水させる水噴霧設備が設けられる。
【0003】
水噴霧設備は50メートル間隔の放水区画単位に1台の自動弁装置が設置され、5メートル間隔に配置した複数の水噴霧ヘッドに対し自動弁装置から加圧消火用水を供給して一斉に放水させる。また水噴霧設備は非常時に備えて、水噴霧ヘッドから実放水を行う定期点検を実施している。
【0004】
しかしながら、実放水を行う定期点検の際には、トンネル内の交通を全面遮断して水噴霧ノズルから実際に水を放水しており、多くの人員と放水後の復旧処理を含めて作業時間が多くかかる。
【0005】
このような問題を解決するため、従来、専用の集水車を使用し、各水噴霧ヘッドを集水車に搭載した容器で覆い、水噴霧ヘッドから放出された水をトンネル内に放水することなく全て採取し、集水した水から放水量を計測して放水性能を確認し、交通遮断を必要とせずに簡単に点検できるようにしている(特許文献1)。
【0006】
また別の方法として、点検時に水噴霧ヘッドを点検時にトンネル壁面に向けて実放水を行い、交通遮断を必要とせずに少ない人員で点検することも考えられている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−319140号公報
【特許文献2】特開平11−004908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従来の点検にあっては、自動弁装置で決まる水噴霧区画単位に水噴霧ヘッドから実放水を行っているため、トンネル全区画について実放水を伴う点検を行っていくと、消火ポンプにより消火用水を加圧供給している貯水槽による水源がなくなり、一日にできる点検回数が限られ、トンネル全区画の点検を終了するまでに数日かかる場合もある。
【0009】
貯水槽の水源がなくなる理由は、トンネルがもっぱら山岳地帯にあり、近くに適切な水源がない場合が多く、そのため貯水槽に水をくみ上げるポンプが消火ポンプより小さく、点検時に実放水を繰り返すと、貯水槽へのポンプくみ上げを上回る消火ポンプによる放水が行われ、貯水槽の水が枯渇してしまう。
【0010】
本発明は、点検時の放水量を低減して貯水槽の渇水を抑制可能とするトンネル水噴霧設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、トンネル内に水噴霧ヘッドを配置し、火災時に自動弁装置により水噴霧ヘッドから加圧消火用水を所定の低圧設定から所定遅延時間後に所定の規定圧設定に切替えてトンネル空間に放水するトンネル水噴霧設備に於いて、
点検時に遠隔制御により自動弁装置を低圧設定に固定制御する低圧点検設定部とを設けたことを特徴とする。
【0012】
ここで、自動弁装置に、
弁の開閉により加圧消火用水を2次側の水噴霧ヘッドに供給して前記水噴霧ヘッドから放水させる自動弁と、
自動弁の弁体を開閉制御する起動弁と、
起動弁の開放後の加圧消火用水の流入出量の制御により所定遅延時間後に所定の低圧設定から所定の規定圧設定に切替え、自動弁の駆動機構の駆動により2次側放水圧力を設定された低圧設定又は規定圧設定に制御する圧力調整弁と、
点検時に前記圧力調整弁を低圧設定に固定し、自動弁を低圧設定に固定制御する低圧点検設定部とを設ける。
【0013】
低圧点検設定部は、圧力調整弁の遅延機構のラインに設けた遠隔切替弁である。
【0014】
また、低圧点検設定部は、圧力調整弁の設定圧力切替機構に対する2次側圧力水の加圧ライン又は減圧ラインに設けた遠隔切替弁としても良い。
【0015】
低圧点検設定部は点検中に火災信号を受信した際には低圧設定の固定制御を解除する。
【0016】
自動弁装置の二次側を点検時に排水側へ切替接続する点検切替部を備えても良い。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、自動弁装置の制御動作による放水圧力の段階調整機能、即ち火災時に低圧設定により水噴霧ヘッドから予告放水を行い、所定時間後に規定圧設定に移行して水噴霧ヘッドから本格放水を行う機能を利用し、点検時の制御により自動弁を予告放水時の低圧設定に固定し、点検時には低圧設定時の小容量放水を継続して行うことで、放水量を少なくし、貯水槽の渇水を抑制することができ、さらに点検にかかる時間を低減することができる。
【0018】
また点検時の制御により自動弁装置に設けた低圧点検設定弁を動作させ、圧力調整弁に対する2次側圧力水の流入又は流出を停止して自動弁を低圧設定に固定し、点検時には水噴霧ヘッドから低圧設定により実放水を行うことで、簡単な構成の追加で放水量を少なくし、貯水槽の渇水を抑制して点検にかかる時間を低減することができる。
- 【公開番号】特開2011−188976(P2011−188976A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【発明の名称】トンネル水噴霧設備
- 【出願番号】特願2010−57028(P2010−57028)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
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