電気自動車の充電システム
- 【要約】
【課題】設備費用が安価で、急速充電が可能な電気自動車の充電システムを提供する。
【解決手段】電気鉄道用の電力供給系統のき電線5からの直流電力で、電気自動車10に搭載された動力用の蓄電装置11を充電する。ここに、き電線5と蓄電装置11とは、充電ステーション2に設けられた給電端子26と電気自動車に取り付けられた受電端子部22とを電気的に接続することにより、接続される。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電力回線から受電する変圧器と前記変圧器に接続された整流装置と前記整流装置に接続されたき電線とを有する電気鉄道用電力供給システムにおいて、
電気自動車に搭載され、当該電気自動車に走行用の駆動電力を供給する充電可能な蓄電装置と、
前記き電線に接続された給電用接続子と、
前記電気自動車に取り付けられ、前記蓄電装置に接続された受電用接続子とを備え、
前記給電用接続子と前記受電用接続子とを電気的に接続することにより、前記蓄電装置が前記給電用接続子を介して前記き電線と接続して充電される電気自動車の充電システム。
【請求項2】
前記き電線と前記蓄電装置が直流電圧の調整が可能なDC−DCコンバータを介さずに接続されてなる請求項1に記載の電気自動車の充電システム。
【請求項3】
前記給電用接続子が、前記変圧器が設置された変電所と異なる箇所に設けられてなる請求項1または請求項2に記載の電気自動車の充電システム。
【請求項4】
電気自動車に搭載された充電可能な前記蓄電装置が、積層型ニッケル水素電池である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電気自動車の充電システム。
【請求項5】
前記受電用接続子が前記電気自動車の屋根に設けられていて、
当該受電用接続子に充電時に対向する位置に前記給電用接続子が配された請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電気自動車の充電システム。
【請求項6】
前記電気自動車の側部もしくは床部であって前記給電用接続子に充電時に対向する位置に前記電気自動車に搭載された前記蓄電装置に接続された受電用接続子を備えた請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電気自動車の充電システム。
【請求項7】
前記電気自動車の上部であって前記受電用接続子と前記蓄電装置との間に伸縮自在な蛇腹部を有し、前記給電用接続子に充電時に対向する位置に前記電気自動車に搭載された前記蓄電装置に接続された前記受電用接続子を備えた請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電気自動車の充電システム。
【請求項8】
前記給電用接続子が、前記変圧器が設置された変電所に備えられていて、
前記電気自動車の屋根であって前記給電用接続子に充電時に対向する位置に前記電気自動車に搭載された前記蓄電装置に接続された受電用接続子を備えてなる請求項1または請求項2に記載の電気自動車の充電システム。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車の動力用蓄電池を充電する為の電気自動車用の充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、動力用蓄電池を搭載して、この動力用蓄電池からの電力をモータに供給して走行する。したがって、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等を動力とした一般の自動車のように排気ガスの問題がなく、クリーンで環境に優しい技術として期待されている。
【0003】
電気自動車の充電方法については、種々の方法が提案されている。電気自動車に関していえば、ガソリン車やディーゼル車との対比の関係で、その航続距離(走行可能距離)と充電時間が問題となる。すなわち、電気自動車は動力用蓄電池に蓄えられた電気エネルギーを動力源として走行するので、1回あたりの蓄電池の充電での航続距離が問題になるとともに、蓄電池の充電時間が、電気自動車の競争力を決める重要なファクターとなっている。これは、ガソリン車等の給油時間に比べて、蓄電池の充電時間がかなり長いことに起因している。
【0004】
電気自動車に搭載の蓄電池を充電する方法として、特許文献1に示すようにDC−DCコンバータを用いる方法や、特許文献2および特許文献3に示すように別途用意した蓄電池を用いて充電する方法や、特許文献4に示すように蓄電池の交換による方法が提案されている。
【0005】
特許文献1を除き、いずれも電気自動車に搭載される動力用蓄電池の急速充電を課題としたものであり、充電に必要な時間の短縮に関する技術が開示されている。なお、特許文献1には、充電対象として電気自動車ではなく、鉄道もしくは軌道の電気車両に搭載の蓄電池の充電に関する技術が開示されている。
