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スクータ型車両
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- 【要約】
【課題】スクータ型車両において前輪により跳ね上げられる水がエアクリーナにかかりにくくする。
【解決手段】
前輪1とシート2の間に運転者の足を乗せるステップフロア3を設け、このステップフロア3の下方をフロア下カバー4で覆い、このフロア下カバー4をフロアサイドカバー7と横断面略U字状のアンダーカバー8で構成し、ステップフロア3の後上方にエアクリーナ14の吸入口15を位置させたスクータ型車両において、エアクリーナ14より前方に配置され、フロア下カバーから車幅方向外側に突出しかつ上下方向に延びる車幅方向水切りリブ(43〜46)を設け、さらにフロアサイドカバー7とアンダーカバー8の合わせ部48に沿って前後方向リブ47を設け、前輪1の跳ね上げた水が、フロア下カバー4を伝わって吸入口15へ侵入しないように抑制する。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪の後方に配置され運転者が着座するシートと、
前輪の後方かつシートの前方に位置して運転者の足を乗せるステップフロアと、
ステップフロアの側方及び下方を覆う横断面略U字状のフロア下カバーと、
フロア下カバーの後上方であって車両の側方に面して配置され、エンジンの吸気系又は排気系の少なくともいずれか一方に空気を供給するエアクリーナと、を有するスクータ型車両において、
フロア下カバーに車幅方向外側へ突出する車幅方向水切りリブを設けたことを特徴とするスクータ型車両。
【請求項2】
前記車幅方向水切りリブの車幅方向外側の端部から車両方向前方に延びる前後方向水切りリブを配置したことを特徴とする請求項1記載のスクータ型車両。
【請求項3】
前記フロア下カバーは、前記ステップフロアの左右の端部から下方に延びる左右のフロアサイドカバーと、前記左右のフロアサイドカバーの下端部間に渡るアンダーカバーとから構成され、
前記フロアサイドカバーと前記アンダーカバーとは別体で構成され、
前記車幅方向水切りリブは、前記アンダーカバーに設けられることを特徴とする請求項1又は2記載のスクータ型車両。
【請求項4】
車幅方向水切りリブは横断面略U字状フロア下カバーの側部に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスクータ車両。
【請求項5】
サイドスタンドが前記フロア下カバーに設けられた開口部から外側に突出するように設けられ、略水平状態をなす格納位置と起立した状態の接地位置との間を回動自在であり、
前記サイドスタンドは、基端を回動自在に支持する回動軸部と、前記回動軸部から延びる脚部と、前記脚部の先端に接地部とを備え、
前記接地部は、前記脚部の断面よりも広い接地面を有する略板状の部材であり、
前記サイドスタンドを格納位置にしたとき、前記接地部の車幅方向中央部と前記フロア下カバーの前記接地部の車幅位置における後端部を結んだ線よりも斜め上かつ後方に前記エアクリーナが配置され、
前記車幅方向水切りリブは、前記回動軸部よりも後方であって、前記格納位置にあるサイドスタンドの接地部よりも前方の位置に配置されることを特徴とする
請求項1〜4いずれかに記載のスクータ型車両。
【請求項6】
前記サイドスタンドが前記フロア下カバーに設けられた開口部から外側に突出するように設けられ、前記車幅方向水切りリブは前記開口部の前方に配置されることを特徴とする請求項5に記載のスクータ型車両。
【請求項7】
前記格納位置にあるサイドスタンドの前記接地部上部に、前記接地部に当たった水が上方に跳ね上がらないようするための板部材を設けたことを特徴とする請求項5又は6のいずれかに記載のスクータ型車両。
【請求項8】
前記エアクリーナの吸入口が、該エアクリーナの前部に配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のスクータ型車両。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステップフロアとその後方に配置されたエアークリーナを有するスクータ型車両ににおて、前輪の跳ね上げた水をエアクリーナへ吸入しにくくするため水切り機構を設けたものに関する。
なお、以下の説明において、車両及びその構成部分について、前後・左右・上下等の各方向は、いずれも車体組立状態における車体を基準とする。また内外とは同じく車体組立状態において車体幅方向にて車体中心側に向かう方向を内方、反対側を外方という。
