移動防止手段
- 【要約】
【課題】挿口部と受口部との離脱方向及び挿入方向の相対移動を強力に防止することができる移動防止手段を提供すること。
【解決手段】挿口部1aの外周面1cに係止爪を係止させることで、挿口部1aと受口部2aとの離脱方向及び挿入方向の相対移動を防止する移動防止手段4であって、係止部6aは、挿口管1の管軸C方向で対向して一対の係止爪6a,6a’が設けられているとともに、少なくとも一つの係止部6と他の係止部6とは、双方の両係止爪6a,6a’が管軸C方向にずれた位置に配置されることで、周方向に渡って挿口部1aの外周面1cを双方の両係止爪6a,6a’が係止する。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿口管の挿口部の周方向に沿って配置され、該挿口部の外周面に係止する係止爪が前記挿口部の前記外周面に沿って夫々形成された複数の係止部と、前記挿口部が挿入される受口管の受口部若しくは該受口部に支持されたカバー部に形成されるとともに、前記挿口部の外周面に向けて開口し前記係止部を内部に収納する凹部と、前記凹部内の前記係止部を前記挿口部の前記外周面に向けて押圧する押圧部と、を備え、前記挿口部の前記外周面に前記係止爪を係止させることで、前記挿口部と前記受口部との離脱方向及び挿入方向の相対移動を防止する移動防止手段であって、
前記係止部は、前記挿口管の管軸方向で対向して一対の係止爪が設けられているとともに、少なくとも一つの前記係止部と他の係止部とは、双方の両係止爪が前記管軸方向にずれた位置に配置されることで、周方向に渡って前記挿口部の前記外周面を双方の両係止爪が係止することを特徴とする移動防止手段。
【請求項2】
前記複数の係止部は、前記挿口部と前記受口部との離脱方向及び挿入方向に互い違いにずれて周方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の移動防止手段。
【請求項3】
前記一つの係止部の両係止爪と前記他の係止部の両係止爪との周方向の端部同士は、周方向において重複して前記挿口部の前記外周面を係止していることを特徴とする請求項1または2に記載の移動防止手段。
【請求項4】
前記凹部の周方向の両端部は、該凹部の周方向の中央部よりも前記管軸方向に長寸に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の移動防止手段。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挿口部の外周面に係止爪を係止させることで、挿口部と受口部との離脱方向及び挿入方向の相対移動を防止する移動防止手段に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の移動防止手段は、挿口部の外周面に対抗する本体の内周面に周方向に円弧状に延びる凹部が複数形成されているとともに、これら凹部内に挿口部の外周面に向けて鋭角に延びる係止爪を備え、これら係止爪を押しねじ(押圧ネジ)によって係止爪を挿口部の外周面に食い込ませることで、挿口部が受口部から離間しようとする離間方向に相対移動することで係止部を凹部内で傾動させ、この傾動によって係止爪を挿口部の外周面に食い込ませて挿口部の受口部からの離脱方向への相対移動を阻止している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−174654号公報(第6頁、第5図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の移動防止手段にあっては、各係止爪を挿口部の外周面に食い込ませると、隣り合う係止爪同士で互いに干渉してしまうために挿口部の外周面に対して大きな係止力を得ることができず、挿口部の受口部からの相対移動を強く防止することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、挿口部と受口部との離脱方向及び挿入方向の相対移動を強力に防止することができる移動防止手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の移動防止手段は、
挿口管の挿口部の周方向に沿って配置され、該挿口部の外周面に係止する係止爪が前記挿口部の前記外周面に沿って夫々形成された複数の係止部と、前記挿口部が挿入される受口管の受口部若しくは該受口部に支持されたカバー部に形成されるとともに、前記挿口部の外周面に向けて開口し前記係止部を内部に収納する凹部と、前記凹部内の前記係止部を前記挿口部の前記外周面に向けて押圧する押圧部と、を備え、前記挿口部の前記外周面に前記係止爪を係止させることで、前記挿口部と前記受口部との離脱方向及び挿入方向の相対移動を防止する移動防止手段であって、
前記係止部は、前記挿口管の管軸方向で対向して一対の係止爪が設けられているとともに、少なくとも一つの前記係止部と他の係止部とは、双方の両係止爪が前記管軸方向にずれた位置に配置されることで、周方向に渡って前記挿口部の前記外周面を双方の両係止爪が係止することを特徴としている。
この特徴によれば、押圧部によって周方向で隣り合う係止部同士を挿口部の外周面に向けて押圧しても、これら係止部の係止爪が互いに干渉することなく挿口部の外周面を周方向に渡って係止することができ、挿口管と受口管とが離脱方向及び挿入方向に相対移動する際には、管軸方向の離脱方向側若しくは挿入方向側に設けられた係止爪がより深く挿口部の外周面に係止するので、挿口部と受口部との離脱方向及び挿入方向の相対移動をより強力に防止することができる。
【0007】
本発明の移動防止手段は、
前記複数の係止部は、前記挿口部と前記受口部との離脱方向及び挿入方向に互い違いにずれて周方向に沿って配置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、複数の係止部の各係止爪が係止する範囲を比較的短く抑え、挿口部と受口部との離脱方向及び挿入方向の相対移動時に各係止部の両係止爪の傾動のばらつきを抑えることができる。
【0008】
本発明の移動防止手段は、
前記一つの係止部の両係止爪と前記他の係止部の両係止爪との周方向の端部同士は、周方向において重複して前記挿口部の前記外周面を係止していることを特徴としている。
この特徴によれば、一つの係止部の両係止爪と他の係止部の両係止爪とが重複して挿口部の外周面を係止する箇所で係止力を増大させ、より挿口部と受口部との離脱方向及び挿入方向の相対移動を強力に防止することができる。
【0009】
本発明の移動防止手段は、
前記凹部の周方向の両端部は、該凹部の周方向の中央部よりも前記管軸方向に長寸に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、挿口管が受口管に対して離脱方向または挿入方向に移動することで係止部の周方向側の両端部に生じる、係止部の周方向側の中央部よりも挿口部の離脱方向または挿入方向への大きな回動幅を、凹部の周方向側の両端部で許容することができる。
- 【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例における挿口管及び受口管を示す断断面図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】カバー部の内周面を示す平面図である。
【図4】(a)は、係止部を示す正面図であり、(b)は、係止部における係止爪の配置位置を示す平面図であり、(c)は、図4(a)における係止部のB−B断面図である。
【図5】係止爪の配置を示す平面図である。
【図6】(a)は、係止部が押圧ボルトによって挿口部の外周面に向けて押圧されている状態を示す断面図であり、(b)は、挿口管が受口管から離脱方向に移動した際の係止部を示す断面図であり、(c)は、挿口管が受口管の挿入方向に移動した際の係止部を示す断面図である。
【図7】変形例としての挿口部と受口部とを示す断面図である。
- 【公開番号】特開2012−36919(P2012−36919A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【発明の名称】移動防止手段
- 【出願番号】特願2010−174822(P2010−174822)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】
【識別番号】000105556
【氏名又は名称】コスモ工機株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
【識別番号】100116757
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 英雄
【識別番号】100123216
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 祐一
【識別番号】100089336
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 佳直
【識別番号】100163212
【弁理士】
【氏名又は名称】溝渕 良一
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
【識別番号】100156535
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
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