【0006】
ここで、本発明のバックボーンとなる電気鉄道の電力供給システムについて、電気鉄道固有の事項を中心に説明する。図17は、現在採用されている一般的な電気鉄道用の電力供給システムである(例えば、特許文献5)。電気鉄道用の変電所309では、電力会社の商用交流電源系統301から交流電力を受電して、変圧器303で適当な電圧に降圧した後、整流器304にて直流電力に変換し、き電線305を介して空中架線306からパンタグラフ311を通じて電気車両310に直流電力を供給している。
【0007】
電気車両310は、供給された直流電力を車両に搭載された電力変換装置312を介して走行用モータ313に電力を供給することで電気エネルギーを走行エネルギーに変換して力行(加速走行)を行う。加速時には電気車両310は大きな電力負荷となるので、架線306に大電流が流れ架線電圧が降下し、ひいてはき電線305の電圧が降下する。
【0008】
また、反対に回生能力を持つ電気車両310は、減速時には電気車両310が持っている走行エネルギーを、走行用モータ313を発電機として使用して、電気エネルギーに変換を行い、それが回生電力となる。
【0009】
回生電力は、同時に走行している他の電気車両が加速走行時であれば、その電気車両で消費されるが、加速走行する電気車両がない場合は回生電力は消費されず、架線電圧が上昇してき電線電圧が上昇する。そのため、電気車両310では一定電圧以上で回生電力の発生を抑えるよう電気車両の電力変換装置312による制御が行われ、いわゆる回生の絞り込みが行われる。さらに、それ以上に電圧が上昇すれば、電気車両310の電力変換装置312によって電力の回生を打ち切る制御が行われ、一般的にいわれる回生失効となる。
【0010】
回生の絞り込みもしくは回生失効が起これば、電気車両310の必要な減速度を確保するために機械ブレーキを使用することになり、走行エネルギーは最終的に熱エネルギーに変換され無駄に廃棄されることになる。
【0011】
回生失効を防止するため、変電所で回生電力を消費するためにチョッパーを利用して回生電力を抵抗器で熱エネルギーに変換する方法もとられているが、この場合も回生電力が無駄に廃棄されることになる。図17に示す変電所309においては、回生失効を防止するため、電力貯蔵装置308を配置して、充放電制御を行なうDC−DCコンバータ302を介して電力貯蔵装置308に回生電力の貯蔵を行う例が示されている。このような電力供給システムでは回生電力は無駄に廃棄されることはないが、DC−DCコンバータ302や電力貯蔵装置308は高価であるので変電所309の建設費が高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−23785号公報
【特許文献2】特開2009−77557号公報
【特許文献3】特開平07−250405号公報
【特許文献4】再表2008−123543号公報
【特許文献5】特開2001−260719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
電気自動車に搭載の蓄電池の充電を短時間に行ないたいという要望は、ガソリン車等との対抗上、強く求められている。そして、その手法が種々提案されているが、一般的に短時間で蓄電池を充電するためには、高電圧を印加して、大電流を流して蓄電池を充電する必要がある。つまり、電圧と電流の積が電力であるので、急速充電には大電力を必要とすることになり、設備費と契約電力料金が大きくなるという問題がある。
【0014】
例えば、1kWhで5km走行する電気自動車を500km走行させる仕様で100kWhの蓄電池が搭載されている場合、36秒で充電するためには10,000kWの充電設備が必要になる。日本では契約電力は1kW当り1ヶ月間で約1,700円必要なので年間の契約料は2億400万円になる。
【0015】
更に、充電器は使用最大電力に応じてその体格が大きくなり、価格が高くなる。例えば、5万円/kWとすると充電器は5億円になり過大な設備費用を必要とする。
【0016】
特許文献2には、車外に設置した急速充電器から車載の高圧蓄電池に充電して、この高圧充電器で低圧蓄電池を充電する技術が開示されている。この場合、車外に設置した充電器が高価になるという問題がある。また、車載の高圧蓄電池も必要とするので充電システムが複雑化し高価になるという問題がある。
【0017】
特許文献3には、車外に設置した大容量の蓄電池から車載の蓄電池を充電する技術が開示されている。これは蓄電池から蓄電池への充電が比較的速やかに行なわれることを利用したものである。この方法によれば、車外に設置した大容量の蓄電池の充電は深夜電力によって充電されるので、充電に大電力を必要とせず、契約電力の低減および充電器の小型化・低価格化が可能である。しかし、この方法では、別途大容量の蓄電池が必要となり、大きな設備費用を必要とする。