【背景技術】
【0002】
スクータ型車両において、後輪が跳ね上げる泥水等がエンジンにかかるのを防止するための構造を採用することがある。例えば、コネクティングチューブの上部に一体に設けられて上方に突出する立ち上がり壁と、収納ボックスの下部に一体に設けられて下方に垂下する垂下壁とを設けて、後輪で跳ね上げられた泥水等がコネクティングチューブよりも前方側へ向かうことを極力阻止するようにしたものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−341572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、車体中央部にステップフロアを設け、その後方のシート下における車体カバー内にエアクリーナを設けたスクータ型車両においては、前輪が跳ね上げる水がステップフロアの下方を覆うフロア下カバー等の車体カバーの表面を伝って車体カバー内に入ると、エアクリーナへ到達することがある。また、前輪が跳ね上げる水が、車体カバーの開口部、例えば、サイドスタンドの基部を軸着するための開口部から車体カバーの内側へ入ることによりやはりエアクリーナの吸入口へ至ることがある。また、格納位置にあるサイドスタンドの表面を伝って後端に位置する接地部で上方へ跳ね上げられることによりエアクリーナへ至る場合もある。
このように前輪の跳ね上げた水がエアクリーナに吸入されると、フィルタの目詰まりを招き易くなり、フィルタ交換によるメンテナンスサイクルが短縮してしまう。また、水に泥や埃等が混ざっていると、さらにフィルタ等の汚れが生じ易くなるので、このような前輪の跳ね上げた泥等が混ざることのある水(以下は単に水という)がエアクリーナへ到達することを阻止することが望まれている。
そのうえ、エアクリーナ内へ水が吸入されておらず、実際はフィルターが汚れていない場合でも、エアクリーナのケースやカバー類が汚れていると、整備者は念のため点検することになるので、ケースやカバー類に当たる水も極力避けたいという要望がある。
そこで、本発明は係る要請の実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、前輪の後方に配置され運転者が着座するシートと、
前輪の後方かつシートの前方に位置して運転者の足を乗せるステップフロアと、
ステップフロアの側方及び下方を覆う横断面略U字状のフロア下カバーと、
フロア下カバーの後上方であって車両の側方向に面して配置され、エンジンの吸気系又は排気系の少なくともいずれか一方に空気を供給するエアクリーナと、を有するスクータ型車両において、
フロア下カバーの側部に車幅方向外側へ突出する車幅方向水切りリブを設けたことを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は上記請求項1において、前記車幅方向水切りリブの車幅方向外側の端部から車両方向前方に延びる前後方向水切りリブを配置したことを特徴とする。
【0007】
請求項3はの発明は、上記請求項1又は2において、前記フロア下カバーは、前記ステップフロアの左右の端部から下方に延びる左右のフロアサイドカバーと、前記左右のフロアサイドカバーの下端部間に渡る横断面略U字状のアンダーカバーとから構成され、
前記フロアサイドカバーと前記アンダーカバーとは別体で構成され、
前記車幅方向水切りリブ及び前後方向水切りリブは、前記アンダーカバーに設けられることを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は上記請求項1〜3のいずれかにおいて、前記車幅方向水切りリブを横断面略U字状フロア下カバーの側部に設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は上記請求項1〜4のいずれかにおいて、サイドスタンドが前記フロア下カバーに設けられた開口部から外側に突出するように設けられ、略水平状態をなす格納位置と起立した状態の接地位置との間を回動自在であり、
前記サイドスタンドは、基端を回動自在に支持する回動軸と、前記回動軸から延びる脚部と、前記脚部の先端に接地部とを備え、
前記接地部は、前記脚部の断面よりも広い接地面を有する略板状の部材であり、
前記サイドスタンドを格納位置にしたとき、前記接地部の車幅方向中央部と前記フロア下カバーの前記接地部の車幅位置における後端部を結んだ線よりも斜め上かつ後方に前記エアクリーナが配置され、
