エアバッグ装置
- 【要約】
【課題】本発明は、防水機能を強化したエアバッグ装置を提供することを課題とする。
【解決手段】エアバッグモジュール82は、保持箱98を備えている。この保持箱98は、底板102と、この底板102に立設した側板105と、この側板105の上方を塞ぐリッド104と、からなる。保持箱98の底板102に、開口部101L、101Rを設け、これらの開口部101L、101Rを貫通する形態で左右並列にインフレータ95、96を設け、インフレータ95、96の下方を、1つの防水カバー103で覆うようにした。保持箱98に、防水カバー103を保持箱98に固定する固定プレート174が備えられ、防水カバー103は、固定プレート174と保持箱98の間に挟持されている。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアバッグを保持する保持箱と、この保持箱の中に装着され前記エアバッグを膨張させるためのガスを発生するインフレータと、を備えたエアバッグ装置において、
前記インフレータは、前記保持箱の底板を貫通する形態で並列に複数個設けられており、
前記保持箱に、前記複数のインフレータの下方を覆う1つの防水カバーが備えられていることを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項2】
前記保持箱に、前記保持箱の外側から前記防水カバーを前記保持箱に固定する固定プレートが備えられ、
前記防水カバーは、前記固定プレートと前記保持箱の間に挟持されていることを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
【請求項3】
前記エアバッグ装置は、前記エアバッグの展開を制御するエアバッグ制御ユニットを備え、このエアバッグ制御ユニットと前記インフレータとの間に、前記エアバッグの展開制御信号を伝達する配線が備えられ、
この配線は、前記防水カバーを通過し、前記インフレータの下部へ延出するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエアバッグ装置。
【請求項4】
前記防水カバーに、第1の水抜き穴が設けられていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のエアバッグ装置。
【請求項5】
前記底板の端部に凹溝が形成され、この凹溝に第2の水抜き穴が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のエアバッグ装置。
【請求項6】
前記保持箱に、前記エアバッグが連結されている前記複数のインフレータを前記保持箱に取り付ける1枚のバッグリングが備えられ、
この1枚のバッグリングを前記保持箱に取り付けるバッグリング取付部は、前記保持箱を底方向から見たときに、前記固定プレートに設けられ前記防水カバーを前記保持箱に固定する固定部の内側に配置されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載のエアバッグ装置。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグ装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車のエアバッグ装置が従来技術として知られている(例えば、特許文献1(図1)参照。)。
【0003】
特許文献1の図1において、エアバッグ装置は、保持箱16(符号は、同公報のものを流用する。以下同じ。)と、この保持箱16に収納されエアバッグを膨張させるための気体を発生するインフレータ22と、を備えている。
【0004】
保持箱16は、底板161と、側板162と、車体フレーム側に取り付けられるブラケット21と、からなる。底板161は、インフレータ22を支持するとともにインフレータ22の下部が貫通する貫通穴163を有する。インフレータ22は、周囲に張り出したフランジ221を有し、このフランジ221を介して底板161にボルト27およびナット28でねじ止めされている。
【0005】
ところで、特許文献1のエアバッグ装置は、鞍乗型車両に搭載されている。鞍乗型車両において、通常、エアバッグ装置は外に露出しており、防水機能の一層の強化が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−338658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、防水機能を強化したエアバッグ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、エアバッグを保持する保持箱と、この保持箱の中に装着されエアバッグを膨張させるためのガスを発生するインフレータと、を備えたエアバッグ装置において、インフレータは、保持箱の底板を貫通する形態で並列に複数個設けられており、
保持箱に、複数のインフレータの下方を覆う1つの防水カバーが備えられていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、保持箱に、保持箱の外側から防水カバーを保持箱に固定する固定プレートが備えられ、防水カバーは、固定プレートと保持箱の間に挟持されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明では、エアバッグ装置は、エアバッグの展開を制御するエアバッグ制御ユニットを備え、このエアバッグ制御ユニットとインフレータとの間に、エアバッグの展開制御信号を伝達する配線が備えられ、この配線は、防水カバーを通過し、インフレータの下部へ延出するようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、防水カバーに、第1の水抜き穴が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発では、底板の端部に凹溝が形成され、この凹溝に第2の水抜き穴が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、保持箱に、エアバッグが連結されている複数のインフレータを保持箱に取り付ける1枚のバッグリングが備えられ、この1枚のバッグリングを保持箱に取り付けるバッグリング取付部は、保持箱を底方向から見たときに、固定プレートに設けられ防水カバーを保持箱に固定する固定部の内側に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、保持箱に、複数のインフレータの下方を覆う1つの防水カバーが備えられている。このような防水カバーであれば、装置の防水機能を一層高めることができる。また、保持箱に複数のインフレータが設けられている場合であっても効率良く覆うことができる。
【0015】
請求項2に係る発明では、保持箱に、保持箱の外側から防水カバーを保持箱に固定する固定プレートが備えられているので、防水カバーを保持箱に確実に固定することができ、防水性能を高めることができる。
【0016】
請求項3に係る発明では、エアバッグ制御ユニットとインフレータとの間を連結する配線は、防水カバーを通過し、インフレータの下部へ延出するようにした。このため、保持箱に防水カバーが設けられている場合であっても、配線の取り回しを容易に行うことができる。
【0017】
請求項4に係る発明では、防水カバーに、第1の水抜き穴が設けられているので、防水カバーの内側に水が侵入した場合であっても、侵入した水は、第1の水抜き穴を通して、速やかに防止カバーの外に排出される。したがって、インフレータが装着されている防水カバーの内側を好ましい状態に保つことができる。
【0018】
請求項5に係る発明では、底板の端部に凹溝が形成され、この凹溝に第2の水抜き穴が設けられているので、保持箱に水が侵入した場合であっても、侵入した水は、第2の水抜き穴を通して、速やかに保持箱の外に排出される。したがって、インフレータが装着されている保持箱の内側を好ましい状態に保つことができる。
【0019】
請求項6に係る発明では、保持箱に、複数のインフレータを保持箱に取り付ける1枚のバッグリングが備えられている。複数のインフレータの取付は、1枚のバッグリングで済ませることができるので、部品点数の増加を抑えることができる。
また、固定プレートを保持箱に固定する固定部は、インフレータを保持箱に取り付けるバックリング取付部の外側に配置したので、防水カバーを取り付ける場合であっても、インフレータやエアバッグの配置に制約を与える心配はない。
- 【公開番号】特開2011−965(P2011−965A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【発明の名称】エアバッグ装置
- 【出願番号】特願2009−145738(P2009−145738)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
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