【0018】
特許文献4には、車載の蓄電池を既に充電済みの蓄電池との交換を行うことにより、蓄電池の充電に要する時間の短縮を図る技術が開示されている。この技術によれば、蓄電池の交換作業と、交換した蓄電池を充電場所まで搬送して充電する作業が必要になるので、作業が煩瑣となり工賃が高くなる。また、交換用の蓄電池が別途必要となり、大きな設備費用を必要とする。
【0019】
特許文献1には、電気車両に搭載の蓄電池を電気鉄道のき電線から充電する技術が開示されているが、き電線の公称電圧と蓄電池の仕様電圧にはギャップがある(例えば、き電線の公称電圧が1,500Vであるところ蓄電池の仕様電圧が600Vである場合等)。この電圧のギャップをうめて降圧し、適切に蓄電池の充放電を行うために蓄電池の充電に別途DC−DCコンバータを必要としている。これは、電気鉄道の電力供給システムにおいて、電力供給系統の電圧変動が大きいためである。すなわち、商用の電力系統において、その電圧変動は高々10%程度であるところ、電力供給システムにおいては、ときには30%を超えることがある。この電圧変動に耐えて適切に蓄電池の充放電を行なうために、DC−DCコンバータが用いられている。急速充電をする場合は、DC−DCコンバータは大電力仕様とする必要があり、高価となる。
【0020】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、電気鉄道のき電線から電気自動車に搭載された動力用蓄電池を充電することにより、高価な充電器もしくはDC−DCコンバータを必要とせず、また、多大な契約電力の負担を要せず、別途充電用の大容量蓄電池も不要であり、蓄電池の交換の手間もない、安価でシンプルな電気自動車に搭載された蓄電池の急速充電システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
(請求項1)
上記の目的を達成するために、本発明に係る電気自動車の充電システムは、交流電力回線から受電する変圧器と前記変圧器に接続された整流装置と前記整流装置に接続されたき電線とを有する電気鉄道用電力供給システムにおいて、電気自動車に搭載され、当該電気自動車に走行用の駆動電力を供給する充電可能な蓄電装置と、前記き電線に接続された給電用接続子と、前記電気自動車に取り付けられ、前記蓄電装置に接続された受電用接続子とを備え、前記給電用接続子と前記受電用接続子とを電気的に接続することにより、前記蓄電装置が前記給電用接続子を介して前記き電線と接続して充電される。
【0022】
この構成によれば、好ましくは、き電線と給電用接続子の間に直流遮断器を設けてもよい。直流遮断器を設ければ、充電システムに過電流が流れもしくは地絡事故が生じたときに、事故電流を遮断して充電システムを保護することが可能となる。直流遮断器は高速度で作動する高速直流遮断器であってもよい。直流遮断器は、空気遮断器であってもよく、真空遮断器であってもよい。
【0023】
電気自動車は充電ステーションに駐車して、き電線から直流電力の供給を受けて電気自動車に搭載の蓄電装置の充電を行う。ここに、受電用接続子は電気自動車に取り付けられているが、給電用接続子は地上設備として設けられていて、充電ステーションの固定設備の一部をなす。
【0024】
電気自動車は、充電可能な蓄電装置と、蓄電装置から電力変換器を介して走行用のモータに電力が供給されて運転される。本発明に係る電気自動車は、前記蓄電装置や電力変換器を備えるとともに、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンを搭載したいわゆるハイブリッド車であってもよい。ハイブリッド車によっては、搭載した蓄電装置の充電が必要になることもあるからである。
【0025】
蓄電装置は、好ましくは充電が可能な二次電池であって、二次電池として、例えば鉛電池、ニッケル水素電池またはリチウム電池であってもよい。また、蓄電装置として、二次電池以外では、キャパシタなどの電力貯蔵が可能なものであってもよい。電気自動車は、乗用車であってもよく、バスやトラックであってもよく、バイクであってもよい。充電可能な蓄電装置と電力変換器を介して走行用のモータで運転が可能であればよい。バスの場合は、電池バスとして知られている。
【0026】
充電ステーションは、一般道路の近傍に設けられておれば、随時充電が可能である。電気自動車が、公共交通機関として定められた路線を定期的に運行される路線バス(電池バス)である場合は、停留所または車庫に充電ステーションが設けられていてもよい。路線バスが停留所または車庫に停車中に充電を行えば、電池バスの充電が電池バスの運行に与える影響を少なくすることができる。充電ステーションの好適な場所としては、き電線が近くを通る電気鉄道の沿線沿いが考えられる。このような場合、き電線の延伸距離が短くてすみ、設置費用が安価であり、電力損失も少なくすることができる。なお、本発明の説明において電気鉄道とは、いわゆる電気鉄道の他、軌道法における軌道を含むものとする。