前記車幅方向水切りリブは、前記回動軸よりも後方であって、前記格納位置にあるサイドスタンドの接地部よりも前方の位置に配置されることを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は上記請求項5において、前記サイドスタンドが前記フロア下カバーに設けられた開口部から外側に突出するように設けられ、前記車幅方向水切りリブは前記開口部の前方に配置されることを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は上記請求項5又は6のいずれかにおいて、前記格納位置にあるサイドスタンドの前記接地部上部に、前記接地部に当たった水が上方に跳ね上がらないようするための板部材を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項8の発明は上記請求項1〜7のいずれかにおいて、前記エアクリーナの吸入口が、該エアクリーナの前部に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、前輪が跳ね上げる泥や埃を含んだ水がフロア下カバーに当たってエアクリーナ方向へ流れても、その経路中に位置する車幅方向水切りリブが下方へ落下させて経路を遮断するので、後方のエアクリーナに伝わる水の量が減少し、エアクリーナが汚れにくくなる。
【0014】
請求項2の発明によれば、車幅方向水切りリブの車幅方向外側の端部から車両方向前方に延びる前後方向の前後方向水切りリブを配置すると、車幅方向水切りリブよりも前方でフロア下カバーに水が当たった場合でも水が前記前後方向水切りリブを伝って車幅方向水切りリブに集められるので、効果的に水を落とすことができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、前輪に跳ね上げられ、アンダーカバーに当たった水が、アンダーカバーとフロアサイドカバーとの境目に達する前に、前後方向水切りリブによって下方に落とされるため、前記境目から前記ステップ下カバーの内側に水が入りにくくなる。
また、外観的に見えにくい位置に配置されるアンダーカバーに車幅方向水切りリブおよび前後方向水切りリブを設けるので、外観性を保つことができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、車幅方向水切りリブを横断面略U字状をなすフロア下カバーの側部に設けたので、フロア下カバーの側部に沿って後方へ流れる水を阻み、後方のエアクリーナへ向かう水を抑制できるとともに、フロア下カバーの側部を補強できる。
【0017】
請求項5の発明によれば、接地部に当たった水が、フロア下カバーに阻止されることなく直接エアクリーナに当たりやすい状況においても、接地部に比較的近い前方に配置された車幅方向水切りリブにより接地部に直接水が当たりにくくなるので、接地部で跳ね上げられる水が少なくなるから、エアクリーナが汚れにくくなる。
【0018】
請求項6の発明によれば、車幅方向水切りリブが前記開口部の前方に配置されるので、前記開口から前記フロア下カバーの内側に入ろうとする水を減少させることができる。
また、サイドスタンドの回転軸に水が掛かりにくくなるので、サイドスタンドのメンテナンスサイクルを長くすることができる。
【0019】
請求項7の発明によれば、格納位置における接地部の上部に、前記接地部に当たった水が上方に跳ね上がらないようするための板部材を設けたので、この板部材により接地部に当たって上方へ跳ね上げられた水の量を減少させることができる。これにより、エアクリーナに水がよりかかりにくくなる。
【0020】
請求項8の発明によれば、エアクリーナの吸入口をエアクリーナの前部に配置したので、フロア下カバーへ吸入口を近付けることができるため、吸入口から吸い込む水の量が減少し、エアクリーナ内のメンテナンスサイクルを長くすることができる。
- 【公開番号】特開2011−31750(P2011−31750A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【発明の名称】スクータ型車両
- 【出願番号】特願2009−180163(P2009−180163)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100089509
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 清光
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