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トンネル換気システム
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- 【要約】
【課題】運転モードに応じて最適の運転パターンを選択して実行できる。
【解決手段】トンネル坑口での騒音が最小となる運転モードを含む複数の運転モードを有する。換気入力手段によって入力される換気量に基づいて、パターン選出手段11Aによって換気ジェットファンの運転台数、運転周波数を含めて複数の運転パターンを選出する。このパターン選出手段11Aからの信号を受けて状態演算手段11Bが前記各運転パターンで運転した場合の、各換気ジェットファン2の運転状態を演算する。モード選択手段13により選択された運転モードが最適となる状態の運転パターンをパターン決定手段11Cによって決定する。このパターン決定手段11Cにより決定された運転パターンに基づき、前記各換気ジェットファン2の電動機を運転制御手段11Dによって運転制御する。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路トンネルの天井部に設置され電動機で駆動される複数台の換気ジェットファンと、前記各換気ジェットファンを、前記電動機の回転数可変機構を介して運転制御する換気制御手段とを備えるトンネル換気システムにおいて、
設置される道路トンネルについての必要換気量を入力する換気量入力手段と、
トンネル坑口での騒音が最小となる運転モードを含む複数の運転モードを有し前記複数の運転モードから必要とする運転モードを選択するモード選択手段とを備え、
前記換気制御手段は、前記換気量入力手段よりの信号を受け、前記必要換気量に基づいて、前記換気ジェットファンの運転台数、運転周波数を含めて複数の運転パターンを選出するパターン選出手段と、
このパターン選出手段からの信号を受け前記各運転パターンで運転した場合の、前記各換気ジェットファンの運転状態を演算する状態演算手段と、
この状態演算手段および前記モード選択手段よりの信号を受け前記選択された運転モードが最適となる状態の運転パターンを決定するパターン決定手段と、
このパターン決定手段よりの信号を受け前記決定された運転パターンに基づき前記各換気ジェットファンの電動機を運転制御する運転制御手段と
を備え、
前記トンネル坑口での騒音が最小となる運転モードが選択された場合には、前記状態演算手段は、次の式に基づき、前記トンネル坑口での騒音を演算することを特徴とするトンネル換気システム。
【数10】
ここで、
L(n,ki):ジェットファンn号機の運転周波数「kiヘルツ」時の坑口での騒
音レベル
【請求項2】
前記複数台の換気ジェットファンは、複数種類の換気ジェットファンを含むものであり、
前記パターン選出手段は、前記運転台数に代えて、
前記複数種類の換気ジェットファンによる換気を、基準となる1種類の換気ジェットファンによる換気に置き換えると想定した場合に、複数種類の換気ジェットファンにより達成される換気量を、前記1種類の換気ジェットファンにより達成するために必要とされる
前記換気ジェットファンの運転台数である換気量相当台数を用いることを特徴とする請求項1に記載のトンネル換気システム。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転数可変機構を備える複数台のジェットファンを用いたトンネル換気システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
トンネル換気システムに使用されている換気ジェットファンは、円筒型のケーシング内に羽根車と電動機とが配設され、羽根車を電動機により回転駆動させることによって、ケーシングの長手方向に空気流を発生させる仕組みになっている。このような構造からなる換気ジェットファンを、ケーシングの長手方向をトンネルの縦方向(長手方向)に向けた状態でトンネル内の天井部に吊設し、換気ジェットファンから吹出す空気流によってトンネル内に縦方向の換気風を発生させて効率の良い換気を行なっている。つまり、トンネル縦方向に作用する交通換気力及び自然換気力を補足するようにジェットファンの噴流効果による圧力上昇を発生させ、これにより必要換気量を満足しようとする。
【0003】
このような換気方式は縦流換気方式とも呼ばれており、換気ジェットファンは平常時制御または非常時制御等の制御モードを切り換えて運転されている。
【0004】
従来、ジェットファンを用いたトンネル換気システムは、トンネル内に複数台のジェットファンを配置し、トンネル内の必要換気量に対し、ジェットファンの駆動台数のみのステップ状の制御を行っているのが現状である。換気ジェットファンの吹出し風量を調整することができないために、吹出し風量が必要換気量に対して多くなりがちで、電力を無駄に消費している。
【0005】
そこで、出願人は、道路トンネル内の天井部に設置される一方向または双方向に運転可能な電動機で駆動される換気ジェットファンを備えた道路トンネル用換気システムにおいて、前記電動機の回転数可変機構を備えた複数台の換気ジェットファンと、平常時に前記各換気ジェットファンを低速運転する一方、火災排煙時等の非常時には前記各換気ジェットファンを高速運転する制御指令をそれぞれ前記回転数可変機構を介して行う換気制御装置を備えたものを提案している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−116768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の換気制御装置によれば、前記換気ジェットファンを、トンネル内の必要換気量に見合う吹出し風量に変化させて運転を行なうことができるため、無駄な電力の消費をある程度回避することができるが、平常時のみについて考えれば、吹き出し風量が必要換気量に対して多くなり、電力を無駄に消費している場合がある。
【0008】
発明者は、回転可変機構を有する複数台のジェットファンを用いて、回転数と運転台数を制御することで連続的な換気量制御を可能とするのに加えて、必要換気量を発生させる運転パターンは複数通り想定できることに着目し、与えられた運転モードに応じて最適の運転パターンを選択して実行できるトンネル換気システムを発明したものである。
【0009】
この発明は、運転モードに応じて最適の運転パターンを選択して実行できるトンネル換
気システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、道路トンネルの天井部に設置され電動機で駆動される複数台の換気ジェットファンと、前記各換気ジェットファンを、前記電動機の回転数可変機構を介して運転制御する換気制御手段とを備えるトンネル換気システムにおいて、設置される道路トンネルについての必要換気量を入力する換気量入力手段と、トンネル坑口での騒音が最小となる運転モードを含む複数の運転モードを有し前記複数の運転モードから必要とする運転モードを選択するモード選択手段とを備え、前記換気制御手段は、前記換気量入力手段よりの信号を受け、前記必要換気量に基づいて、前記換気ジェットファンの運転台数、運転周波数を含めて複数の運転パターンを選出するパターン選出手段と、このパターン選出手段からの信号を受け前記各運転パターンで運転した場合の、前記各換気ジェットファンの運転状態を演算する状態演算手段と、この状態演算手段および前記モード選択手段よりの信号を受け前記選択された運転モードが最適となる状態の運転パターンを決定するパターン決定手段と、このパターン決定手段よりの信号を受け前記決定された運転パターンに基づき前記各換気ジェットファンの電動機を運転制御する運転制御手段とを備え、前記トンネル坑口での騒音が最小となる運転モードが選択された場合には、前記状態演算手段は、次の式に基づき、前記トンネル坑口での騒音を演算することを特徴とする。ここで、「必要換気量」は、道路トンネルごとに、周知の方法によって予め演算されるもので、演算された結果の必要換気量が換気量入力手段によって入力される。よって、請求項1の発明は、必要換気量が決定した後、運転モードに応じて、その必要換気量となる最適の換気制御となる運転パターンを決定するものである。
【0011】
【数1】
ここで、
L(n,ki):ジェットファンn号機の運転周波数「kiヘルツ」時の坑口での騒
音レベル
このようにすれば、必要換気量を確保する複数の運転パターンを選出し、その複数の運転パターンのうちで、目標とする運転モードで最適となる運転パターンで運転することができる。
【0012】
とくに、トンネル坑口での騒音が最小となる運転モードが選択された場合には、トンネル坑口での騒音を最小とすることができるので、周辺住民の不快度を低減することができる。
【0013】
さらに、請求項1の発明では、複数台の換気ジェットファンは、換気能力(換気量)が同じである同一種類のものを用いているが、換気能力(換気量)が異なる複数種類のものを用いる場合にも適用することができる。その場合には、請求項2に記載のように、前記複数台の換気ジェットファンは、複数種類の換気ジェットファンを含むものであり、前記パターン選出手段は、前記運転台数に代えて、前記複数種類の換気ジェットファンによる換気を、基準となる1種類の換気ジェットファンによる換気に置き換えると想定した場合に、複数種類の換気ジェットファンにより達成される換気量を、前記1種類の換気ジェットファンにより達成するために必要とされる前記換気ジェットファンの運転台数である換気量相当台数を用いるようにすればよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明は,上記のように構成したから、必要換気量を確保する複数の運転パターンを選出し、その複数の運転パターンのうちで、目標とする運転モードで最適の運転パターンで運転することができる。
【0015】
とくに、トンネル坑口での騒音が最小となる運転モードを選択する場合には、トンネル坑口での騒音を最小とすることができ、周辺住民の不快度を低減できる。
- 【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るトンネル換気システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】消費電力優先モードで、(a)はジェットファンの運転台数をパラメータとして、必要換気量とジェットファン運転周波数(インバータ周波数)との関係を示す図、(b)はインバータ効率、モータ効率、ファン効率、電力(i台)、全ファン空気動力(i台)、ファン空気動力(1台)が、前記周波数の変化に伴う変化の状態を示す説明図、(c)はジェットファンの運転台数をパラメータとして、必要換気量と消費電力との関係を示す説明図、(d)は最適の運転パターンにおける必要換気量と消費電力との関係を示す図である。
【図3】換気制御手段の制御内容の説明図である。
【図4】坑口騒音優先モードで、(a)はジェットファンの運転台数をパラメータとして、必要換気量とインバータ周波数との関係を示す図、(b)は特定の換気ジェットファン(運転号機)をパラメータとして、坑口騒音と周波数との関係を示す説明図図、(c)はジェットファンの運転台数及び特定のジェットファン(運転号機)をパラメータとして、必要換気量と坑口騒音との関係を示す説明図、(d)は最適の運転パターンにおける必要換気量と抗口騒音との関係を示す図である。
【図5】軸受負荷優先モードで、(a)はジェットファンの運転台数をパラメータとして、必要換気量とインバータ周波数との関係を示す図、(b)は軸受負荷(1台当たり)および軸受寿命の変化の状態を示す説明図図、(c)はジェットファンの運転台数をパラメータとして、必要換気量と軸受寿命との関係を示す説明図、(d)は最適の運転パターンにおける必要換気量と軸受負荷との関係を示す図である。
【図6】ジェットファンの換気能力が異なる場合の、図2(a)と同様の図である。
【図7】(a)は必要換気量と運転台数との関係を示す図、(b)は必要換気量と運転周波数との関係を示す図である。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
- 【公開番号】特開2012−12922(P2012−12922A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【発明の名称】トンネル換気システム
- 【出願番号】特願2011−23692(P2011−23692)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100085291
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実
【識別番号】100117798
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 慎一
【識別番号】100166899
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 慶太
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