【0027】
充電ステーションに停車する電気自動車は1台に限定されるものでなく、複数台であってもよい。電気自動車が複数台充電ステーションにき電線を介して接続されていれば、電気鉄道の電力供給システムとして、電気自動車の蓄電装置の分だけ、電力貯蔵装置の抵抗が小さくなって省エネ効果が大きくなるので、電力供給システムにとっては好ましい。すなわち、回生電力を多く貯蔵することができ、省エネルギーに役立つ。また、電気車両の力行に伴うき電線の電圧低下の軽減にも、大容量の電力貯蔵は威力を発揮する。
【0028】
給電用接続子および受電用接続子は、2つの導体を電気的に接続する役割を果たすものであり、電気コネクタのプラグとレセプタクルや、端子形状をしたものや、ブスバーとシューの組み合わせたものであってもよい。
【0029】
(請求項2)
また、本発明に係る電気自動車の充電システムは、前記き電線と前記蓄電装置が直流電圧の調整が可能なDC−DCコンバータを介さずに接続されていてもよい。
【0030】
電気鉄道用の変電所には、き電線の公称電圧と蓄電池の仕様電圧の電圧ギャップをうめて降圧し、適切に蓄電池の充放電を行うために、特許文献1に示すような直流電圧の調整が可能なDC−DCコンバータを設けることがある。これは、電気鉄道の電力供給システムにおいて、その電力供給系統の電圧変動が大きいためである。これは、電気車両が力行、回生を行うからであり、電圧変動がときには30%を超えることがある。この電圧変動を抑制して適切に機器の運転を行うために、直流電圧の調整が可能なDC−DCコンバータを設けることがある。本発明の構成によれば、高価なDC−DCコンバータを必要としない。
【0031】
(請求項3)
また、本発明に係る電気自動車の充電システムは、前記給電用接続子が、前記変圧器が設置された変電所と異なる箇所に設けられていてもよい。
【0032】
この構成によれば、給電用接続子が変電所に設けられていないので、充電ステーションは、変電所の設置場所とは独立に自由に選択可能となるので、充電ステーションの配置の融通性が高まる。
【0033】
(請求項4)
上記蓄電装置は積層型ニッケル水素電池であることが好ましい。また、当該ニッケル水素電池の導電剤に炭素を含むことが好ましい。
【0034】
(請求項5)
また、本発明に係る電気自動車の充電システムは、前記受電用接続子が前記電気自動車の屋根に設けられていて、当該受電用接続子に充電時に対向する位置に前記給電用接続子が配されていてもよい。
【0035】
この構成によれば、好ましくは電気自動車の屋根に設けられた受電用接続子に対抗する上方に、給電用接続子を地上側設備として設け、当該給電用接続子をき電線に接続する。電気自動車が充電ステーションの所定位置に停車したときに、受電用接続子を上昇させるか、給電用接続子を降下させることにより、受電用接続子と給電用接続子とを接触させて、電気的に接続可能にする。したがって、受電用接続子は電気自動車の屋根近傍に設置されていればよく、電気自動車の上方部に位置していればよい。係る受電用接続子には、作業の安全のために感電防止板を設けてもよい。電気自動車が電池バスのような大型自動車である場合、受電用接続子を電気自動車の屋根に設けることは、き電線の空中配線が可能となり、充電ステーションの設備の簡素化に有利である。
【0036】
(請求項6)
また、本発明に係る電気自動車の充電システムは、前記電気自動車の側部もしくは床部であって前記給電用接続子に充電時に対向する位置に前記電気自動車に搭載された前記蓄電装置に接続された受電用接続子を備えていてもよい。
【0037】
この構成によれば、給電用接続子とこれに嵌合する受電用接続子からなる電気コネクターを用いて、き電線と蓄電装置を電気的に接続してもよい。一般に係る電気コネクターはプラグとレセプタクルからなり、プラグはケーブル側に取り付けられ、レセプタクルは機器側に取り付けられる。電気コネクターは、安全に、確実に、かつ容易に人手での脱着が可能である。電気コネクターは、ねじ式や嵌合式等種々の組み合わせがある。電気コネクターによる接続は、比較的車高の低い乗用車のような電気自動車に適している。ガソリン車における給油の感覚で電気コネクターを電気自動車に接続することができる。
【0038】
(請求項7)
また、本発明に係る電気自動車の充電システムは、前記電気自動車の上部であって前記受電用接続子と前記蓄電装置との間に伸縮自在な蛇腹部を有し、前記給電用接続子に充電時に対向する位置に前記電気自動車に搭載された前記蓄電装置に接続された受電用接続子を備えていてもよい。
