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自動二輪車の電装品ユニット
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- 【要約】
【課題】保護チューブを用いないで、ハーネスの取付け部位を保護することができる自動二輪車の電装品ユニットを提供することを課題とする。
【解決手段】電装品ユニット50は、筐体支持ステー55にねじ56を介して設けられ発電制御用のレギュレータ回路が内蔵されている筐体52と、この筐体52の壁57を貫通する形態で外部に延ばされ電機部品へ給電する複数のハーネス53と、筐体52の壁57に取付けられハーネス53を壁57に固定するハーネス固定部品58と、このハーネス固定部品58から外方へ延ばされている板状のハーネスガード部61とを備えている。
【効果】板状のハーネスガード部でハーネスを保護する。すなわち、保護チューブを用いないで、ハーネスの取付け部位を保護することができる。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動二輪車(10)の車体フレーム(11)に取付けられ電気回路(66)を内蔵している筐体(52)と、この筐体(52)の壁(57)を貫通する形態で外部に延ばされ車体に装備される電気部品へ給電する複数本のハーネス(53)と、前記筐体(52)の壁(57)に取付けられ前記ハーネス(53)を前記壁(57)に固定するハーネス固定部品(58)と、からなる自動二輪車(10)の電装品ユニット(50)において、
前記ハーネス固定部品(58)から板状のハーネスガード部(61)が外方へ延ばされ、このハーネスガード部(61)で前記複数本のハーネス(53)の特定の部位(62)をガードするようにしたことを特徴とする自動二輪車(10)の電装品ユニット(50)。
【請求項2】
前記特定の部位(62)は、前記ハーネス(53)の下面(62)であり、当該ハーネス(53)の下面(62)に前記車体フレーム(11)が対向することを特徴とする請求項1記載の自動二輪車(10)の電装品ユニット(50)。
【請求項3】
前記筐体(52)は、前記車体フレーム(11)に溶接されている筐体支持ステー(55)に取付けられ、前記ハーネスガード部(61)は当該筐体支持ステー(55)と、前記車体フレーム(11)との結合部(59)に対向することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動二輪車(10)の電装品ユニット(50)。
【請求項4】
前記ハーネスガード部(61)は、前記結合部(59)の溶接のビード(64)の上に延ばされることを特徴とする請求項3記載の自動二輪車(10)の電装品ユニット(50)。
【請求項5】
前記複数本のハーネス(53)は、前記ハーネスガード部(61)の上面(63)に沿って並べられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の自動二輪車(10)の電装品ユニット(50)。
【請求項6】
前記ハーネス固定部品(58)は、グロメット(58)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の自動二輪車(10)の電装品ユニット(50)。
【請求項7】
前記筐体(52)には、発電制御用のレギュレータ回路(66)が内蔵されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の自動二輪車(10)の電装品ユニット(50)。
【請求項8】
前記車体フレーム(11)は、ヘッドパイプ(12)から後方へ延ばされたメインフレーム(41)と、このメインフレーム(41)の後端から左右に分岐する左右の分岐フレーム(43、44)とを含み、
前記筐体支持ステー(55)は、前記メインフレーム(41)と前記分岐フレーム(43、44)との接合部(51)近傍に設けられていることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項記載の自動二輪車(10)の電装品ユニット(50)。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車の電装品ユニット、特にハーネスを固定するハーネス固定部品を備える電装品ユニットの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車には、前照灯、方向指示灯、レギュレータ、通信機器や点火装置やECU(電子制御ユニット)などの各種電装品が備えられ、このような電装品を備えている自動二輪車が各種提案されている(例えば、特許文献1(図5)参照。)。
【0003】
この特許文献1に示される電装品ユニット35(符号は同公報のものを流用する。以下、同じ。)は、筐体37、アンテナ34、端子39、サークリップ38及びハーネスを覆うチューブ40で構成される。
【0004】
チューブ40はハーネスを車体フレームから保護する為に設けられるが、電装品ユニット35から複数本のハーネスが延ばされることが少なくなく、これらのハーネスの各々に厚肉のチューブ40が取付けられると、隣り合うハーネス同士のピッチが必然的に大きくなる。特に、ハーネスを横一列に並べる場合には、一番手前のハーネスと最も奥のハーネスとの間隔が大きくなり、電装品ユニット35のレイアウトや取付けに影響が出る。
【0005】
加えて、ハーネスの各々にチューブ40を取付ける必要があり、チューブ40の取付けコストが嵩む。
