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スクータ型車両
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- 【要約】
【課題】外観に与える影響を小さくし、且つ簡単な構造で乗員の嗜好に合わせた風防対策を実施することができるスクータ型車両を提供することを課題とする。
【解決手段】(a)において、スクータ型車両では、フロントサイドカバー45Lとステップフロア52Lの接続線に沿って開口部84Lが設けられ、開口部84Lに風防板68Lがスライド可能に挿入され、風防板68Lが収納位置から展開位置まで移動可能である位置調整機構67Lを備える。
【効果】風防板68Lの大部分がフロントサイドカバー45L及びステップフロア52Lの内側に配置されるため、風防板68Lは外観部品ではない。そのため、表面処理等を省略することができる。また、風防板68Lがスライド可能であるため、簡単な構造で風防板68Lの収納位置及び展開位置を設定することができる。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームを覆う第1カウル及び第2カウルを備え、前記第1カウルと前記第2カウルが所定の長さをもって接続されるスクータ型車両において、
前記第1カウルと前記第2カウルの接続線に沿って第1の開口部が設けられ、
この第1の開口部に走行風を風防するための第1の風防板がスライド可能に挿入され、 この第1の風防板が収納位置から展開位置まで移動可能である位置調整機構を備えていることを特徴とするスクータ型車両。
【請求項2】
前記車体フレームのヘッドパイプの後方を覆うインナーカウルを備え、
前記第1カウルは、前記インナーカウルの下方に配置され乗員が車両の前方に向けて足を置くことができるステップフロアであり、
前記第2カウルは、前記ステップフロアに隣接して前記車両の側方を覆うフロントサイドカバーであることを特徴とする請求項1記載のスクータ型車両。
【請求項3】
前記第1の風防板は、車幅方向の外端に車両後方へ向けて延びるフランジ部を備えることを特徴とする請求項2記載のスクータ型車両。
【請求項4】
前記第1の風防板は、前記展開位置にスライドされたときに、前記第1の風防板の前面で受けた風の一部を、前記第1の風防板の背面へ導く導風孔を備えていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のスクータ型車両。
【請求項5】
前記第1の風防板は、車両側面視で、上部が下部よりも車両前方へ位置するように、前方へ傾斜して設けられていることを特徴とする請求項2、請求項3又は請求項4記載のスクータ型車両。
【請求項6】
前記第1の風防板は、車両側面視にて、中間部に傾斜角度が変化する屈曲部を備えていることを特徴とする請求項5記載のスクータ型車両。
【請求項7】
前記車両の前部を覆うフロントカウルを備え、このフロントカウルの後方を前記インナーカウルが覆い、
前記フロントカウルと前記インナーカウルの接続線に沿って第2の開口部が設けられ、 この第2の開口部に走行風を風防するための第2の風防板がスライド可能に挿入されていることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項記載のスクータ型車両。
【請求項8】
前記車両の前部に設けられるウインドスクリーンと、このウインドスクリーンの一部を覆うガーニッシュとを備え、
このガーニッシュと前記フロントカウルの接続線に沿って第3の開口部が設けられ、
この第3の開口部に走行風を風防するための第3の風防板がスライド可能に挿入されていることを特徴とする請求項7記載のスクータ型車両。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行風を風防する風防装置を備えるスクータ型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗員の嗜好に合わせて、整流部材を動かすことにより、走行風を風防又は整流させる自動二輪車が知られている(例えば、特許文献1(図1、図4、図5)参照。)。
【0003】
特許文献1の図1に示されるように、自動二輪車1(特許文献1記載の番号。以下同じ)の前部左側には、フェアリング2を覆うように左側のフラップ10が設けられている。この左側のフラップ10は、特許文献1の図4に示されるように、リンク機構50を介して駆動装置40に連結され、リンク機構50の右端部には、右側のフラップ20が取付けられている。
【0004】
駆動装置40のモータ41を駆動させることで、リンク機構50が可動するため、特許文献1の図5に示されるように、左側のフラップ10及び右側のフラップ20を外方(車両側方)へ開くことができる。この構造によれば、左側のフラップ10及び右側のフラップ20を任意の位置にすることができるため、走行風を乗員の嗜好に合わせることが可能になる。
【0005】
ところで、特許文献1の自動二輪車では、左側のフラップ10及び右側のフラップ20が常に外観部品となる。また、左側のフラップ10及び右側のフラップ20を開くと、内側のフェアリング2が外から見えてしまう。すなわち、内側のフェアリング2も外観部品となる。そのため、左側のフラップ10及び右側のフラップ20だけでなく、フェアリング2にも、外観を高めるための塗装や表面処理が必要であり、加工費が嵩みやすい。
【0006】
加えて、左側のフラップ10及び右側のフラップ20は、駆動装置40とリンク機構50により可動されるため、構造が複雑になると共に、コストが嵩みやすい。
【0007】
そのため、外観に与える影響を小さくし、且つ簡単な構造で乗員の嗜好に合わせた風防対策を実施することができる自動二輪車、特にスクータ型車両が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−88641公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、外観に与える影響を小さくし、且つ簡単な構造で乗員の嗜好に合わせた風防対策を実施することができるスクータ型車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、車体フレームを覆う第1カウル及び第2カウルを備え、前記第1カウルと前記第2カウルが所定の長さをもって接続されるスクータ型車両において、前記第1カウルと前記第2カウルの接続線に沿って第1の開口部が設けられ、この第1の開口部に走行風を風防するための第1の風防板がスライド可能に挿入され、この第1の風防板が