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自動二輪車
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- 【要約】
【課題】フートボードを備えた自動二輪車において、乗員の快適性を低下させることなく、エアクリーナへの水や粉塵等の浸入を抑制するとともに、収納ボックスの容量を確保する。
【解決手段】エアクリーナ30は、シート3の前部の下方かつシリンダヘッド8cの上方に配置されている。側面視において、エンジン8の吸気通路は、エアクリーナ30から略後方に延びてから下方に向かって湾曲し、さらに略前方に向かって湾曲する。収納ボックスはボックス前部とボックス後部とを有し、ボックス後部の底面の少なくとも一部は、ボックス前部の底面よりも下方に位置している。収納ボックスの底部には上方に凹んだ凹部が形成され、側面視にて収納ボックスと吸気通路の一部とが重なるように、吸気通路の一部が凹部の下方に配置されている。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に傾斜するシリンダを有するエンジンを備えたパワーユニットと、
前記パワーユニットの上方に配置されるシートと、
平面視において少なくとも一部が前記シートより前方に配置されるフートボードと、
前記パワーユニットの上方、かつ、前記シートの下方に配置され、後面に空気排出口を有するエアクリーナと、
前記エアクリーナの前記空気排出口と前記シリンダの上面とを接続する吸気通路と、
前記パワーユニットの上方、かつ、前記シートの下方に配置される収納ボックスと、
を備え、
前記シートは、
シート前端部から後方に向かって延びる第1部と、
前記第1部の後方に配置される第2部と、
を有し、
前記第1部の後端の車両左右方向の幅は前記シート前端部の車両左右方向の幅よりも広く、前記第2部の少なくとも一部の車両左右方向の幅は前記シート前端部の幅よりも広く形成されており、
前記エアクリーナは、前記シートの前記第1部の下方かつ前記シリンダの上方に配置され、
前記収納ボックスは、
前記シートの前記第1部の下方、かつ、前記エアクリーナの上方に位置するボックス前部と、
前記シートの前記第2部の下方に位置するボックス後部と、
を含み、
前記収納ボックスの底部には、上方に凹んだ第1凹部が形成され、前記吸気通路は前記第1凹部の下方に配置され、側面視にて前記収納ボックスと前記吸気通路とが重なる自動二輪車。
【請求項2】
請求項1に記載の自動二輪車であって、
前記ボックス後部の下面の少なくとも一部は前記ボックス前部の下面よりも下方に配置される自動二輪車。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の自動二輪車であって、
前記収納ボックスの後端は、前記吸気通路の後端よりも後方に位置する自動二輪車。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自動二輪車であって、
前記吸気通路は、
前記吸気通路の内部を通過する空気の量を調整する吸気量調整装置、
を有し、
前記吸気量調整装置は、側面視で前記エアクリーナの後方、かつ、前記収納ボックスの下方に配置されている自動二輪車。
【請求項5】
請求項4に記載の自動二輪車であって、
前記吸気通路は、
前記エアクリーナの前記空気排出口と前記吸気量調整装置とを接続する第1のダクトと、
前記吸気量調整装置と前記シリンダの上面とを接続する第2のダクトと、
を有し、
前記エアクリーナの底部には、上方に凹んだ第2凹部が形成され、前記第2のダクトは、前記第2凹部の下方に配置され、側面視で前記エアクリーナと重なる自動二輪車。
【請求項6】
請求項5に記載の自動二輪車であって、
前記第1のダクトは、
前記エアクリーナの前記空気排出口に接続され、後方に延びる第1部分と、
前記第1部分の後部に配置され、下方に向かって湾曲する第2部分と、
前記第2部分の下部に配置され、前方に向かって湾曲して前記吸気量調整装置と接続される第3部分と、
を有する自動二輪車。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の自動二輪車であって、
前記エアクリーナの前記空気排出口は、鉛直方向の最大長が水平方向の最大長よりも短い断面を有しており、前記吸気通路の前記空気排出口との接続部は、鉛直方向の最大長が水平方向の最大長よりも短い断面を有する自動二輪車。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の自動二輪車であって、
前記エアクリーナは、
前方に面する前面部に空気導入口を有し、
前記自動二輪車は、さらに、
前記エアクリーナの前方に配置され、前記フートボードの後部から上方に延びる車体カバー、
を備える自動二輪車。
【請求項9】
請求項8に記載の自動二輪車であって、
前記空気導入口は、前記エアクリーナの前記前面部における上下方向の中間よりも上方に配置される自動二輪車。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の自動二輪車であって、さらに、
前記パワーユニットより上方であって、前記シートの下方、かつ、前記収納ボックスの後方に配置された燃料タンク、
を備える自動二輪車。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の自動二輪車であって、
前記収納ボックスの底部に前記第1凹部が形成されていることにより、前記収納ボックスの内部空間の底部には上方に突出する凸部が形成されている自動二輪車。
【請求項12】
請求項1に記載の自動二輪車であって、
前記第1凹部は、平面視で車体前後方向に延びる前記シートの中心線と重なる自動二輪車。
【請求項13】
請求項5に記載の自動二輪車であって、
前記第2凹部は、平面視で車体前後方向に延びる前記シートの中心線と重なる自動二輪車。
【請求項14】
請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の自動二輪車であって、さらに、