そこで、保護チューブを用いないで、ハーネスの取付け部位を車体フレームから保護することができる電装品ユニットが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−1556公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、保護チューブを用いないで、ハーネスの取付け部位を保護することができる自動二輪車の電装品ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、自動二輪車の車体フレームに取付けられ電気回路を内蔵している筐体と、この筐体の壁を貫通する形態で外部に延ばされ車体に装備される電気部品へ給電する複数本のハーネスと、前記筐体の壁に取付けられ前記ハーネスを前記壁に固定するハーネス固定部品と、からなる自動二輪車の電装品ユニットにおいて、前記ハーネス固定部品から板状のハーネスガード部が外方へ延ばされ、このハーネスガード部で前記複数本のハーネスの特定の部位をガードするようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明では、特定の部位は、ハーネスの下面であり、当該ハーネスの下面に車体フレームが対向することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明では、筐体は、車体フレームに溶接されている筐体支持ステーに取付けられ、ハーネスガード部は当該筐体支持ステーと、車体フレームとの結合部に対向することを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明では、ハーネスガード部は、結合部の溶接のビードの上に延ばされることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明では、複数本のハーネスは、ハーネスガード部の上面に沿って並べられていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明では、ハーネス固定部品は、グロメットであることを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明では、筐体には、発電制御用のレギュレータ回路が内蔵されていることを特徴とする。
【0015】
請求項8に係る発明では、車体フレームは、ヘッドパイプから後方へ延ばされたメインフレームと、このメインフレームの後端から左右に分岐する左右の分岐フレームとを含み、筐体支持ステーは、メインフレームと分岐フレームとの接合部近傍に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明では、ハーネス固定部品から板状のハーネスガード部が外方へ延ばされている。板状のハーネスガード部でハーネスを保護する。すなわち、保護チューブを用いないで、ハーネスの取付け部位を車体フレームに対向する部位の部分だけコンパクトに保護することができる。
そして、ハーネス固定部品を変形させて板状のハーネスガード部を成形してあるので、ハーネス固定部品とハーネスガード部とが一体にでき、コストの低減を図ることができる。
加えて、筐体にハーネス固定部材を取付けるだけで、ハーネスガード部も取付けられるので、取付けの手間も軽減することができる。
【0017】
請求項2に係る発明では、ハーネスは自重で垂れ下がり、下側が接触することで傷つき易くなる。ハーネスの下面をガードするので、ハーネスを適切にガードすることができる。
【0018】
請求項3に係る発明では、筐体は、筐体支持ステーに取付けられる。筐体支持フレームは車体フレームに溶接されているので、筐体を車体フレームの任意の場所に配置することができる。
【0019】
請求項4に係る発明では、ハーネスガード部は、溶接のビードの上に延ばされている。ハーネスガード部がハーネスのビードへの接触を防ぐので、ビードからハーネスを保護することができる。
【0020】
請求項5に係る発明では、複数本のハーネスは、ハーネスガード部の上面に沿って並べられている。仮に、ハーネスの全体を覆うハーネスガード部を使用すると、ハーネスガード部が大きくなりコストアップを招く。本発明であれば、横一列に並べられた複数本のハーネスを、板状のハーネスガード部に並べたので、コンパクトにすることができ、ハーネスガード部のコストの低減を図ることができる。
【0021】
請求項6に係る発明では、ハーネス固定部品は、グロメットである。グロメットはゴムや樹脂等で成形することが一般的である。ハーネス固定部品とハーネスガード部との一体成形が容易となり、製造コストの低減を図ることができる。
【0022】
請求項7に係る発明では、筐体には、発電制御用のレギュレータ回路が内蔵されている。レギュレータは複数本のハーネスが必要となるが、本発明であれば、レギュレータに接続される複数本のハーネスを適切にガードすることができる。特に、レギュレータは、発熱部品であって、その熱引きの為にフレームに直付けすることが望ましく、筐体とフレームが接近して取付けられるものであるので、そのハーネスに本発明のようなハーネスガード部を用いることは、非常に大きな効果を発揮することができる。
【0023】
請求項8に係る発明では、筐体支持ステーは、メインフレームと分岐フレームとの接合部近傍に設けられている。筐体とハーネスが、フレーム上に露出するので、筐体へのハーネスの取付けが容易になる。
- 【公開番号】特開2011−6028(P2011−6028A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【発明の名称】自動二輪車の電装品ユニット
- 【出願番号】特願2009−153826(P2009−153826)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
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