収納位置から展開位置まで移動可能である位置調整機構を備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、車体フレームのヘッドパイプの後方を覆うインナーカウルを備え、第1カウルは、前記インナーカウルの下方に配置され乗員が車両の前方に向けて足を置くことができるステップフロアであり、第2カウルは、前記ステップフロアに隣接して前記車両の側方を覆うフロントサイドカバーであることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明では、第1の風防板は、車幅方向の外端に車両後方へ向けて延びるフランジ部を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明では、第1の風防板は、展開位置にスライドされたときに、前記第1の風防板の前面で受けた風の一部を、前記第1の風防板の背面へ導く導風孔を備えていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明では、第1の風防板は、車両側面視で、上部が下部よりも車両前方へ位置するように、前方へ傾斜して設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明では、第1の風防板は、車両側面視にて、中間部に傾斜角度が変化する屈曲部を備えていることを特徴とする。
【0016】
請求項7に係る発明では、車両の前部を覆うフロントカウルを備え、このフロントカウルの後方をインナーカウルが覆い、前記フロントカウルと前記インナーカウルの接続線に沿って第2の開口部が設けられ、この第2の開口部に走行風を風防するための第2の風防板がスライド可能に挿入されていることを特徴とする。
【0017】
請求項8に係る発明では、車両の前部に設けられるウインドスクリーンと、このウインドスクリーンの一部を覆うガーニッシュとを備え、このガーニッシュとフロントカウルの接続線に沿って第3の開口部が設けられ、この第3の開口部に走行風を風防するための第3の風防板がスライド可能に挿入されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明では、第1の風防板が、第1カウルと第2カウルの接続線に沿って設けられた第1の開口部に、スライド可能に挿入されているので、第1の風防板の大部分は、第1カウル及び第2カウルの内側に配置される。そのため、第1の風防板は、外観部品ではないので、表面処理等を省略することが可能になる。したがって、第1の風防板が車両の外観に与える影響を小さくすることができる。
【0019】
また、第1の風防板は、スライド可能であるため、簡単な構造で第1の風防板の収納位置及び展開位置を設定することができる。したがって、簡単な構造で乗員の嗜好に合わせた車両の風防対策を実施することができる。
【0020】
即ち、請求項1に係る発明によれば、外観に与える影響を小さくし、且つ簡単な構造で乗員の嗜好に合わせた風防対策を実施することができるスクータ型車両を提供することができる。
【0021】
加えて、スクータ型車両は、第1の風防板が収納位置から展開位置まで移動可能である位置調整機構を備えているので、第1の風防板の位置を簡単に調整することができる。
【0022】
請求項2に係る発明では、第1カウルがステップフロアであり、第2カウルがフロントサイドカバーであるので、第1の風防板は、フロントサイドカバーとステップフロアの接続線に沿って設けられた第1の開口部に、スライド可能に挿入される。第1の風防板を展開位置に移動させた状態で、乗員がスクータ型車両を運転すると、走行風は、第1の風防板によって車幅方向の外側に流れやすくなる。
【0023】
そのため、ステップフロアに流れ込む走行風を少なくすることができるので、乗員の足に対する風防効果を高めることができる。
【0024】
請求項3に係る発明では、第1の風防板は、車幅方向の外端に車両後方へ向けて延びるフランジ部を備えるので、第1の風防板を引き出すときの取っ手の役割を果たすことができる。また、第1の風防板の後方に流される走行風を整流させることができると共に、第1の風防板の強度を高めることができる。
【0025】
請求項4に係る発明では、第1の風防板は、展開位置にスライドされたときに、第1の風防板の前面で受けた風の一部を、第1の風防板の背面へ導く導風孔を備えているので、第1の風防板の前面と背面での圧力差が小さくなる。そのため、第1の風防板の背面が負圧状態になりにくくなるので、より整流効果を高めることができる。
【0026】
請求項5に係る発明では、第1の風防板は、車両側面視で、上部が下部よりも車両前方へ位置するように、前方へ傾斜して設けられているので、車両走行時に走行風が下方へ流れやすくなる。走行風が下方に向けて流れることにより、ステップフロア側への走行風の巻き込みを低減させることができる。
【0027】
請求項6に係る発明では、第1の風防板は、車両側面視にて、中間部に傾斜角度が変化する屈曲部を備えているので、第1の風防板が平板である場合に比べ、剛性を向上させることができる。
【0028】
請求項7に係る発明では、フロントカウルとインナーカウルの接続線に沿って第2の開口部が設けられ、この第2の開口部に走行風を風防するための第2の風防板がスライド可能に挿入されているので、第2の風防板を展開位置に移動させることができる。第2の風防板を展開位置にした状態で、乗員がスクータ型車両を運転すると、走行風は、第2の風防板によって車幅方向の外側に流れやすくなる。そのため、乗員の胴部に対する風防効果を高めることができる。
【0029】
請求項8に係る発明では、ガーニッシュとフロントカウルの接続線に沿って第3の開口部が設けられ、この第3の開口部に走行風を風防するための第3の風防板がスライド可能に挿入されているので、第3の風防板を展開位置に移動させることができる。第3の風防板を展開位置にした状態で、乗員がスクータ型車両を運転すると、走行風は、第3の風防板によって車高方向の上側に流れやすくなる。そのため、乗員の肩部に対する風防効果を高めることができる。
- 【公開番号】特開2011−31705(P2011−31705A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【発明の名称】スクータ型車両
- 【出願番号】特願2009−178943(P2009−178943)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
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