【0039】
この構成によれば、蛇腹部はラックとピニオン式で伸縮を可能にしたものであってよく、また、空気シリンダーとピストンの組み合わせにより伸縮をさせてもよく、あるいは電動サーボを用いて伸縮させてもよく、更には電動モータとリミットスイッチにより伸縮させてもよい。道路走行中は蛇腹部を縮めて受電用接続子を下げ、充電ステーションで充電時に蛇腹部を延伸して受電用接続子を上げてもよい。
【0040】
(請求項8)
また、本発明に係る電気自動車の充電システムは、前記給電用接続子が、前記変圧器が設置された変電所に備えられていて、前記電気自動車の屋根であって前記給電用接続子に充電時に対向する位置に前記電気自動車に搭載された前記蓄電装置に接続された受電用接続子を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、電気鉄道用の電力供給システムのき電線から直流電力の供給を受けて高電圧で大電流で充電するので、急速充電が可能である。すなわち、本発明による充電システムによれば、充電に必要な大電力は電気鉄道用の電力供給システムから供給されるので、別途大電力の契約の必要がなく、高価な充電器やDC−DCコンバータを必要としないので安価なシステムを提供する。副次的には、電気鉄道における回生電力の貯蔵や、電力不足によるき電線電圧の低下に対処することが可能となり、省エネルギー効果が期待できる。
- 【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施形態の電気自動車の充電システムの概略構成図である。
【図2】ニッケル水素電池を構成する単位電池の構造を示す断面図である。
【図3】図2に示す単位電池の枠形部材、第1蓋部材及び第2蓋部材の構造を示す斜視図である。
【図4】電池モジュールの横断面図である。
【図5】電池モジュールに用いられる伝熱板の斜視図である。
【図6】各種電池等のSOC(state of charge)に対する電圧変化を示すSOC特性図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の電気自動車の充電システムの給電部と受電端子部の外観の斜視図である。
【図8】(a)は、本発明の第1の実施形態の電気自動車の充電システムの給電部と受電端子部の外観の側面図であり、(b)は、同充電システムの給電部と受電端子部の外観の正面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の電気自動車の充電システムの概略構成図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の電気自動車の充電システムの給電コネクターの外観の斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の電気自動車の充電システムの充電方法を示すフローチャートである。
【図12】(a)は、本発明の第3の実施形態の電気自動車の走行時の状態を示す図であり、(b)は、充電時の状態を示す図である。また(c)は、(b)における要部の拡大図である。
【図13】本発明の参考例の電気自動車の充電システムの概略構成を示す図である。
【図14】電車と電池バスを示した充電システムの構想図である。
【図15】路面電車と電池バスを示した充電システムの構想図である。
【図16】本発明の第1の実施形態の電気自動車の充電システムの試験結果を示す表である。
【図17】従来技術からなる電気鉄道の電力供給システムの概略構成図である。
- 【公開番号】特開2012−80628(P2012−80628A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【発明の名称】電気自動車の充電システム
- 【出願番号】特願2010−221656(P2010−221656)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
【識別番号】591139633
【氏名又は名称】東京急行電鉄株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100085291
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実
【識別番号】100117798
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 慎一
【識別番号】100166899
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 慶太
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