前記パワーユニットを揺動可能に支持する車体フレーム、
を備え、
前記エアクリーナは、前記パワーユニットと共に前記車体フレームに対して揺動可能に支持される自動二輪車。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動二輪車に関する。詳しくは、フートボードを備えた自動二輪車における収納ボックスの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ユニットスイング式のパワーユニットを備えた自動二輪車が知られている。パワーユニットは、エンジンを有する。ユニットスイング式のパワーユニットは、車体フレームに揺動自在に支持される。
【0003】
特許文献1にパワーユニットを備えた自動二輪車が開示されている。特許文献1に記載された自動二輪車において、乗員が着座するシートの前方かつ下方にフートボードが配置されている。フートボードを備えた自動二輪車では、乗員は、走行時には両足をフートボード上に置く。乗員は、楽な乗車姿勢をとることができる。乗車および降車の際、乗り降りし易いという利点がある。
【0004】
特許文献1に記載された自動二輪車において、エンジンを有するユニットスイング式のパワーユニットはシートの下方に配置されている。収納ボックスは、シートの下方に設けられている。エンジンはシリンダ軸線が略前方に向かって延びている。エンジンはシリンダヘッドを備え、シリンダヘッドには、上方かつ後方に延びる吸気ダクトが接続されている。吸気ダクトの後端には、エアクリーナが接続されている。エアクリーナから吸気ダクトを経てシリンダヘッドに至る吸気系の部品は、前方かつ下方に向かって配置されている。エアクリーナは、エンジンの上方かつ収納ボックスの後部の下方に配置されている。シートよりも下方には、車体側方を覆う車体カバーが設けられている。
【0005】
特許文献1に記載された自動二輪車において、側面視において、車体カバーの下縁が後方かつ上方に向かって延び、上下方向に関して車体カバーの下縁と後輪との間に空間が形成されている。パワーユニットは、ピボット軸を介して車体フレームに揺動自在に支持されている。ピボット軸は、パワーユニットの下方に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−168530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された自動二輪車は、シートの前方でシートより低い位置にフートボードが配置されている。フートボードを備えた自動二輪車では、乗車および降車がし易く、乗員は運転時に楽な姿勢をとることができる。
【0008】
乗員の快適性を確保するためには、フートボードはなるべく低く配置したい。乗員の快適性を優先してフートボードをできるだけ低い位置に配置すると、フートボードの下方の空間は狭くなる。フートボードの下方に収納ボックスを配置することは困難である。フートボードの下方に空間を確保することは困難であるため、収納ボックスをシートの下方に配置する必要がある。収納ボックスおよびエアクリーナをシートの下方に配置する必要があるため、収納ボックスおよびエアクリーナの容積を充分に確保することが困難である。
【0009】
さらには、エアクリーナは水や粉塵等が入り込まない場所に配置する必要がある。このような条件を満たしつつ、シート下の狭い空間に、収納ボックスおよびエアクリーナを配置するのは困難である。
【0010】
本発明の目的は、フートボードを備えた自動二輪車において、乗員の快適性を低下させることなく、エアクリーナへの水や粉塵等の浸入を抑制するとともに、収納ボックスの容量を確保することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0011】
本実施の形態の自動二輪車は、パワーユニット、シート、フートボード、エアクリーナ、吸気通路および収納ボックスを備える。パワーユニットは、前方に傾斜するシリンダを有するエンジンを備える。シートは、パワーユニットの上方に配置される。フートボードは、平面視において少なくとも一部がシートより前方に配置される。エアクリーナは、パワーユニットの上方、かつ、シートの下方に配置され、後面に空気排出口を有する。吸気通路は、エアクリーナの空気排出口とシリンダの上面とを接続する。収納ボックスは、パワーユニットの上方、かつ、シートの下方に配置される。シートは、シート前端部から後方に向かって延びる第1部と、第1部の後部に配置される第2部とを有する。第1部の後端の車両左右方向の幅はシート前端部の車両左右方向の幅よりも広く、第2部の少なくとも一部の車両左右方向の幅はシート前端部の幅よりも広く形成されている。エアクリーナは、シートの第1部の下方かつシリンダの上方に配置され、収納ボックスは、シートの第1部の下方、かつ、エアクリーナの上方に位置するボックス前部と、シートの第2部の下方に位置するボックス後部とを含む。収納ボックスの底部には、上方に凹んだ凹部が形成され、吸気通路は凹部の下方に配置され、側面視にて収納ボックスと吸気通路とが重なって配置される。
【0012】
本発明によれば、フートボードを備えた自動二輪車において、乗員の快適性を低下させることなく、エアクリーナへの水や粉塵等の浸入を抑制するとともに、収納ボックスの容量を確保することができる。
- 【公開番号】特開2011−31873(P2011−31873A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【発明の名称】自動二輪車
- 【出願番号】特願2010−22360(P2010−22360)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
【識別番号】100112715
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 隆夫
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
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